【6月号⑰】「手つなぎ、歌い、駆ける  母の日の昔遊び」 ゆきな

会をするのなら、みんなで昔遊びをできたら嬉しいな――お母さんの言葉で決まった、母の日の会の企画。昔遊びは、全員がモラル高く、楽しませる気持ちを持ってこそ面白い、という発見の機会でもありました。

 お母さん、いつもありがとうございます。なのはなのお母さんへの感謝の気持ちを込めて、みんなと一緒にするのは、昔遊び・子どもの遊び! 
 五月十二日の母の日は、みんなでお母さんに感謝の気持ちを伝え、次の週末に、母の日の会として、体育館でみんなで遊びました。
 そのなかには、お母さんが子どもの頃に大好きだった遊びも入っています。二回もお祝いできる、なのはなの母の日は、とても贅沢で、あたたかな時間でした。
 お父さん、お母さんの入場のときには、みんなで花道を作ります。嬉しそうに花道を通ってくれるお母さんを見て、お母さんの笑顔に、いろいろなところでエネルギーをもらっているな、と感じました。

 

■ぐるぐるジャンケン

 お母さんも、この会の企画を考えてくれたということを聞いていました。母の日の会を通じて、遊んだり、みんなが前進できるようなイベントを考えるお母さんの優しさを思いました。

 今から、思いっきり家族全員で遊べること。また、お互いに、それぞれの遊びの進行もして、みんなの前でプレゼンテーションできることに、緊張もあるけれども楽しみに思いました。

 

 

 オープニングは、アコースティックギター教室のメンバーが『マザー』をお母さんに贈ります。落ち着いた柔らかな曲で、ギターを演奏する四人が微笑みながら優しい気持ちで演奏しているように感じました。お母さんのことを思いながら演奏している姿が印象的で、この会に向けて練習してきたギターのメンバーが格好良く綺麗に見えました。

 そして、その次は昔遊び・子ども遊び! 体育館の真ん中を見れば、もう、ぐるぐる渦巻きの形に、縄が用意されている。この渦巻きを使って遊ぶのは、『ぐるぐるじゃんけん』。

 お母さんから、よく、あゆちゃん、なっちゃんと地域の子どもとたちと一緒にしたことがあるよ、とお話は聞いていたけれども、実際にするのは初めて。

 この遊びは、渦巻きの外にいるチームと、中にいるチームの人が相手チームのほうへ向かって走り、出会ったときにじゃんけんをして勝ったら前に進み、負けたら振り出しに戻る、シンプルな遊びです。

 

 

 私たちのチームの作戦は、
「勝つぞ! という気持ちでいたら、(じゃんけんで)勝てる」
 さやねちゃんが話してくれて、最初のゲーム、気合いが入ります。走るコースは常にカーブなので、直線よりも難しい。直線みたいにダッシュはできないからもどかしいけれど、ぐるぐる回ると、いつも周りのみんなが見えるから、とっても嬉しい。私は、じゃんけんで最高二回連続でしか勝てなかったのですが、あやちゃんが四回連続で勝って走る姿は格好良かったです。

 あともうすぐで、相手チームの陣地に入るけれど、負けてしまった! 次の人、早く来て! 相手チームが自分のチームに近づいてくると、次のジャンケンがどうなるか、ハラハラドキドキでした。

 

 

 他のチームで十三人のチームがあったのですが、そのチームのみんなが円の中心にいながら、自分のチームのみんなを応援している姿は、とても賑やかで、直径二メートルほどの場所にぎゅっと収まっている姿は、鳥の巣のようで可愛らしくもありました。

 

 

 印象に残っているのは、あゆちゃんがたけちゃんを抱っこしてのジャンケンです。
 たけちゃんがジャンケンをして、二回連続で勝って、嬉しそうにニコニコしているたけちゃん。その姿が嬉しかったです。
 なんだか運動会のような賑わいがあって、私もみんなのなかで応援したり、笑いが止まらなかったり、ぐるぐるジャンケンの楽しさを存分に味わったように感じました。

 

 

 二種目は『ゴム跳び』。ゴム跳びは『ゴム段』と『いろはにこんぺいとう』の二種類の遊びをしました。ゴムだけでこんなにも遊べるのか、と驚いた遊びです。ゴム跳びをするなかで、お母さんが、子どもの頃は、ゴム段クイーンだったんだよ、とお母さんが話してくれて、お母さんの子どもの頃を知ることができたのも嬉しかったです。

 

