「100のスケールで音を見て」 ほのか

12月1日

 今日は充実していて楽しい1日でした。
 午前は衣装づくりの作業に入らせていただきました。
 コーラス基本衣装で使っているねじねじの襷につけるベールのはしの糸がほつれないように、端を折ってミシンで縫っていく作業でした。
 つきちゃんから、図書室にあるミシン3台のうち、どれもあまり調子がよくないことを聞いていてドキドキしていました。
 作業前に、お仕事に行く前のつきちゃんが空いた時間でミシンをセッティングしてくれて、見本で縫ってくれていました。いま衣装として使っているベールは四隅がきれいに折ってあって、それはもともとそうなっているのかと思っていました。でもそうではなくて、全てつきちゃんが丁寧にミシンで縫ったそうです。その緻密さ、綺麗さにびっくりしました。わたしもミシンを使うのは久々だったのですが、やってみて30分くらいするとそのミシンに慣れてきました。個人的に、ミシンは同じミシンといえ機種によって使いやすさや縫う感覚が全然違う気がしていて、そのミシンと仲良くなれるかは大事なことだなと思っています。今日使ったミシンとも今日で仲良くなることができて、軌道に乗ってきました。一番難しかったのは、まち針もなしにベールのはしを折りながら同時に縫っていくことです。あのつるつるとした素材はまち針をしたとしてもうまく折れなくて、つきちゃんも普段使っていないそうなので使わないで縫いました。それに時間を取られて、今日はあまり進みがよくありませんでした。次は時間を意識してもっと手早く縫えるようになりたいです。

 午後ははじめの1時間で、さとみちゃんとトランペットパートのみんなとフルートパートでピッチを合わせる練習をしました。まずよそ見をして音を出して、そのあとにチューナーで見て確認する。最初のセッティングが大事なのだとさとみちゃんが教えてくれました。1人ずつそうやってチューナーで確認していきました。みんなの前で音を出すのは緊張しました。音を出したとき、さとみちゃんが「バランスがいい音だね」と言ってくれて嬉しかったです。息の量やなめらかさなど、音にもバランスがあるんだなと思いました。トランペットの人が音を出して、わたしはシ♭だなと思っていた音が、さとみちゃんは「ちょっと違う」と言っていました。他の人の音を聞いていて、これは合っているんじゃないかな、と思った音でも、違うとさとみちゃんは言っていました。その後出した音が本当に綺麗な一本の音で、ああ、だから違う音だったんだなと思うときが何度もありました。あゆちゃんが以前話していたように、さとみちゃんは10のスケールではなく、100のスケールで音を見ているのだなと思いました。そんなさとみちゃんの音はチューナーのランプがいつも緑に点滅していて、すごく安定しているように聞こえました。ものすごく一生懸命音を出しているようには見えないけれどボリュームもあって、すごく綺麗な音だなと思いました。時間があっというまに過ぎていきました。

 そのあとはボヘミアンのコーラス練習をしました。
 わたしはアルトからふみちゃん、かのんちゃん、ソプラノからちさとちゃん、まりちゃん、メゾソプラノわたしのチームで主旋律を追う練習をしました。
 ひとりひとりが音に責任を持って、より正確な音を求めて声を出していると、何度もハーモニーが立体的に浮かび上がる瞬間を感じました。その瞬間は自分の声とみんなの声が合体して境目が無くなったみたいで、ふわふわと宙に浮いているような感覚でした。綺麗な音で合唱できるととても気持ちがよいなと思いました。ボヘミアンのコーラスがとても好きだなと感じます。

 夜、お父さんと少しお話させていただけて嬉しかったです。
 できていないこと、苦手なことはあるけれど、そこに自己否定をしたりいじけた人になって周りに迷惑をかけるのではなくて、自分の得手不得手を自分でわかっていて、苦手なこともちゃんと克服しようと謙虚に向き合う。ねこになることは人によって違うこと。わたしは気持ちだけは前のめりだけど、身体は動かない。もっと早く動かなくちゃいけないと教えていただいて、本当にその通りだと思いました。動いた方が空回りしない、噛み合うのだと教えていただきました。コンサートの物語にもあるように、楽をしないで、ちゃんと、魂を磨いていきたいと思います。