日中は汗ばむくらいの気温になった、ある日。デュランティ畑の畝立てをしました。谷になっている場所に位置する畑なので、上方からいい肥料が流れてくるような、とても好条件な畑だとお父さんがおっしゃっていました。まだ未開拓の、可能性を存分に秘めた畑、そんな感じがしました。
畝立てする数日前に、溝切りをしたばかりの畑です。溝切りの際には、お父さんやお母さんが、どういうふうに作業を進めるか話してくれました。お父さんが景色を気に入って、大好きになり名付けたデュランティ畑。三枚の、広大な畑を囲い込む溝を切っていきます。その時はまだ、とても水はけが悪い状態でした。多人数で開拓していく、大掛かりな作業でした。

■水はけ改善!
スコップを主に使って、水を通したい道にある草木や泥土を掬っていきました。重たくて、スコップにへばりついて、かなりやりづらい……。みんなで地道にやっていきました。私は、汚れる仕事を無意識に避けてしまうところがあります。でも、みんなはすごい。汗をかきながら、無心で作業をしているようでした。排水用のドラム缶の中をお父さんと一緒に掘っている、すにたちゃんやももかちゃんはの姿がとても勇ましく見えました。
さとえちゃんには、すぐに追いつかれてしまい、
「うたなちゃんはあらかた泥をさらっていって、残ったものを私が取るようにするね!」
と言ってくれました。普段はあまり一緒に畑作業をすることがないゆいちゃんも、
「近くの芹が応援している、頑張ろう!」
と声をかけてくれました。そんなみんなの力強さ、潔さを見ていると、汚れることに抵抗する自分が恥ずかしくなりました。よし、もうどうでもいいや! と、スイッチが入り、泥がはねるのもかまわずスコップをさしていきました。長靴を通り越して靴下が泥になったけど、不思議と不快感はなく、むしろみんなと同じ土俵で同じようにすがすがしさを感じられた作業で、すごく達成感を感じられました。三枚の畑を上から見下ろすと、始めたてのときとは見違えるほど美しく、やってよかった、と思いました。マラソン練習で十四・二キロ走った後の作業のはずでしたが、その美しさは疲れを癒してくれました。

■準備万端
そして畝立て。デュランティ畑には、野菜ではなくナッツや果樹が植わることになります。そのため、いつもの鍬を使ってやる畝立てとは違います。畝幅二メートル、畝間一メートルの、超幅広な畝です。はじめて、鍬ではなくスコップで畝立てをしました。……本当に楽しかったです! 思った以上に夢中になってしまって、合計三時間も畝立てしていたとは思えないほどに時間があっという間でした。りゅうさんや、仕事組さんもいてくれて、二十五人くらいの多人数で、とても活気がありました。「次の畝いきます」「あと〇畝です」という声掛けがあると、大勢が「はい!」と言って、個人的に部活みたいな、そんな雰囲気が大好きで、最高でした。自然と自分の声も大きくなりました。いつもそうすることができるといいです。常に理想を持っておいて再現することができるとは、そういうことだと思いました。
スコップで畝を掘っていくのも、鍬やじょれんで残りの土をさらっていくのも、土の塊を砕いて畝を成形していくのも、全部足腰をかなり使う大変な作業でした。でも、やったらやった分だけ成果が見えやすく、達成感が半端ではなかったです。作業が終わった直後は、周りを見渡す元気がなかったのですが、ふと帰り際に振り返ってみると、みんなで立てた広いデュランティ畑の畝は圧巻でした。畑からは、力強い、根気を感じられて、パワフルななのはなの女性たちの意地が見えて、さすがだな、と手前みそながら思ってしまいました。
根が張っていて、スコップが刺さりにくい箇所でも、ふみちゃんが、
「思いっきりスコップを踏んずけたら入る!」
と笑顔で言ってくれました。サクサクスコップが刺さるところでは、土がまとまって掬えると気持ちがいいです。欲張らず、羊羹を切る方式で掬っていくと、畝間に土が残らなくて、後で土をさらうときに楽でした。そんな風に、ベテランの人の手さばきを盗み見して真似すると、どんどんスムーズに作業を進められました。少しでも止まってしまったら流れに置いていかれる気がしたのと、単純に土を次々と上げられるのがとても楽しくて、もう無我夢中でした。
畝の上に上げた土を鍬で砕いていく作業も面白かったです。二十人以上の人数だったので、お互いに追い越しながら進むと、五〜六回追い越したらもう終了しました。
最後に「終わった〜!」とみんなで動画を撮影。みんなで作った畝は、最高にキレイでした。ここに将来訪れる洋ナシやヘーゼルナッツ、イチジクがよく育ちますように、ちゃんと活着しますように、と願いました。いっぱい汗をかいて、目標をみんなで達成できた幸せ。それを畝の上でかみしめました。

溝切りも畝立ても、かなりハードな力作業でした。でも、その分とても燃えて、みんなの活気があふれていて、そんな中での作業が最高に楽しいです。やっぱりなのはなだからできる大胆で大掛かりな作業は素敵で、他では感じられない魅力があります。みんなで作り上げたデュランティ畑に来てくれた果樹が、大きくおいしく、健康に育ってくれたらいいなと思います。これからも、手入れや水やりなど、自分のできることを頑張ります。

