「もっとやっていたかったな」 ほのか

3月16日
 
 今日はなぜだか、走っていても身体が軽く、驚きました。明日、ちゃんと起きられるかな……と思いながら布団に入る夜の、次の日に限って目覚めが良いのは何故でしょうか……。
 今日走りながら、一つ小さな発見がありました。大通りから滝川の方へ曲がって、ヤンマーの方めがけて進んでいく道があると思うのですが、そこの突き当たりにあった「滝川」という看板。ただの看板ではなく、よく見たらそこに蛍が飛び交っている絵が描いてありました。そして、あゆちゃんや、相川さんたちと蛍を見に行った夜のことを思い出しました。確かに、滝川には蛍がよく見られた。少し嬉しい出来事でした。

 ここ最近の脚の重さはどこへ行ったのか。びっくりするくらい身体が軽く、重力が無いみたいでした。いつか、なっちゃんが、「人の身体は筋肉痛になって、修復して、新しくなって、また筋肉痛になる、サイクルを繰り返している」という話をしてくれたことを思い出しました。そうして、確実に強いからだが作られるのか……、ということを思うと、嬉しく思いました。今日は、走りながらおしりの側面、ぎゅっと力を入れるとへこむ所辺りの筋肉を使っている。という実感があり、調べてみるとおそらくそこは中臀筋という部位だと思いました。
 ゆるやかな上り坂がずっと続く道で、太陽が出て、走っている人のシルエットができました。地面に映ったそれは、自分が走っても走っても追いつくことはなく、(当たり前だけれど)ああ。自分との闘いだ。と思いました。そうしてできた陰を見ながら走ったら、あっという間に坂を登り切っていました。しなこちゃんはしなこちゃんの陰が、よしみちゃんはよしみちゃんの陰ができていて、それを見ただけで、誰かすぐに分かって、ああ、好きな人たちだな。と思い、ちょっと嬉しい気持ちになりました。

 今日は月曜でしたがりゅうさんも来て下さっていて、後ろの方から時偶ハッ!! とかフッ!! とかいう雄叫びが聞こえてきました。りゅうさんと一緒に走らせてもらうと、いつものランニングが2倍増しかそれ以上に、弾んだ気持ちになります。誰かを元気づけられるような人に私もなっていこう。と思いました。

 午前中、あゆみちゃん、つばめちゃんと配膳をしていたらえみちゃんが帰ってきてくれました。お帰りなさい! と言うと、優しい笑顔で「帰りました」と返してくれました。最後の15分くらい配膳を手伝ってくれて、いつでもすっとその場の空気に溶け込んでいるえみちゃんがかっこいいな。と思いました。

 昼食後、家庭科室でジャガイモの芽取りをしていました。すると、作業発表があり、今日は勉強組もジャガイモの植え付けをします、ということでした。もしかしたら……、とは思っていたのですが、久しぶりにみんなと畑に出られる!! と思い、とてもはしゃいだ気持ちになりました。と同時に、ランニング以外は座っている時間が多かったから、ついていけるか、緊張もありました。とにかく、暖かな外の陽気につられて玄関を飛び出しました。
 えみちゃんもいてくれて、大人数で中庭に集まりました。全部で1万7千株を植えるうちの3分の2ほど植え付けたい! ということをさくらちゃんが話してくれました。みんなおそろいのピンクのジャンバーを来ている光景が、可愛かったなと思います。天気にも恵まれて、これは熱くなりそうだ。(いろんな意味で)と思いました。
 私はりなちゃんと軽トラで、メークインの種芋が入ったコンテナを軽トラに積んでから夕の子畑へ向かいました。芋を積んでいると、りなちゃんが、「ほのかちゃんとの作業久しぶりだ!」と声を掛けてくれました。私もとても嬉しかったです。りなちゃんとこうして軽トラで移動するのは、桃シーズン以来。夏みたいだ。と言いました。カットされた芋は、誰かが言っていたみたいに表面が焦げたフランスパンのようでした。

 そして夕の子につきました。すでに乗用車で到着していたみんながコンテナの積み降ろしをしていて、その中には紫の帽子をかぶった3歳のおとちゃんもいました。
 そして、いよいよ植え付けへ入りました! 私はりなちゃんとペアで、私がコンテナを持ち、りなちゃんが株間23センチ間隔で芋を置いていきました。ただコンテナを持っているよりも、片手でコンテナを支えて、もう片手で3、4個ジャガイモをつかんでりなちゃんに手渡したら早い、ということを見つけました。その方が、とてもやりやすい! ということをりなちゃんが伝えてくれて、あっという間に1畝が終わりました。幅広な畝に、絶妙な間隔で置いていくりなちゃんの足腰がたくましく、かっこよかったです。太鼓をやっている時のりなちゃんを思い浮かべました。

