勝央町公民館では、勝央三味線教室が月に一度、開かれています。去年の五月から始まったこの教室に、まりのちゃん、すにたちゃんと一緒に通わせてもらいました。東京からプロの三味線の先生が来
られて、教えて下さる二時間がとても楽しくて、毎月訪れる三味線教室の時間が、楽しみになりました。
三味線教室では、初回の五月から『勝央音頭』、八月ごろから『勝央ヤットサ節』を練習していました。初めて三味線を触るところから始まり、曲など弾けるかな、と思っていたけれど、先生が、教室に来ている全員が弾けるようになるよう、段階を踏んで練習メニューを教えてくださいました。また、古吉野なのはなでは、まりのちゃんが自主練習を呼びかけてくれて、正しいバチの持ち方や構え方、フォームを一から教えてくれました。
弾く姿勢が正しいと、奇麗な音を出すことができました。また、バチの振り方、左手の指の動かし方、などは、先生が弾かれているところを、教室の間、いつでも目で見て学ぶことができました。初めてで手探りのところからだったので、学ぶことが山ほどあり、少しずつ三味線のことを知っていける過程を、とても嬉しく感じました。
教室の講師、そして津軽三味線奏者である福居一大さんのコンサートが、一月の十八日に勝央公民館ホールで開かれることになり、三味線教室で練習していた『勝央音頭』『勝央ヤットサ節』を、私たちも同じ場で発表できることになりました。発表会という目標があると、練習にも張りが出ました。
■気が付けば
発表会に向けての練習が始まりました。『勝央音頭』と『勝央ヤットサ節』は、同じような歌詞で、同じように、勝央町の民謡だけれど、楽譜を見ると、まるっきり内容が違っていました。何が違うかというと、『勝央音頭』は、単音弾きなのに対し、『勝央ヤットサ節』は、単音で弾くところがほとんどなくて、重音で、二弦を一気に弾いて音を出す箇所ばかりでした。
また、『勝央ヤットサ節』では、スクイ、というバチを振り下ろして音を出すのではなく、振り上げて弦を掻くことで音を出す手法が出てきました。曲によって、こんなにも楽譜や、弾き方にバリエーションがあるのか、と思いました。
発表会の前日、三味線教室がありました。この日は、いつもの公民館二階の小部屋ではなく、公民館一階の小ホールでの練習で、リハーサルも兼ねていました。
小ホールに着くと、既に『勝央ヤットサ節』を合わせられている音が、聞こえてきました。マイクもないのに、何棹もの三味線の音が重なっていると、三味線の概念が覆されるような、かなりの音量、音圧、迫力で、とても驚きました。
三味線教室に通われている方と、総勢二十名ほどで、『勝央音頭』と『勝央ヤットサ節』を合わせた時に、おおきな一体感がありました。
本番は、なのはなファミリーからも、みんなが応援に来てくれました。私は、出演者として、まりのちゃん、すにたちゃんと一緒に、本番よりも前から、ホールで待機していました。
待機している控室の中でも、河上さんはじめ、三味線発表会に出られる方と一緒に、何度も何度も合わせをしました。最初は個人練習からだったけれど、一人の音に、どんどん仲間が増えて、気が付けば、最終的には控室で待機している全員と合わせをしていて、温かい、一体感ある空気が本当に嬉しかったです。
前日から、民謡歌手である剣持雄介さんもみえ、津軽三味線の福居先生と、歌手の方と、合奏の練習もできて嬉しかったです。
■本番を経て
津軽三味線ライブ 『疾風の宴』、本番は午後六時半開演でした。開演五分前に、三味線教室の発表会のメンバーは、金屏風が立てられたステージに並びました。金屏風の後ろにスタンバイした私達たちから客席は見えないけれど、大勢の人の気配が感じられて、急に緊張してきました。けれど、その雰囲気の中で、なのはなの子の声、笑い声が少し聞こえると、それだけで、安心した気持ちでじわーっと満たされていくことを感じました。
金屏風が開かれるとき、とても心臓がバクバクしました。正面から強いライトを浴びて、あまり客席は見えなかったけれど、それでも用意された椅子は埋まり、その中になのはなの人たちの姿が見えました。最前列にお父さん、お母さんも、笑ってみて下さっているのが見えて、少し緊張したけれど、嬉しかったです。
演奏は、何度も練習したこともあり、大成功に終わりました。大きな拍手に包まれて、とても満たされた、幸せな気持ちでいっぱいになりました。
これを機に、なのはなファミリーの中でも、まりのちゃんが三味線部を開いてくれて、新たに四人も、三味線がしたい、と入ってくれました。それがとても嬉しいし、三味線を弾ける人が増えたら、また、音楽活動の幅が広がるな、と楽しみな気持ちです。
三味線教室で教えていただいた時間を経て、新しい風をみんなにも伝えることができ、本当によかったと思いました。この風を、次につなげていけるように、スタートだと思って、これからの三味線の練習や演奏に向かいたいと思いました。
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