木版画教室では、今年の一月末から作り始めた作品が完成しました。
私は今回、二回目の教室だったのですが、藤井先生と今回のメンバーと作品を作った時間が楽しかったです。
今回初めて版画をする人ともできて、版画の楽しさや難しさを一緒に共感できたことも嬉しかったです。
今回は風景を版画にしました。
題材にする風景を探しに、のりこちゃんと一緒にカメラを持って古吉野周りを歩いた時間も楽しかったです。撮った写真の中から、版画にする風景を決めて、私は林の中の小道の風景に決めました。
まずは下絵を描くところから始めるのですが、私は下絵を描く工程に長く時間がかかりました。どう版画にするかを、写真とにらめっこをしながら考えました。藤井先生も写真を見たときは、「難しいな」とおしゃっていて、藤井先生も難しいと感じているんだと思うと、無事に版画にできるか不安になったりもしました。
でも、教室には、藤井先生がなのはなへ置いてくださっている版画集がたくさんあり、私はその中の一人である斎藤清さんの作品を参考にしました。参考にするものがあると、描きやすかったです。
藤井先生も、「おもしろくできるかもね」と話してくださったり、小道が奥に続く表現を藤井先生が少し手直ししてくださって、小道の感じが増して嬉しかったし、ありがたかったです。
色も、最初は黒と白の一色刷りにしようと思っていたのですが、今回はプラスしてグレーを入れてみることにしました。
下絵が完成するまで約二か月かかって四月から彫りの工程に入ることができました。
彫りは順調に進みました。意識したのは彫刻刀の刃を入れる向きです。木が多いので、刃を入れるのを縦に統一しました。
■少しの緑色の力
刷りでは何枚も刷りました。
刷りが一番難しいなと感じます。板に色を入れるときの水分量や、ばれんの動かし方が少し違うだけで刷り具合が変わるので難しいけれど、違いが出てくるのがおもしろいなと思いました。
私が刷るとばれんの跡がついてしまうのですが、それはばれんが板に対して平行になっていないからだと藤井先生に教えていただきました。それから、ばれんの中心部分で刷る、というのも教えていただいて、角を刷るときも角にばれんの中心部分が当たっていないと刷れていないということを知りました。基本的なことだと思いますが、知れて嬉しかったし、そういうことを知った上で取り組むと版画の楽しさが広がるなと思いました。
刷りの最終日に藤井先生が、グレーに少し緑を混ぜてみてはどうか、と声をかけてくださいました。黒に色を足すという方法にワクワクしながら、刷ってみると、グレーのときより作品がおしゃれになりました。緑の具合も主張しすぎず、いい具合の混ざり具合で、我ながら、いいな、と思いました。
刷りでは、もう少しくっきりと刷りたかったなと思う部分もありますが、作品が完成したときは、とても嬉しかったです。
私の作品は、版画メンバーから、国語の教科書に出てきそう、と言われていて、言われてみれば、自分もそう思えてきました。
みんなの作品が完成して、反省会という名の、それぞれの作品の紹介をしました。
作品の説明だけでなくて、作成しているときのエピソードや思いなどを発表しながら展覧会のように作品を見た時間も嬉しかったです。
みんなの作品が、自分たちの見慣れた風景で、すぐにどこの景色かがわかったし、それぞれの作品に味があって素敵でした。
自分が前回作った作品とはまた違ったテイストで作品を作ることができて楽しかったし、藤井先生とみんなとの版画教室が楽しかったです。