「優しさにつつまれた、なのはな成人式」 サリー

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 今日はなのはなで成人式を開きました。私とみつきちゃん2人のために、なのはなのみんなが成人式を開いてくれました。今、私は本当に心から幸せで、涙が溢れそうです。私は幸せ者です。今までの人生の中で自分は幸せだなぁと心から思えた日はあったかどうか思い出せません。でも今、私は幸せです。なのはなのみんながやさしいから、私はこんなにも幸せになれました。今も私の入っている畑のBチームのリーダーのさきちゃんが、今日は疲れているだろうから、今日の畑の集まりは休んで良いよと言ってくれました。もう泣きそうです。なんでこんなにもみんながやさしくしてくれるんだ。やさしさって本当に人を救うものです。

 成人式のことで書きたい事がたくさんありすぎて、どこから始めればいいか分かりません。とりあえず、まずは今日の式のことを書きます。その後は、ここ3日間のフォトムービーチームとの撮影時間のことを書きます。その後は、とりあえず満足するまでこの幸せな気持ちをできるだけ全部、このパソコンに叩き打ち込んでいきます。この幸せな気持ちを忘れることなく残すために、10年後この日記を読んでいる私に、この瞬間の幸せを蘇らせるために、叩き打ち込んでいきます。

 今日は朝の8時から、あゆちゃんにヘアメイクをしてもらいました。ヘアメイクの予行練習を昨日の夜に一度行いました。着る振り袖が紫色との事でしたので、アイシャドーの色も紫にすることになりました。リップの色もはっきりとした華やかなピンクでした。自分ではあまり使った事のない色で、やった事のない化粧のスタイルや髪型でした。全部すごく豪華で、みんなには綺麗だとか、可愛いとか、たくさん褒められていても、自分では鏡に映る姿にあまりにも慣れなくて、似合っているのか心配になったり、だんだん自分の欠点にしか目がいかなかったり、すごく不安になりました。自分は人に見られる事や注目を浴びる事が苦手です。なので成人式でみんなの前に立って、みんなの視線を浴びるということがとても怖かったです。成人式の前日の夜は、少しパニック状態になってしまいました。緊張と不安で涙が溢れてしまいました。その時には、かにちゃんとまえちゃんが優しい言葉をかけてくれて安心させてくれました。かにちゃんとまえちゃんには本当に感謝です。あの後、泣いた疲れと、かにちゃんとまえちゃんのおかげの安心感でぐっすりと寝ることができました。

 次の朝は、式で読む謝辞が書き終わってなかったので、いつもより少し早起きをして謝辞を書きました。どういう大人になりたいか。お父さんお母さんそしてなのはなのみんなへの感謝の気持ちを、上手く言葉で表せたかどうかわかりません。この表しきれない感謝の気持ちをどう上手く伝えられるかが不安でしたが、なんとか謝辞を書き終えられました。
 8時からヘアメイクを開始し、あゆちゃんが前夜泣いて疲れた目を綺麗にしてくれました。でもまだ鏡を見るのが怖かったです。
 
 9時過ぎからは振り袖の着付けをしました。着付けの先生の村上さんがわざわざ来てくださいました。初めての振り袖はとても緊張します。お父さんとお母さんに選んでもらった紫色の上品な振り袖を身につける事には、なにかすごく不思議な緊張感を感じました。日本の伝統的な綺麗な着物を着たのは七五三以来で、ワクワクとドキドキと不安感でいっぱいでした。私の前にみつきちゃんが着付けを終えて、そのみつきちゃんの姿を見たときは、もう本当に美しくて自分の仲間でこんなにも美しくて繊細で上品な人がいる事が、本当に誇りに思いました。オレンジ色がすごく似合っていて素敵でした。
 
 着付けをしている間は私はずっと突っ立ったままで、どんどん村上さんが色んな着物のレイヤーを着せてくださり、どんどんいろんな紐などもう名前も分からない色んな物を腰に巻き付けていきました。たくさんの布と紐を巻かれていくと、段々姿勢も気持ちもぴしっと正されていく感覚がありました。着付けの間は、その後の式のための緊張感や心の準備、そしてこれから成人としてしっかりとした姿勢で人生に向かっていく心構えができた気がしました。本当にありがたくて貴重な時間でした。

 