■スリル満点なゴム跳び

 私は、『いろはにこんぺいとう』という遊びが、スパイになった気分で、少しスリルもあって面白かったです。
 二人が長めのゴムを二本持って上下に振り、「いろはにこんぺいとう」と言い終わったところで、ゴムを動かすのをやめます。その時に、ゴムがバッテンの形になっているかもしれないし、ものすごく高い位置にあるかもしれない! それを跳ぶ人が「跳ぶ」「なかくぐり」「くぐる」を選んでゴムを越えていきます。

 

 

 跳ぶ人は、最初は後ろを向いているので、ゴムがどんな状態になっているのか分からないで、どう越えるか選択するから、ゴムがものすごく高い位置にあるのに、「くぐる」を選んだら、大変だ! でも、ゴムは足を引っかけたり、小指で引っかけて跳んでも大丈夫です。

 私は、低い位置のゴムを越えるのが難しくて苦戦しました。小指をゴムに引っかけて上に上げて身体をくぐらせるけれど、小指を上に上げながらくぐるのが至難の業のように感じました。

 

 

 りなちゃんや、みつきちゃんがゴムを上に上げて、身体をくぐらせるときにくるっと回転して、華麗にゴムを越える姿が格好良かったです。

 ゴム跳びをする人のなかから、お母さん、お父さんが、ななほちゃんをゴム跳びが一番奇麗な人として選びました。

 ななほちゃんの背丈よりも高いゴムが目の前にあって、(これを、本当に跳ぶことができるの!)と驚いてしまったのですが、ななほちゃんが軽々と脚を上に上げて、靴の裏でゴムを引っかけて地面につかせ、ヒョイッと軽やかに跳ぶ姿は、本当に綺麗で、マジックを見ているようにも思いました。

 

 

■お母さんクイズ

 三つめのゲームは、お仕事組さんが企画してくれた、お母さんのクイズコーナーです。
 お母さんがみんなと一緒にやりたいこと、お父さんの好きなところ、してみたいことなど、お母さんのまだまだ知らないことをたくさん知ることができて嬉しかったです。

 

 

 『お母さんがみんなと一緒にやりたいこと』では、
「キラキラで、ど派手な、ウィンターコンサート」
 という答えで、今までにない新しさを感じました。パンもみんなで作りたいと話してくれて、みんなとやりたいことがたくさんあるお母さんを、奇麗と思ったし、本当に現実にしたいなと思いました。

 それに、『お母さんが思う、美しい女性の条件』という質問は、ずっと忘れないでいたいと思いました。それは、
「どんなときも笑顔で、いろいろなことに興味を持ち、夢があり、希望に向かって前進し続ける女性」です。

 

 

 お母さんが、「諦めないこと」「前向きなところにしか答えがないこと」を話してくださることがあって、いつも、どんなときでもお母さんは夢があって、希望があって、私たちに前向きな姿を見せてくれます。そのことが本当に嬉しくて、自分のことばかりだと前は見えなくなるけれども、笑顔で、夢を持って、前に進めるように、もっと成長したい、と、お母さんの言葉を聞いて感じました。

 

■息を合わせて『どん』

 クイズをしている間に、会場にはブルーシートが敷かれていて、『どん』というゲームが始まります。

 『どん』というゲームは、二人一組で動きます。鬼が三組と、ハンターが三組いて、鬼はハンターを捕まえ、ハンターは鬼に捕まえられないように十枚のメッセージカードを奪い、並び替えてどんな文章になるか当てるゲームです。 鬼がハンターを捕まえられないゾーンもあって、そこをどう使うか、仲間とどう連携をとるか、頭を使うゲームに思いました。

 

 

 また、ケイドロのような遊びで、やってみると激しいのですが、とても面白く、見ていても楽しい遊びです。

 私は、最初は、りなちゃんと鬼をして、ハンターを捕まえました。鬼の二人一組は一つのフラフープに一緒に入って、ハンターを捕まえないといけません。私が右で、りなちゃんが左に行きたい! と思って同時に動くと、どちらも前に進めない、という状況が起こって、二人で息を合わせて進むというのが難しいゲームでもありました。

 

 

 私たちは、鬼よりハンターのほうが得意で、他のハンターに鬼が夢中になっている間に、お互い走り抜ける! そうやって全体を見ながら、今は進むべきか、鬼が来ないゾーンで待機しているべきか。りなちゃんと「行こう」と言いながら、真剣になって走る時間は必死だったのですが、りなちゃんと一緒にできて嬉しかったです。

 『どん』で思いっきり走ったあとは、『花いちもんめ』です。私は、この遊びの実行委員をして、みんなが本当に楽しんで笑っている姿に、力をもらいました。

 

