【5月号⑧】「スウェーデントーチで花を守る梅林の夜」 さくら

 

 梅と共に過ごす夜の思い出や、見回りの度に感じる梅の成長の感動、梅の木のことを知って好きな気持ちが濃くなる四月でした。

 梅は、切ることで花付きが良くなる、良い剪定をするとたくさん花を咲かせてくれると言われています。梅が冬季に行なった剪定に応えてくれるように、たくさん花が咲きました。赤や緑の蕾から、白く上品に咲く梅がとても可愛かったです。そして、実ができはじめる、落花期に入りました。

 花びらが散り、めしべを辿った奥には小さな小さな梅の実の赤ちゃんが誕生しています。

 落花期にマイナス二・一度以下に三十分当たると、実が霜害でダメになってしまいます。霜はいつ下りるだろうか、対策はどうしようと思いました。

 コストがかからないもので、簡単に仕込みができて、火を二時間から四時間絶やさないことが必要でした。

 スウェーデントーチというものがあるよ、と須原さんが教えてくださいました。丸太にチェーンソーなどで十字の切れ込みを入れたもので、中心に着火し、外側に向かって燃えていきます。須原さんが作ってくださって、試させてもらうと、約二時間半、火がもちました。作っておいたものを設置するだけで、火おこしが要らず、簡単に火を点けることができます。これで梅を守ることができると思うと、とても嬉しかったです。本当にやりたいと思ったら、方法は絶対にあるのだと思いました。

 

 

■一夜、火を絶やさずに

 

 四月一日は二回目の梅の霜対策でした。

 ゆきなちゃんと音楽室に寝泊まりし、明け方からスウェーデントーチに着火し、安全に火を絶やさないよう見回りをしました。

 午前二時、起きて外に出ると、空気が冷たく星がとても綺麗に見えます。梅林に行く途中、道端の草にライトを当てると、霜が降り始めていてキラキラと光りました。足を速めて梅林に設置している温度計を見ます。二時四十五分の時点でマイナス二度になり、スウェーデントーチに着火しました。中心に新聞紙を詰め、灯油を少しかけたところに、チャッカマンで点火していきます。ボッ、ボッと火が点き、着火し終えて振り返ると、十四本の木の間に置いたスウェーデントーチが温かく燈った景色がとても綺麗でした。上昇気流が起こり、スウェーデントーチの明るさで、煙が動いている、空気が動いていることが見えます。温度計を見ても、体感でも、梅林一帯の温度が高くなり守られていることを感じました。梅林から出ると、特にそのことを感じました。

 一番寒くなる、日の出までの間、火を絶やさないよう、燃え尽きてきているスウェーデントーチには、燃えて器のようになっている間に薪を足し、燃焼させました。気づけばゆきなちゃんと私で担当エリアができていて、二人で火を絶やさないよう必死で見守りました。

 

 

 東の空がどんどん明るくなっていき、暖かくしてくれる太陽の日が昇るのをまだかな、もうすぐかな、と待ちました。午前六時六分、眩しい日の光が見え始めました。ゆきなちゃんと、「日の出だ!」と言って、朝日が昇る景色を見ました。ここからは太陽が守ってくれる安心感と、夜間一度も火を絶やさず、燃焼し続けられた達成感がありました。二人で顔を見合わせ、お互いの煤で黒いところのある姿に笑いました。梅を見て、守られていたらいいなと思いました。

 四月末、今の梅林は、大きな実で直径一・五センチほどになっています。花を咲かせ、実をつけて、葉が展葉して、日に日に大きくなっていく実や伸びる葉を見て、梅の成長を見ると、すごいなと思います。

 

 

■梅と一緒に

 

 面白い発見もありました。梅はほとんどの品種が他家受粉で、自分の持つ花粉では同じ品種の受粉をできないそうです。梅林の十四本ある木のうちの一本、他と明らかに違う品種の木があり、その木の両側二本までくらいは、とても実の付きが良いです。その一本以外の木の品種が何か分からないのですが、見た感じでは同じ品種なのかなと思います。同じ品種の木が並んでいるのかなと思うところでは、あまり実の付きが良くないなと思います。

 適期に違う品種の木を植えて、来年以降、実の付きを良くしていけるのではないかと思うと、とても楽しみです。

 私は梅を食べるのが好き、というわけではなかったのですが、梅と一緒に冬と春を過ごして、梅の木が大好きになりました。これからの収穫や手入れが、良いものになるように頑張りたいです。

 

 

コラム「大きな喜びとともに……待ち受け箱へニホンミツバチが入居!」 さくら

 

 ブルーべリー畑の待ち受け箱に、ニホンミツバチが入居しました!

 4月27日、夜の8時、ミツバチの入居確認をしました。夜、ブルーベリー畑は、とても静かで、自分たちが立てる音以外はシンとしていました。ミツバチは振動を嫌うため、トタン板の上に置いている重石を、慎重に外し、トタン板を慎重に外します。

 待ち受け箱の手前を少し持ち上げ、開いた隙間にさやねちゃんがスマートフォンを差し入れて、フラッシュモードで写真を撮ってくれました。その瞬間、中からブーンと小さくミツバチの羽音が聞こえました。

 

 

 そして、写真を見ると、ニホンミツバチがびっしりと入っていました。塊を作っている一匹一匹がニホンミツバチです。持ち上げた巣箱を戻したあとは、また、ここにミツバチがびっしりといるとは思えないほどの静寂に戻りました。写真に写るミツバチの姿や静かさに、ニホンミツバチが真剣に夜の時間を過ごしていることを感じました。日中、飛び回って働き続ける姿の裏に、夜間の少しの音も立たないような真剣な休息があるのだと知りました。

 ニホンミツバチの一匹一匹が美しく、可愛いです。

 これから、季節に合わせてニホンミツバチが住みやすい環境を作ったり、農薬や外敵から守っていきたいです。