【9月号⑯】「勝央金時太鼓  進化した『那岐おろし』目指して」 ももか


  
 十一月二日に倉敷マービーふれあいセンターで開催される、岡山県和太鼓連盟三十周年記念コンサート「晴れの国和太鼓まつり」まで、気がつけばもう残り三か月を切りました。毎週水曜日の夜の、勝央金時太鼓の時間がもの凄く楽しくて、大好きな時間なのですが、段々とその中に緊張感も芽生え初めていることを感じます。八月の練習は………。

 どんなリズムを叩くにも、どんな速さで叩くにも、基礎が欠かせない。ということで、練習の初めの一時間は基礎練習です。保存会の山本さんともご一緒に、二分音符・四分音符・八分音符・十六分音符、そして十六分音符まで行ったら、順に二分音符へと逆戻り。

  

  
 竹内さんのチャンチキのテンポにきっちりと合わせること! そして、出来る限りバチは真っすぐと上に一瞬で上げる!「ドーン! ドーン! ドン・ドン・ドン・ドン……」と爆発的な太鼓の音がホール中に響き渡ります。

 私は特にこの基礎練習の時間が、大好きでたまらないです。一音一音を思いっきり叩くことができる気持ちよさ、それにまだマスターできていない十六分音符も、ゆっくりなテンポから徐々にハイテンポへと上げていきながら練習できるので、ちょっとずつ十六分音符を、きちんと拍に合わせて叩けるようになっていけます。

 けれど、私はまだまだ、まだまだ十六分音符の壁はあります。竹内さんのテンポがどんどん上がっていき、私は心の中で(ひーっ!)と悲鳴を上げてしまいました。もっともっと練習を重ねて、どれほど速い十六分音符でも拍に合って叩けるようになりたいです。

 十六分音符の練習だけでなく、アクセントのリズム練習、腕からばち先を瞬時に上げる練習、打ち止め、様々な基礎練習をみっちりとします。

 基礎練習を終えたら、もう既に汗がダクダク……ということで、小休憩。休憩時間には竹内さんが叩き方講座をしてくださります。曲の演奏や、ハイテンポのフレーズになってくると、出てくる私たちの課題。それは、「打ち終わったときにバチ先が上がってしまう」ことです。

 実際、竹内さんがバチ先がきちんとフォームに戻っている打ち方と、上がってしまっている打ち方、を順にしてくださり、客観的に見ると、一目瞭然です。

 いくら大きな音が出ていたとしても、バチ先がコントロールしきれず上を向いてしまっては、太鼓の迫力が、半減して見えてしまいます。その分、しっかりと元の位置に戻っていると、一音一音、見た目にも締まりが出ていました。

  
  
 よく曲の中でアクセントや、二分音符などを打つとき、「腕を真上に上げる」という動作があるのですが、それも同じく。そのスピード感によって、ゆるく見えるか、締まって格好よく見えるか、が大きく変わってくるのです。

 普段、竹内さんに何度も教えてもらう、「叩き終わったときのバチ先」「バチを上げるスピード」。細かなことのようだけれど、それが見た目に大きく反映してくるということ。

 そのように、毎週、竹内さんが、必ずおさえておきたい太鼓のフォームや打ち方などを細かく教えてくださいます。

■全力で上達したい

 そうしたことが分かったところで、練習は後半へ。コンサートで演奏する『那岐おろし』の練習に入ります。

 一曲を通して見て、竹内さんが、もっと良くするには、と、直すところを伝えてくださります。宮太鼓、締太鼓、大太鼓、それぞれのパートごとのこともあれば、全体でのこともあれば、個人のこともあれば、それは様々なのですが。特に課題であったのは、全体の音のボ・リュ・ー・ムです! 

  
  
 宮太鼓が強く大きくアクセントを打つリズムの、刻みの音の大きさ。締太鼓が大太鼓ソロへ場面を受け渡す刻みの大きさ。最後に四小節ずつ音量を上げる場面。全体で、今はどのパートを引き立たせたいのか、どのリズムを立たせたいのか、それをきちんと自分たちの中で持って叩いていくことが大切です。

 打ったときに、バチ先が上がっていないか、外にバチを逃がしながら打っていないか、腰や膝を使えているか……と細かなことまで、みんなと意識していくと、本当に回数を重ねるごとに、叩いていても身にしみて感じるほど、進歩できていることを感じます。

 ホールの太鼓で練習できるのも、もう残すところ指で数えられる程しかありません。本当にあっという間で、気がつけば本番になってしまいます。

 次回からは、出はけを含めた練習も始まってきます。演奏中だけではなく曲の前後も、バチ同士が当たる音を立ててしまわないように。けれどもスッと素早く。曲の中だけでなく、そういうところにも意識を向けて、思いっきり楽しみながら、でも真剣に、最高のステージにできるよう進歩していきたいです。