「走りやすい身体に」 すにた

4月7日

 ある夜のこと。
 よしみちゃんと、しなこちゃんが、とっても楽しそうに紙を人型の形にカットしていました。
 2人が、すっごくニコニコとした笑顔で話しながら作っていたので、私は、それを見ただけで、何のために作っているかは、よく分からないけど、きっと2人にとって凄く嬉しい事なんだろうな……と思い、私まで嬉しい気持ちを貰ったのを、覚えています。
 その時はまだ、それがあんなにも素敵な加茂郷フルマラソンのカウントダウンボードになるとは思いもしなかったですが……。
 
 その次の日、よしみちゃんが、「加茂郷フルマラソンのカウントダウンボードを作りたくて、人型の紙に、フルマラソンに向けての意気込み、みんなへのメッセージを書いてもらえたら嬉しいです。」と、みんなに呼び掛けてくれました。
 
 早速、その紙に私は、皆に、向けてのメッセージを書きました。
 
 
 私は、今年初めてフルマラソンを走らせてもらうことになりました。
 きっと、自分はフルマラソンなんて走れないだろう、そうずっと思っていました。
 それは、今まで心の底から、走ることに楽しさや、面白さを見つけることができなかったからです。
 走ることに対して、マイナスな気持ちしか持てませんでした。
 走ること、それは自分の気持ちの逃げ場でした。
 だから、今年フルマラソンを走るんだって、思った時、最初はまだ気持ちが前に向けられていない自分がいました。
 
 でも、実行委員さんのよしみちゃん、しなこちゃん初め、皆の背中から、誠実にまっすぐ目標に向かって走り続けること、その気持ちが何よりも大切なんだって事を教えてもらいました。
 最初から、逃げの気持ちで向かうのではなくて、お父さん、お母さん、みんなを信じて、真っすぐ今目の前にあることに向かっていく。
 みんなの背中からそう教えてもらい、私は今、フルマラソン42.195キロという大きな壁に向かって走ることができているなと感じます。
 きっと1人では、走れないかもしれないけど、今、個人走でも、ちゃんと走れているのは、自分のバックには、お父さん、お母さん、フルマラソンの実行委員さん、一緒に走る仲間がいるって思うことができたからだなと感じます。
 
 今こうして、自分が走れていることに、感謝して、一緒にフルマラソン、ミニマラソン向かう仲間とともに、最後まで、粘り強く走り続けたい、その事をメッセージに込めて、書きました。
 
 こうして、自分の気持ちを文字にして、皆に伝えられる機会があるから、今がより大切に思えるなと感じます。
 
 そして、今日朝食の席に着くと、カウントダウンボートが完成して、食堂の黒板に飾られていました。
(わぁあ―!!)
 パッと目に入る、鮮やかな色……。なんて、素敵なんだ……。
 皆の気持ちがぎゅっと詰まった素敵なカウントダウンボートが完成していました。
 そして、何よりも私が感動したのは……。
 メッセージカードが、人型の形をしているのですが、それが、全部繋がると、皆が手を繋いで、輪っかになっているデザインになっていたことです!
 それだけではありません。輪っかになっていて、下の方にいる子のメッセージは、逆さになっているから読みにくい??
 それが、なんと、くるくる回る仕組みになっていて、1人ひとりのメッセージがちゃんと読めるようになっていました。
 
 とっても素敵な工夫が沢山されているカウントダウンボートでした。
 実行委員さんの、よしみちゃんや、しなこちゃんや、つばめちゃんが、作ってくれたそうです!
 背景は、加茂郷フルマラソンの本番の景色を書いたもので、よく見てみると、ミニマラソンで応援してくれるなっちゃんがこちらを見て大きく手を振っている絵があったり、おとちゃんや、ゆりちゃんがニコニコと笑顔で両手をあげている絵があったり……、ランナーが走っていて、それを応援する人の絵があったり、金時くんが走っていたり……!!
 ユーモア溢れる小さな工夫がいろいろされてあって、それを見つけただけで、気持ちがホッと暖かくなりまいした。
 
 皆の書いてあるメッセージも1つひとつ読ませてもらいました。
 
 1人ひとりのメッセージを読んでいると、本当に心の底から、今こうして42.195キロを走れる体を作れているのは、一緒に走る仲間がいるからなんだって、自分を上にあげるでもなく、1人ひとりの仲間を大切にして、今に感謝して、真っすぐ向かう姿勢や、気持ちが、読んでいても伝わってきました。
 それを読んで、本当に、今は当たり前のようで、当たり前じゃなくて、どれだけ自分が今いる仲間に、力を貰っているかって言うのを凄く感じました。
 1人ひとりのメッセージが自分にとっては、宝物です。
 
 
 そして、ランニングでは、距離はピークアウトしていき、本番に近づくに向かってどんどん距離が縮まってきています。
 あと、9.2キロのマラソンコースを走れるのは2回だけ。
 今日をなのはなコースを走ったら、明日でなのはなコースを走るのは最後です。
 
 私の一番好きなコースは、なのはなコースです。
 今までは、ちゃんと周りの景色をじっくりと楽しんだり、することができないまま走ってしまっていたが、今年は、少しずつ周りの景色を見ることができて、なのはなコースの景色を見て、気持ちが明るくなったり、楽しめるようになってきました。
 そして何より、なのはなコースに、自分のお気に入りスポットが沢山増えました。
 なのはなコースにある、菜の花畑を初めて見たとき、満開の桜のトンネルを駆け抜ける瞬間、アヒルに皆で名前をつけて、それぞれがつけた名前をアヒルに呼んでみたら、アヒルが、こっちに向かって泳いできてくれた時……、
 今この瞬間を、走っている仲間と、一緒に喜んで、気持ちを共有できたこと、嬉しい事だけでなくて、大変な場面になった時は、一緒になって乗り越えて、それがあるから今私は強くなれるんだって思いました。
 
 そして、今日は、ゆうはちゃんが、また1つ素敵なスポットを教えてくれました。
 折り返し地点の前に、見える那岐山をよく見ると、何かが見えてくるよ! と教えてくれました。
 何だろう……と思い、よくよく那岐山を見ると、そこには、ハート型に木が茂っていて、くっきりとハートの形が浮き出て、見えました。
 そのハートを見つけた瞬間、心が躍るくらい、ハッピーな気持ちになりました。
 小さな幸せを共有してくれて、ゆうはちゃんありがとう!
 
 今も、走る中で、自分の身体がどんどん走りやすい身体になってきているのを感じます。自分の身体に筋肉がついてきて、身体が強くなってきているのを感じると、嬉しくなります。
 
 足に筋肉痛がきたときは、うたなちゃんと、「筋肉が喜んでいるーー」と筋肉を励ましながら、心臓破りの石生コースを登ったり、サーキットトレーニングをしているときに、るりこちゃんが、「競争しよ。」と言ってくれて、2人で本気になって、身体を鍛えたり、お互いに手を取って、良い方向に楽しい方に、目を向けて、仲間と一緒に最後の最後まで走っていけること、それが本当にありがたいことだなと思います。
 
 気持ちの面でも、もっともっと真のある強い女性になれるように、本番までの残りの短い期間、最後の最後まで粘り強く前を向いて走っていきたいです。