9月23日
今、コンサートに向けて楽器練習やアンサンブルに奮闘したり、全体演奏・アンサンブル係としてさとみちゃんと一緒に動いている日々が、楽しいという言葉では片付けられないくらいに、何と表現したら良いかわからない自分の言葉の乏しさが悔しいのですが、毎日が濃いです。
手放しに楽しいというわけではなく、心配事もあるし、自分の未熟さを感じて悔しい思いをすることもあるけれど、その前向きな苦しさが、人間らしく生きているという感じがします。
この音楽合宿で、さとみちゃんと考えたグループ練習ですが、私にとってもみんなにとっても収穫のあるものとなりました。他の楽器が何を吹いているかを知るだけでなく、さらに、そのメロディーにどう理想を持つか、というところまで深める必要があるということを知りました。自分の音をどう吹くかだけを考えるのでなく、自分が支えているメロディをどう聴かせたいか、と理想を持つことで、じゃあそのために自分のパートはどう役割を果たすべきか、ということも見えやすくなりました。少し視野が広がったように感じます。
また、ひとつひとつの音の大きさをそろえる練習もしました。ただ何となく大きく、小さくではなくて、緻密に、ひとつひとつの音をそろえました。さとみちゃんとのグループ練習やアンサンブル練習で、私には緻密さが足りないということを感じました。自分のトロンボーンに向かう姿勢の甘さを自覚して、ガーンという気持ちにもなりました。自分に厳しくなくては、音で人の心を動かすことはできないです。もっと、自分を律して、緻密になります。
さとみちゃんと、楽器練習やアンサンブル練習をする時間が、深いおもしろさがあって、さとみちゃんといると心が自由になります。さとみちゃんのアドバイスが、楽譜に書かれている強弱記号と逆なこともあります。たとえば楽譜にはデクレッシェンドと書かれていても、さとみちゃんが、そこはあえてクレッシェンドしてみたらどうかと言ってくれてその通りにしてみたら、しっくりとはまったりするのが、おもしろいです。
その音楽のあるべき姿を緻密に具体的にはっきりと持っていて、どうしたら理想に近くなるかを的確に言えるさとみちゃんが本当に格好良くて、私も、少しでもそんなふうになりたいです。
そのために、私は今、勉強するチャンスをあたえられているんだと感じます。だから、音楽に対してどん欲に食らいついています。お父さんが全体演奏で教えてくださったこと、あゆちゃんとの音楽練習の空気感、全てを余すことなく吸収したくて、そういうふうに過ごしていたら、自分にこもらずに外向きにならざるを得なくて、外向きとはどういうことか、少しずつだけれどわかってきました。
私も誰かに発信する側になるんだという気持ちで、全てを吸収したいという気持ちで過ごしている毎日が、楽しいです。
夜は、さとみちゃんと、これからの全体演奏とアンサンブルの方針について話合いました。私にも、みんなにも、今必要だと思うのは、呼吸の深さと息のスピード。より深い音色が吹けるようになるにはどうしたら良いのか考えて、そういえば、全員での基礎練習をやりたいねという話になりました。
さとみちゃんが、12拍のロングトーンをしてから、4拍のロングトーンをしてみてはどうかと話してくれました。12拍のロングトーンで息を出しきる感覚をつかみ、12拍のロングトーンと同じ息の量で4拍のロングトーンをすることで、息のスピードを速めるという感覚がつかめます。
その話を聞いて、心がおどりました。私も、だいぶ前にその練習をしたことがあるのですが、そういえば最近、12拍のロングトーンをしていなかったのですが、それは、音色をよくするのに良い練習になると思いました。
恥ずかしながら、12拍のロングトーンを昔はよくしていたのですが、苦しいのと、4拍で息を出し切るという感覚が上手くつかめなくて、その練習をしなくなってしまいました。でも、今ならできるかもしれないと思い、やってみました。4拍に12拍分の息をすべて出し切る、怒濤の勢いで息を吐ききる、という感覚が、やっとわかりました。ああ、こういうことだったんだと、思いました。本当に少しずつではあるけれど、確かに積み上がっているんだと、嬉しくなりました。この感覚を、みんなともはやくわかちあいたいです。これは絶対にステップアップにつながります。みんなとこの練習をするのが楽しみです。
私は、音をもっと深くしたい、私の音は浅すぎる、ということにずっと悩んでいて、でも、あきらめずに地道に積み重ねていけば、音は深めていけると、希望を感じました。しかし、私は、いつまでも、音をもっと深くしたいと思い続けると思います。この音がゴール、というのはなくて、もっと良い音、どこまでももっと良い音があって、行ける限界を見てみたいです。
今の私は、まだまだなんちゃってトロンボーンで、せいいっぱいに背伸びをしてトロンボーンをやっています。こうありたいという理想を、トロンボーンの音にのせています。はやく本物になりたい、と毎日思いながらも、本物になるために奮闘している今に、幸せを感じています。
