「まっさらな気持ち 栗の剪定」 みつき

2月15日

●まっさらな気持ち

 食堂の真ん中奥、お誕生日席に座るかのんちゃんのにこにこした笑顔が、とても嬉しかったです。
 かのんちゃんが来たばかりのころ、毎日一緒に作業をしていたことを思い出します。まだ暑さが厳しいなか、そのときは毎日のように豆類の畑の草取りを回っていたのですが、屈んで、一生懸命草取りを続けているかのんちゃんの姿がありました。

 わたしは作業のリーダーをさせてもらっていて、「大丈夫? すこし休憩する?」と声をかけても、かのんちゃんは、「いや、大丈夫です! やります!」と返してくれました。休憩をすることがあっても、すぐに戻ってきて、「入れます! どこに入ったら良いですか?」と声をかけてくれました。

 かのんちゃんがその時の自分のコンディション、きっと心細かったり不安だったり、色々な気持ちがあっただろうけれど、それも全て一旦置いて、目の前の自分、目の前のみんなとの作業を一番にして、真っすぐに向かっているのが分かりました。そのことが本当に嬉しくて、心強かったです。全ての豆の畑の草取りを回って、制覇したかのんちゃんが、最後の畑で「やった! 楽しかったー!」と言って喜んでくれた笑顔が、ずっとずっと心に残っています。

 今も、かのんちゃんと一緒にいると、かのんちゃんの優しい気持ちや前向きな気持ちをいっぱいに感じさせてもらえます。まっさらで、柔らかくってあたたかい、そんな人を癒すことができる存在のかのんちゃんを尊敬していて、わたしもそうでありたいと思います。一緒になのはなで過ごせることが本当に嬉しいです。

●栗の剪定

 お父さんに見ていただきながら、まなかちゃんと栗の剪定をさせていただきました。
 栗の剪定は初めてだったのですが、少しずつ方針がつかめてきたような気がします。お父さんが、
「この枝があると交差しちゃうからね」
「この枝があると光合成できないから、良い実がつかないよ」
 など、根拠を話しながら、切る枝を見てくださったので、自分でも理解、納得しながら切ることができました。

 ここまで大きくなっていたとは、改めてじっくり見て驚きました。かなり背丈が高く、大きく伸びてしまっていました。なぜここで切られて、ここが伸びたのか、それが分からなくなってしまうような混乱もあって、チェーンソーも出動する必要がありそうですが、今、お父さんとまなかちゃんと栗の木について考えている時間が、面白いです。

 お父さんが、「切り終わったところを振り返って、ちょっと切りすぎたかも、と思うくらいが丁度いいらしいよ」と話してくださって、大幅に切るのはかなり緊張するけれど、その分、これからどのように変わって伸びていくのか、栗の木の反応も楽しみになりました。

 ある栗の木についていた黒いもの。何かすす汚れのようだと思ったら『大量の虫の卵』だったのには、飛び上がってしまいました。お父さんとまなかちゃんと退治したのも楽しかったです。
 先ほど調べてみたら、やはりクリオオアブラムシだったようです。越冬は卵でするようなので、少しでもこれで冬を越して生まれてくる虫が減ってくれていたら……と思います。

 栗がこれから育ちやすい樹形、理想の栗の木を思い浮かべて、頭と体を使っていきます。栗の誘引の方法も、まださっぱりわからないので調べようと思います。

 明日からミーティングが始まるとお聞きしました。
 お父さんが、「今までとはまた違う感じで、みんなで楽しく向かえたら、と思っている」と話してくださったり、「一人残らず、大なり小なり、みんなが確実に変わることができると思う」と話してくださったことが、嬉しかったです。お父さんお母さん、みんなと一緒だということをいつも心に置いて、「みんなのなかのひとつの材料」という気持ちで向かいたいです。

 気合が入りました。お父さんお母さんの、誰もが良くなること、回復することを心から望んでいる気持ちが、本当に本当に自分の心を強くしてくれると感じます。
 真摯に、けれど楽しんでしまおうという気持ちで向かいます。