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 2人のヘアメイクも着付けも終わり、そこで自分の姿を鏡で見ると、なんだかすごく切ない気持ちになりました。私はあまり自分の姿に自信をまだ持てていません。自信を持とうとはいつも心がけているのですが、やはり自分の姿や自分の中身を好きになる事はむずかしいです。でもその鏡に映っていた人は綺麗でした。今まで辛い経験はしたけれど、これからいい大人、やさしい大人、強い大人、人のために考えて行動する大人になる心構えができている女性の姿が映っていました。自分がんばれ。自分はこれから無限な可能性がある。大丈夫。心配することない。いつも感謝の気持ちをもって親や他人に甘える気持ちを捨てて、誠実に真面目に、毎日頑張っていれば大丈夫。そうして、きっと同じような心構えをしていた緊張感の持った顔をしたみつきちゃんと私はリビングで待っていたみんなの元へと行きました。

 リビングに入ると、みんなが歓声を上げてくれました。みんなあたたかい視線で、私とみつきちゃんを
見守ってくれていました。こんなにも暖かくて肯定的で、私たちのこれからの成人としての人生を応援してくれているみんなの前に立てて、本当に嬉しかったです。こんなにも自分の事のように私たちを祝ってくれて本当に幸せです。恥ずかしい気持ちももちろんありましたが、ありがたい気持ちが胸いっぱいに広がっていて、息苦しいくらいでした。涙をこらえるのに必死でした。

 

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 そしてその後、すぐみんな体育館へ移動し、式がついに始まりました。体育館はみんながここ何日間でピカピカに掃除してくれて、赤と白の綺麗なお花や赤と白い布、レッドカーペットまで敷かれて飾りつけられていました。コロナの影響で、勝央町の成人式が8月まで延期されて、8月に振り袖を着るのには暑すぎる、そう言ったお父さんがなのはなで2人のために式をあげようと言ってくれました。そうしてみんなが私たちのために、こんな素敵な成人式を準備してくれました。本当にありがとうの気持ちで胸がいっぱいです。

 新成人入場。あゆちゃんの合図で私たちは入場しました。少し小さいぞうりを履き、レッドカーペットを歩いている間は、転ばないのに必死でした。内股、内股。首を長く、首を長く。胸を張れ、胸を張れ。ずっと自分にそう言い聞かせながら歩きました。多分ガチガチに見えてしまったかもしれません。入り口から席まで2キロくらいあったんじゃないかと思ったくらい、やっとの道のりで無事、転ぶことなく席に座れました。
 
 まずは桃の唄というなのはなの本当に素敵な詩の歌を歌ってから、お父さんの祝辞を聞かせていただきました。今この地球の最大の危機、温暖化の話を聞かせていただきました。この先の10年が一番重要な時期。世界を守るのは、今成人して大人になる私たち。私達はこれから社会人になります。社会人になるという事は家族のために収入を得て自分が安心できる様に生活していくのではなく、この地球全体を考えながら、どう社会に貢献できるかを考えながら生活していくこと。理想高く、自分の身の回りの人たちだけではなく、まだ見ぬ誰かのために考えて行動すること。

 

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 まだ見ぬ誰か。それは地球全体のほとんどの人たち。その人たちの事を思いながら生きていく。今、急速に進んでいる温暖化はこのまだ見ぬ誰かをたくさん困らせ、苦しめます。私一人ができることは小さく感じてしまうかもしれませんが、自分ができる事を全力で力を尽くしてやるしかない。そうすればそのできる事が段々広がり、色んな人に伝わっていく。そういう事を意識しながら生きる。そう教えてくれたお父さんの祝辞は、どんな成人式での祝辞よりもありがたくて心強い祝辞でした。お父さん本当にありがとうございます。

 お父さんの祝辞の後は、着付けの先生の村上さんと、いつもお世話になっている河上さん、須原さん、白井さんからのお祝いの言葉を頂きました。こんなにも私たちの事を大切に思ってくれていて、またもや幸せな気持ちがふくらみました。

 その後お父さんお母さんからお祝いのプレゼントを頂き、謝辞を言う時が来ました。すごく緊張しましたし、上手く書けていたかどうか、上手く伝わるかどうかとかすごく不安でしたが、最後まで言えて良かったです。みつきちゃんが先に言ったのですがすごく素敵な言葉に感動しました。なのはなのみんなやお父さんお母さんが大好きな気持ち、感謝の気持ちやこれからの抱負や成人としての心構え、そしてなのはなに来れてよかったという気持ちがすごく伝わってきて、私もみつきちゃんがなのはなに来れて一緒に過ごせて、そして一緒に成人式を迎えて、本当に良かったな、嬉しいなと思いました。

