6月号⑬「ナスとピーマン 工夫と希望」 やよい

 フェラーリならしとは。

 高いかまぼこ型の畝は、水はけがよく、風通しもよく、野菜が育ちやすいです。 

 でも、一つだけ弱点があるのです。水が流れ落ちやすくて、ホースで水やりした水が野菜に届きにくくなってしまう、という点です。

 そこで、今年はナスとピーマンの株間に船のような流線状のくぼみをつけました。

 株と株の間に、移植ゴテでくぼみをつけます。位置をずらしながら自分側に五回掘り上げて、今度は反対側に五回掘り上げて、くぼみをつけるのです。

 このくぼみが、まるでフェラーリのような流線状に見える、というのは少し誇張しすぎかもしれないけれど、水やりした水が溜まるように流線状のくぼみをつける! ということなのです。

 

 

 ナスとピーマンを植えつけたあと、シャワーヘッドをつけたホースで水やりをすると、エンジンポンプの勢いで水はブシャーー!! と勢いよく畝にぶつけられます。

 でも、水はほとんど流れることなく、株間にあるフェラーリならしされたくぼみにひたひたと溜まり、数分すると、どこへ行ったの? とばかりに畝の中に吸い込まれてしまいます。

 そして、今年の新しい試みの二つ目は、えひめアイの葉面散布です。

 ナスもピーマンも植えつけ直後に、えひめアイの葉面散布をしました。

 えひめアイは、乳酸菌、納豆菌、イースト菌など、良い菌がたくさん入っていて、植物の表面がいい菌で満たされると、病気の菌に負けにくい病気に強い植物になり、虫も寄せ付けない、それでいて栄養剤にもなるといった沢山の効果があります。

 栄養剤であって虫の忌避剤でもある、そんな総合カンフル剤としての効果を発揮するえひめアイを定植直後から継続的に散布することになったのです。

 野菜本来の力を活かしながら、自然農薬を使って野菜そのものや虫に対しても優しい野菜作りをするということが一つの目標になっています。

 

 

 ナスは滝川横に約千株、ピーマンは梅見畑の半面に約四百株、植えつけました。

 どちらの苗も、草丈十〜十二センチ程度の若々しい苗です。

 老化苗になる前の若々しい苗は畑に植えると早いスピードですくすくと成長してくれるため、今年はやや早めの状態で植えつけました。

 植えつけたあとの畑を見渡すと、苗が小さく、風に揺られて、葉がそよそよと揺れる姿はどこか心もとなくも、この苗たちがきっとすくすくと成長してくれて、夏の真っ盛りには私たちの生活も心も豊かにしてくれる存在にきっとなってくれる。

 広大な畑の中に植わった野菜たちからは、そんな大きな希望が感じられました。