「スミレの姿」 すにた

 2月14日
 
 フルマラソン本番まで、残り64日。
 今日から練習の段階がまた一段階上がり、石生一周コース(2.5キロ)から、距離が延びました。
 新しいメニューは石生コース一周にプラスして、梅の木コースを合わせた合計5キロの道のりです。
 今日は2月14日、バレンタインの日!
 ということで、みんなで体を使って大きなハートを表現して、集合写真をパシャリ。
 後でよしみちゃんに見せてもらったその写真は、画面一面から幸せが溢れ出していて、見ているだけで心が温かくなる本当に素敵な一枚でした。
 そして「行ってきます!」と気合を入れて走り出すと、先頭にはなんと、りゅんさんとよしみちゃんが!
 2人の背中を追いかけながら走れるなんて何とも心強く、りゅうさんのパワーが届いたのか、いつもより一段と太陽が顔を出して最高のランニング日和になりました。

 いよいよやってきた、心臓破りの石生の坂が目の前です。
 何度走っていても、この坂を前にすると心臓がドキドキして、鼓動がどんどん速くなっていくのが分かります。
 石生コースの坂はなんと言っても、急、急、急!!
 特に登り始めの坂が一番角度があって、一番きつい場所なんです。
 最初から心臓が破られそうになりながらも、前を走るみんなの背中を見てパワーをもらいながら、必死に足を動かし続けました。
「ああ……、きつい……」
 と、声が出なくなりそうな限界のタイミングで、いつも決まってやってくるのが「お題回し」です。
(なんてナイスタイミングなお題回しなんだろう!)
 と、いつも心の中で感謝しながら走っています。
 お題回しをしていると、身体はすごくきついはずなのに、みんなが全力で出している声を聞いているだけで、自然と私までパワーに満ちてくるのを感じます。
 今日はお仕事組さんもお休みでいてくれたので、みんなの熱い思いをたくさん聞くことができました。
 今日のお題は、「隣の人シリーズ」で「隣の人をお花に例えたら」。
 私の隣を走っていたのは、かのんちゃんでした。
 私はかのんちゃんを思い浮かべて、迷わず「スミレ!」と答えました。
 スミレの花言葉には、「誠実」や「小さな幸せ」という意味があるそうです。
 それが、いつも目の前の人や作業に対して真っ直ぐに向き合い、日々の生活の中にあるささやかな喜びを宝物のように大切にしているかのんちゃんに、本当にぴったり!! だと思ったからです。
 そんなかのんちゃんのピュアな優しさが、道端で凛と咲くスミレの姿とそっくりで、なんだか心が温かくなりました。
 そうやって、「かのんちゃんの魅力を何の花に例えたらいいかなぁ」と想像を膨らませているうちに、いつの間にか石生コースの坂のきつさを忘れていました。
 坂を登り切った時には、きつい……という気持ちよりも楽しさが勝っていて、大きな達成感で胸がいっぱいになりました。

 でも、今日はこれだけでは終わりません。
 石生コースの次には、梅の木コースが待っています。
 自分の限界に挑戦していくようなドキドキ感を抱えながら、コースへと足を踏み入れました。
 梅の木コースの最初は心地よい平坦な道で、辺り一面にはのどかな田んぼが広がっています。
 その中を駆け抜けていると、風がダイレクトに当たってきて、その冷たさが驚くほど気持ちよく感じられました。
 そう思っているうちに、あっという間に梅の木コースの最後の坂がやってきました。
「あ、ちょっと限界がきているな……」と思いながら必死に登っていた、ある瞬間のことです。
 ふと、限界の壁を通り抜けたように身体が急に楽になるのを感じました。
 そして、ついにゴール!!
 最後は最高に晴れやかな気持ちで駆け抜けることができました。
 石生コース+梅の木コースは、もちろんきつさもありますが、終わった後の達成感はいつもに増していっぱい感じることができました。
 これからまた、この大好きなみんなと一緒に、心と身体を鍛えていきたいと思います!