 その後は植え付けにも入らせてもらいました。スコップを突き刺して、ぐいっと奥へやると少しの空間ができてその間にジャガイモを滑り込ませると、ひゅっとジャガイモが吸い込まれていくように、すっぽりその穴に入っていきました。土がジャガイモを吸った!! と思ってしまうくらい、その動きが滑らかで、土が生き物のようでした。須原さん、お父さんが、ここまでフカフカ、サクサクになるように畑を耕して下さったのだなと思い、ありがたいなと思いました。

 そうして、できるだけ手数を少なくする、1、2、3で完結、でも丁寧に。を意識して、呼吸するみたいに進んでいきました。多分1株3秒以内。ジャガイモ、頑張ってくれ……。という思いやりも忘れずに。噂に聞いていた、M字型の畝という物を初めて目にしました。これは追肥と土寄せがやりやすいだろうな。と思いましたし、植え付けもやりやすかったです。夕の子東は、斜面になっていました。それが、水の流れが良く、水がはけやすい、芋が腐りにくくなるのかな? と思いました。1畝終わるごとにどんどん高いところへ上っていくのは、ゲームのステージ、クエストをクリアして、次のステージに進んでいくかのようで、とても心が躍りました。夕の子、夕の子東を1時間も掛からずに終えることができました。その後は新いいとこ畑へ。まめがらを撒いたという話を聞いていたのですが、土を見ると粉々になったまめがらが混じっていて、私は植え付けだけさせてもらったけれど、植え付けまでに色々な準備を、畝立て含めみんながしてくれていたのだなと思い、ありがたいなと思いました。そして、土壌の状態が改善されたら良いなと思いました。芋を置いていく人を追いかけるようにして植え付けをして、常に誰かの手が余るということが無く、縦に長い一畝もヘルプに入りながら、協力して終わらせていきました。全体の中に、勢いがありました。山畑西のライン引きに行くメンバーもいて、私たちはユズ畑上下の植え付けに行きました。今までとても広い畑にいたので、ユズ畑がとても小さな畑のように感じました。芋を全て置き終わったとき、さくらちゃんがお茶を作って持ってきてくれました。お茶休憩をしながら、今まで植えた株数を、正確な数値でさくらちゃんが伝えてくれました。だいたい1000、とかではなく、緻密に1けた単位で計算しているさくらちゃんの緻密さは、やはり素敵だなと思いました。私はさくらちゃんの緻密さを尊敬しています。

 予想通りあっという間にユズ畑の植え付けが終わり、最後の目標である梅林奥、奥奥の畑へ行きました。ここに植えるのは、アンデスと、ホッカイコガネ! まずコンテナを移動するところからでした。ジャガイモの半分以上入ったコンテナを持ち、移動するのは、重たく感じてしまいましたが、重たそうに持つ人にはもうなりたくない!! という固い意志がありました。楽しそうに持って歩きました。やはり流石さくらちゃん、私よりたくさん中身の入ったコンテナを一人で持ち上げて歩いていました。すれ違う時、ありがとうございます、と声を掛けてくれました。そういう何気ない一言が、嬉しくなるなと思い、私もそういう感謝の気持ちや言葉を、もっと日頃から示していきたいと思いました。
 この畑に差し掛かる頃には、芽とりをしてくれていたメンバーも合流し、さらに大きな大群になりました。ホッカイコガネの種芋は、メークインより固く、しっかりとしていました。これがどんな風に育つのか。断面は本当に黄金色なのか。どんな味なのか。興味津々です。
 大人数のみんなは、さくらちゃんと一緒に山畑の畝の端を切る作業へ行きました。私は5人のメンバーと梅林に残り、最後まで植え付けをさせてもらいました。一瞬心細いような気がしたのですが、それは気のせいでした。気づいたらもう終わっていて、もっとやっていたかったな、と思うくらいでした。時刻は、16時45分。残りの時間は、ハウスのビニール閉めに行きました。セロリが、柔らかそうな、優しい黄緑色の葉になって、勢いよく生えている様子が見られて、嬉しかったです。

 夕方はハウスミーティングもあり、お父さんのお話をたくさん聞かせていただけて嬉しかったです。
 今日は、とても充実していて楽しい一日でした! 長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。