【10月号⑥】 「ウィンターコンサート 音楽合宿スタート ―― つくり、表現する人として ――」 あけみ

   

「今までとは違うところにいるんだよ 違うステージにいるのさ」
「私の魂が その中の何かが叫ぶ 私の骨の髄には、すごい魔法がやどっているんだと」

 今年は、気温が高い時期が長く、なんだか夏がずっとそばにいるような気がしていました。しかし、だんだんとやはり秋は近づいていて、そして十二月二十二日のウィンターコンサートも近づいていました。

 コンサートまで残り約三か月をきり、古吉野なのはなでの音楽合宿もスタートしました。音楽合宿やコンサートなどが初めてのメンバーも多くいます。皆で創り上げていくコンサート、練習の過程も本番です。皆や自分の、一人ひとりの意識や存在がとても大切に感じました。

  

  
 新曲の『ボーンズ』の練習にも取り掛かりました。新曲のコーラスの音入れや練習が始まると、いよいよ本当にコンサート練習が始まったのだ、と気持ちがキュッと引き締まる感じがしました。

■一つの音に責任を持つ

 『ボーンズ』のコーラスの音入れは、楽譜をさとみちゃんがつくってくれて、音入れをまなかちゃんやしなこちゃんが進めてくれました。その後、あゆちゃんにコーラスを見てもらい、バンドと合わせるという流れでした。

 コーラス練習の時には、あゆちゃんが和訳してくれた『ボーンズ』の歌詞がありました。毎年、コンサートの主な曲の和訳をあゆちゃんがしてくれます。私はあゆちゃんの和訳の歌詞が好きです。自分たちの曲として解釈でき、自分たちの曲として表現できます。

 あゆちゃんとのコーラス練習も好きです。コーラス練習をしていると、自分のあるべき心持ちや、気持ちの使い方に気づかせてもらえるし、コーラスをしながら自分がどのくらい出来ているのか出来ていないのか、何が苦手で力をつけていくところなのかがハッキリとしていきます。

  
  
 一つの音を出す、ということでも最後まで音に責任をもって粘りをもって出し続けるということだったり、音を前にハッキリと出すこと、一つひとつの音、練習、コンサートの場面一つをとっても繋げていくこと、などたくさんあゆちゃんは伝えてくれます。

 練習をしていると、美しい表現、あるべき音やその音を出していく心は、とても利他的で、そこに普遍性があるように感じました。

 楽器でも、コーラスでも、ダンスでも、皆でそれぞれの役割がありつつ一つの大きな生ものの作品を形づくっています。そのためには、利他的な心の使い方、つながりが必須です。
  
  

 気持ちに粘りをもって、音一つでも大切に出す。それは、皆でつなぐ大きな作品、表現をつくるためです。

■表現して、自分の人生にする

「今の練習や音に、全てをかける気持ちでやってほしい」あゆちゃんが練習中に言ってくれた言葉でした。
「人生はいつも練習で、いつも本番」お父さんがいつか言ってくれた言葉です。コンサートまでの過程のこの一日、一瞬が本番でもあるのだと思いました。
  
  
 皆の中で、こうやってあるべき自分の生きる姿やありかたを見つけられること、これから私たちがつくるべき、あるべき人のつながり、社会の価値観をつくる力を鍛えられること、そして、みんなと一緒に表現し、誰かに伝え、まだ見ぬ誰かの力になれること、そのことがとても嬉しいです。

 『ボーンズ』の歌詞のように、私たちの魂の叫びを、私が苦しんできた価値観とは全く別のステージで、歌い、表現して、そしてそれを自分の人生にもしていきたいです。