 

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 謝辞が終わると、式ももう終盤でした。みんなで記念写真を撮ってから、レッドカーペットの両脇にみんなが並んで花道を造ってくれて、私とみつきちゃんが退場しました。大好きなみんながあたたかい笑顔で拍手をしてくれたり、手を振ってくれたりしながら、人生で初めて歩いた花道は一生忘れません。この私の幸せでありがたくて、嬉しい気持ちは、伝わりますでしょうか。本当に幸せで、ありがたくて、うれしいんです。自分はあまり友達と呼べる人もいませんでしたし、私を祝ってくれる人もいませんでしたし、成人式も絶対出ないと思っていたのに、こんなにもたくさんの人たちにお祝いしてもらい、本当に嬉しかったです。

 その後は何グループかに別れたみんなと記念写真を撮ったり、お父さんお母さん、あゆちゃん、りゅうさんと、門松やお客様玄関で写真を撮ったりしてから、昼ご飯を食べました。こうして私とみつきちゃんの、世界一幸せな成人式が終わりました。

 

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 午後からは、振り袖を着てたくさんの記念写真を、フォトムービーチームで撮りました。途中でお父さんも来てくださり、何枚かの写真を撮ってくれました。やっぱりなんかお父さんが撮ると、恥ずかしい気持ちや嬉しい気持ちが顔に出てしまいました。
 
 フォトムービーチームとは成人式の三日間前から、ずっとお世話になっていました。ななほちゃんりなちゃんまちちゃんさくらちゃんまよちゃんちさちゃんなつみちゃん、そしてフォトグラファーのかにちゃん。このみんなには特にありがたい気持ちでいっぱいです。このメンバーだったからこそ、私は撮影時間や衣装選びやヘアメイクなど、ここ数日間をあんなにも楽しめました。本当に、本当に、楽しくて幸せな時間でした。一生分、可愛いだとか、綺麗だとか、たくさん褒めてくれて、もう恥ずかしくて照れくさい反面、本当に嬉しくて泣けそうでした。自分では自分の姿が醜いと思ってしまったり、自分の姿が嫌いになってしまいがちですが、こんなにもたくさん褒められたら、まるで本当に美人になっていく感じがしました。たくさんのやさしい言葉や、やさしい視線をもらって、もうこれで私は一生頑張っていけます。

 

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 そしてこんなにも自分のことの様に喜んだり、こんなにも綺麗なさりーちゃんを見れて幸せ、さりーちゃんありがとう、綺麗なさりーちゃんから元気をもらった、さりーちゃんに会えて本当に嬉しい、大好き、なのはなに来てくれてありがとう。そういったやさしい言葉を言ってくれて、人生で初めて、こんな人たちに出会えてよかったと思えました。これを書いている間も涙が出てきます。こんな私を好きになってくれてありがとう。フォトムービーチームのみんなに、私は救われました。本当に、本当に、心からありがとう。本当に、本当に、心から大好き。みんなが大好き。正直、ここ数週間、私はあまり調子が良くありませんでした。成人式ではたくさん撮影されたり、みんなに見られる。それも、怖かった。そういう不安が調子が悪かった私に重なり、どうしようと思っていました。逃げ出したかったです。でもそんな崩れそうな私を、フォトムービーチームのみんなが助けてくれました。やさしさで助けてくれました。

 ななほちゃんの、たくさんの可愛いクリクリとした目で送ってくれるあたたかい視線や、たくさんのかわいらしい「ポケットに入れたい」とか、おもしろい褒め言葉。かわいいななほちゃんにこんなにも見られて、私まで恥ずかしくなったけど、本当にななほちゃんにたくさん助けられて、ななほちゃんがいてくれて嬉しかった事。
 
 りなちゃんのまん丸に見開いたキラキラとした目や、口をパカッと開いたまま送ってくれる歓声。最年少のりなちゃんは、いつも素直で、その素直な喜びを見ると私まで素直に喜べた事。
 
