「貫き通す」 ほのか

7月9日 

 「初志貫徹。この夏に掛けた願を貫き通す。良い願を掛けたね。」と、お父さんが今日の集合で話してくださいました。

 一日たりとも休まずに動き続けること。もしも一日でも休んでしまったら、妖怪から抜け出せず、一生自分のお休み欲に負けたレッテルを貼って生きて行くのかと思うと、どれだけ休みたくても休めない。自分で、そういう願を掛けました。

 こうして自分を縛ることは、正しいのか?今のスタンスは合っているのか?

 この疑問を質問ボックスに入れました。

「実際そんなに大変なことは起こらないかもしれないけれど、何が何でも、一日たりとも休まずに動き続ける!そういう覚悟を決めた途端に、力がわいてくる。大事なのは、その覚悟を決めること。もしも、それを貫き通すことができたのなら、大きな自信がつくだろう」

 お父さんがそう話してくださいました。やはり、動き続けよう。がんばろう!と力がわいてきました。

 桃の梱包の合間に、お昼の集合に出られることが一日で一番の楽しみです。

 シエスタで寝転がって休むよりも、おいしいとうもろこしにかぶりつくことよりも、お父さんお母さんのお話をみんなで聞く時間がなによりのパワーチャージです。(もちろん、シエスタもとうもろこしも大好きです!)

 それは桃メンバーみんな同じだったようで、明日の予定を紙に書くときにできるだけ梱包を前倒しにしてでも進めておいて、集合に出たいね。「お昼の集合」の文字を大きく書こう。と話したほど、みんな集合に力をもらっているようです。

 私も一番前の席を陣取って、お父さんお母さんのお話を聞く時間が幸せです。

 みんなの質問も、自分の質問も、お父さんお母さんの大井が丘でのお話も、全部のお話がおもしろくて、興味深くて、楽しいです。

 今日の集合ではお父さんに背中を押していただいたみたいに、午後の作業も頑張れました。

 午後は梱包後からさやねちゃんと雑木の切り倒しツアーの作業でした。実は、前日の夜からものすごく緊張していました。私はこういう作業に入ったことがなくて、のこぎりも使ったことがほぼありませんでした。それに大斜面。この暑さ。不安要素がたくさんで、ずっともやもやするような緊張と不安がありました。

 16時45分。雑木ツアーに出発!

 一番はじめに切ったのは、奥桃の大斜面の雑木でした。綺麗に刈り払われた芝生のような大斜面に、ぼつん、と雑木がちらほらありました。

 初めてで、やったことがないことを話すと、さやねちゃんが「斜めよりも木に対して垂直に刃を入れた方が切る面積が小さくなってやりやすいよ」とか、「どんどん小さくするように枝を切っていって、いろんな方向から切り込んでいく」とコツを教えてくれました。自分たちの身長の2倍以上あるような背の高い、幹のしっかりした木も、地道にコツコツ刃を入れて切り倒していきました。さやねちゃんが大きくて太い雑木を切り倒したとき、一気に視界が開けて、まるでバオバブの木みたいなねじ曲がった太い木が倒れていきました。木が倒れると地と天が逆になったみたいで、圧巻でした。

 さやねちゃんと「切りやすいね」とか、大きな木が切り倒せたときは二人で「わーすごーい!」と喜びあえたのも嬉しかったです。

 自分の手首の何周りか大きい幹も地道にのこぎりを入れて、進んでいるのか、進んでいないのかわからないけれど、地道に進めて、ときには角度を変えて、また地道にコツコツ進めて、ふと気づくと木が切り倒されていました。

 何本もある枝も少しずつカットして、だんだんと視界が開けていきました。

 自分の病気もこんな風に切り倒していきたい。前に進んでいるのか、進んでいないのかわからないけれど、動き続けている限り、あるとき急に視界が開けるときが来る。そんな風に生きて行きたい。と感じました。

 のこぎりもだんだんと使いこなせるようになってきて、どんどん楽しくなっていきました。のこぎりをケースからシュッと出して木に立ち向かうのが、まるで脇差しか短刀を身につけている武士になった気分で、先輩武士と共に行動している新撰組隊士ってこういう感じかな?と、思いました。ノコギリだけど。日本刀とか、武士とか好きだから、すぐこういうことにつけて楽しくなっちゃいます。

 時間があっという間に過ぎて、まだまだやっていたいと思いました。夕方は涼しくて、池上の藪の方からは蝉とヒグラシの声が聞こえてきて、風流だなと思いました。私は虫の声の中でヒグラシが一番好きなので、その声を聞きながら作業できたのも嬉しかったです。あれだけ不安で、緊張していて、何なら休みたいとも一瞬思ってしまったくらいだったのですが、実際にやってみたら楽しくて、暑くもきつくも何ともなくて、本当にお父さんの仰っていた通りだ。と感じました。

 さやねちゃんと作業したり、話したりすると心が和んで、楽しいなと思います。軽トラを乗りこなす姿もかっこよくて、憧れています。

 質問を書いていて、自分の答えと、お父さんの答えがだいたい同じになってくることが増えてそれも嬉しいです。まだまだ理解の及ばないところもあるのですが、もっともっと吸収して、本当の利他心を身につけたいです。

 昨日いつだかふとしたときに、しなこちゃんが声をかけてくれました。ほのかちゃん久しぶり。今日も桃採った?と、優しい笑顔を向けて話しかけてくれました。私はしなこちゃんが大好きなので、それだけで暖かくて優しい気持ちが胸一杯に広がって、嬉しくなりました。今日も梅干しを笹の葉を下に敷いて干した話とか、ささやかな日常のお話を一言、二言で交わす時間がほっとして嬉しいです。改めてしなちゃん大好きだなと思いました。

明日も楽しみです。