【5月号⑤】「ブドウ畑のアート 三日月型の堤防づくり」 えみ

 

 池上ブドウ畑には、盛男おじいちゃんから頂いた四株のブドウ「オーロラブラック」が植わっています。冬を越して暖かくなり、今年もそろそろ芽吹き始めそう。そのタイミングで、よりブドウの育ちがよくなるように、畑で、あるプチ工事をしました。

 その名も、堤防作り。池上ブドウ畑は、かなり傾斜のある畑で、雨が降ったり水をやったりしても水はけが良すぎるためにすぐに流れ落ちてしまい、夏の暑い盛りでもなかなかブドウが水を吸えないのが難点でした。
 それを改善する方法をお父さんが考えてくださり、四株のブドウのそれぞれに、傾斜に沿って土手のように盛土をすることで、雨が降ったり水やりをした時にもそこで水がせき止められるようにすることになりました。

 ある日、急に「ブドウの作業」で呼ばれて、一体何をするのだろうと最初思ったけれど、その内容を聞くとどんなものが作れるかとてもわくわくした気持ちになったなと思います。

 

■しっかりと土を盛って

 ブドウ担当のさやちゃんが紙にリストにしてくれていた道具を積んで、さきちゃんと軽トラに乗って出発。
 さきちゃん、ももかちゃん、ちさちゃんのメンバーと一緒に、最初にお父さんも来てくださって、やり方を確認しました。

 まずは、斜面に対してそれぞれのブドウの株の下側に、三日月状に土を盛っていきました。株から少し離れたところを管理機で耕してくれていて、剣スコップやくわで削った土を使って山にしていきます。

 目指すはひざ丈くらいの高さ。力のいる作業ではあったけれど、四人で協力しながら、「いいね!」「綺麗にできてる!」「もう少しだね」などと前向きな声を掛け合いながら作っていく時間が楽しかったし、土木工事をしているみたいで面白かったなと思います。
 また、ただ三日月状にするだけでなくて、北側から南側に向かって低くなっていくように傾斜をつけていきました。こうすることで、株周りにプールのように水が溜まって、溢れた水が下の株に流れていく仕組みです。

 四人で一つの山に取り掛かると、大体十五分からニ十分くらいで一山が完成しました。最初は少しみんなで試行錯誤しながら、でも二つ目、三つ目になるとだんだんコツがつかめてきて、形も綺麗なものが作れていったのがすごく嬉しかったなと思います。

 

 

■堤防が完成

 土を盛りながら、水圧がかかっても山が崩れないように足やくわを使ってなるべく頑丈にしていきます。仕上げには、ちさちゃんが三日月の中心から足で土手を蹴るようにして、堤防の内側を綺麗に固めてくれました。

 四つの山が完成すると、次はそれぞれに黒マルチを張っていきました。二重重ねにして山を覆うと、それだけでより頑丈そうに見えたなと思います。黒マルチは土で両端を止めていき、さらには、堤防の内側に小さなレンガを敷き詰めることで水が当たっても簡単には山が崩れないようにしていきました。

 一つ目の堤防が完成形に仕上がったところでお父さんも見に来てくれて、「上手に作ったね!」と言ってくれて嬉しかったなと思います。
 残りの三つも無事に作り上げることができて、最後の時間では全株に牛肥をたっぷり追肥することもできて、達成感ある作業が気持ち良かったです。
 今年のブドウは、肥料や水をぐんぐん吸って大きくなってくれるかなと思うと、これからがとても楽しみです。