 衣装部のまちちゃんの心強い衣装の準備や、雰囲気にあったBGMを流したり、ユーモア溢れる言葉で慰めてくれてそのおかげで本当にたくさん笑えた事。
 
 さくらちゃんの、静かだけれどいつも側で寒かったら銀マットでくるんでくれたり、背景のカーテンを持ってくれたり、一所懸命に重いライトを長時間持ってくれたり、いつも暖かい目で見守ってくれた事。
 
 まよちゃんの、すばらしく高い美意識で綺麗な髪型や、化粧直しや、ポーズ指導や、場の雰囲気を明るくする活気のある声での歓声。明るく、お花や綺麗な小物を取りに走り回っていた事。
 
 学校の勉強で忙しいにも関わらず、ちさちゃんはいつもライトの設置や、背景の設置や、元気ある存在感で明るい場にしてくれたり、可愛いポーズの提案や、本当に自分が年上だと思うと恥ずかしいくらいの優秀さがたくさん感じられる頭の良いアイデアや提案で、スーピーディーにスムーズに進められた事。
 
 なつみちゃんの、今まであまり髪のセットをしたことがなくて、このために編み込みを覚えたと言いながら、そうだったと思えないほどいつも理想通りに仕上げてくれる髪型、色んなポーズを調べてくれて、その写真を保存して見せてくれたり、いつもありがとう、ありがとうと、こっちが感謝する方なのにたくさんありがとう一緒にいれて幸せ、と言ってくれた事。
 
 そしてずっと一所懸命にもっと良く、もっと良く、と良い写真を撮りたいという気持ち。綺麗に写したいと思ってくれる気持ち。脚立に乗ったり色んな工夫をして写真を撮っていたかにちゃんが、一番かっこよかったです。こんなにも好きなことに没頭して、私たちを一所懸命に引き立ててくれるかにちゃんが本当にかっこよくて魅力的でした。

 こうしてフォトムービーチームのみんな一人ひとりが、私とみつきちゃんのために全力を尽くしてくれて、本当にみんなに感謝しています。ななほちゃんやりなちゃんやさくらちゃんそしてなつみちゃんの成人式では、今度は私がなのはなに帰ってきて、お祝いしたいです。撮影では色んな可愛い衣装や綺麗な衣装をみんなが考えてくれて、それを着られて本当に楽しくって嬉しい時間をすごせました。でもそんな事よりフォトムービーチームと深められた関係がなにより嬉しかったです。

 

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 最後に、お父さんが成人式の日の夜の集合で言った言葉の事を書きたいです。お父さんはなのはなのみんなが自分の事でもない私とみつきちゃんの成人式や撮影のことを、嫉妬したり文句一つ言わずに自分の事の様に祝ってくれて嬉しいと言っていました。

 人の幸せは自分の幸せになる事。私は今までこの言葉を何回か聞いたことがあります。しかしこんな事、自分もですし誰もできないと思っていました。人間はみんな自分勝手だから、そんなことできないと思っていました。でもそれは自分と自分の身の回りにいたほとんどの人たちの事でした。常に誰かに構って欲しくて、誰かに心配されたくて、誰かに依存していた。自立したインディペンダントな、ちゃんとした大人ではなかったのです。ただロンリーだったのです。ロンリー。独りぼっち。独りぼっちの私かわいそう。だから私の事心配して。私の事構って。そんな甘えた考えは捨てて、自分の不安や恐れている事、人生の壁に立ち向かって行く事。立ち向かって超えて行く。そうすれば独りぼっちではなくインディペンダントなちゃんとした大人になれる。そうお父さんが教えてくれました。すごく心に響いた言葉でした。

 私はまだまだ心が不安定です。ほとんどの日はあきらめたい気持ちでいっぱいです。でも少しずつでも、この言葉だけでなくお父さんが毎日教えてくれる言葉を信じながら、前に進めるようにしたいです。新成人として、今日から改めて毎日、毎日、人生に立ち向かって行きます。なのはなでの成人式は、一生忘れることのない宝物になりました。

 

 

◆感想文メニュー◆

「優しさにつつまれた、なのはな成人式」 サリー

「なのはなに出会って」 みつき

「あるべき家族の在り方」 やよい

「本当の意味での自立を」 ゆりか

「大切な人を守れる大人に ――成人式で感じた自分の役割――」 ゆい

「2人に出会えて」 ななほ

「未来の誰かのために」 ひなの

 

 

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