■花いちもんめ

 『花いちもんめ』は二チームに分かれて戦います。
 お互いのチームが相手のチームでほしい人を選び、その子たちがあるゲームをして、勝ったチームが相手の子をもらうことができる遊びです。そのあるゲームとは、「お母さんの声真似・物真似」「エアーバッティング」「ジャンケン」「タオル相撲」などいくつかあって、ほしい人を決めるまで、どれが当たるか分かりません。

 

 ゲームのお題を言う度にみんなが「えー!」「やったー」などのリアクションをしてくれるのが面白かったです。
 かにちゃんとさくらちゃんの「あっち向いてホイ」はキレと勢いがあって、見ていて格好良かったです。ゆりかちゃんの本気のお母さんの物真似で、『倶に』を力強く歌う姿や声は、お母さんそっくりで、会場から拍手がわき上がりました。

 

 

 ひでゆきさんによる、お母さんの物真似は、お母さんがひでゆきさんに手を振って「ひでゆきさ〜ん」と言っている物真似で、その姿をひでゆきさんが全力で演じていました。たくさん笑って、応援して、一つひとつのゲームが盛り上がっていることが嬉しかったです。

 

 

 私も遊びに参加しました。実行委員だったのでお題も知っていて、何が当たるか、もうドキドキでした。当たったお題は「エアギター」! 曲は『アイ・ウォント・イット・オール』の激しいギターソロ。
(恥ずかしく演奏するのは嫌だから、もう全力でやってしまおう!)

 本当は緊張しているけど、対戦相手のえつこちゃんと一緒にできると思うと、心強く思いました。曲の激しさと一緒に二人でエアギターを懸命に弾いて、弾き終わったあとは、えつこちゃんとやりきった感がありました。みんなも喜んでくれて、それも嬉しかったです。

 

 

 みんなが手をつないで列になって、「勝って嬉しい花いちもんめ!」と嬉しそうに、「負けて悔しい花いちもんめ!」と悔しそうに、キラキラと笑いながら言い合っている姿は、とても楽しそうでした。みんなが子どもに戻ったように生き生きとしていて、このゲームの実行委員ができて本当によかったと思いました。

 

■かごめかごめ

 そして最後のゲームは『かごめかごめ』。
 みんなで真ん中にいる人を囲んで、『かごめかごめ』を歌い終わったあとに真ん中の人の後ろにいる人は誰か、声で当てるゲームです。声は相手が分からないように変えてもよいので、いつもと知っているみんなとは違う声かも知れない?!

 

 

 真ん中にいる人は、通常は一人なのですが、なのはなバージョンは四人で、そのほかのみんなで四人を囲みます。
 私も、真ん中にいたときがあったのですが、これがとても難しい。声を聞いたとき、(あっ、ゆきちゃんだ!)と思ったのですが、あれ?今日はゆきちゃんはお仕事に行っている。

(ゆきちゃんではないなら、一体誰なんだろうか……)なんとなく、せいこちゃんにも思えて、「せいこちゃん」と言ったけれども、私の後ろは、まことちゃんでした。みんなの声は知っているけど、話す人が声を変えると難易度が高まりました。みんなの声がいつもと違っていて、ぞれも面白くて、笑いが絶えませんでした。

 

 

 『かごめかごめ』の最後の回は、お母さんが真ん中にいて、当ててもらう人は、「お母さん、大好きです」と言い、その人が一体誰なのか、を当ててもらいます。

 

 

 お母さんが、お父さんと向かい合わせになって、一緒になって、この声は誰なのかを当てる姿は、温かくて、見ているだけで嬉しくなりました。

 最後には全員で、「お母さん、大好きです!」と心を込めて伝えました。

 

■『ハナミズキ』

 そして最後は、お母さんに『ハナミズキ』の歌を歌いました。この歌がなのはなで好きになって、なのはなのお母さんのことが思い浮かぶ曲です。
 お母さんに向かって、いつもありがとうございます、と感謝の気持ちと大好きな気持ちを込めて歌いました。

 

 

 お母さんがみんなのことを見つめて微笑みながら聞いていている姿を見て、お母さんはいつもみんなのことを見て、自分がどんなに未熟でも同じ土俵で、一緒になって話を聞いて、答えを導いてくれます。お母さんの強さや優しさに、たくさん救われていることを感じます。

 みんなでお父さん、お母さんを囲んで歌う空気は、暖かくて、幸せで満ちあふれていました。お母さんもお父さんも涙ぐんでいて、胸がいっぱいでした。
(あぁ、私はなのはなのみんなのことが好きで、お父さんのことも、お母さんのことも大好きだな)
 と思って、この仲間と、お母さんをお祝いできることが嬉しかったです。

 

 

 お母さん、いつもありがとうございます。家族みんなで作った母の日の会は、ずっと心に残る、大切な日になりました。