「糀の卒業式」 うたな

2月17日

・糀の卒業式
 種つけから3日間、温度管理や手入れを続けてきて、ついに今日の日中に、出糀を迎えました。長いようでとても短かった、糀を手入れした日々。絶対に忘れられない日々になりました。
 出糀は、米糀の上にかぶせてあるタオルをはぐって、糀の部屋から外へ出すだけの作業です。みんなで「よく頑張ったね!」と声をかけながら、作業しました。温度をしっかり保ちながら見守り続けないといけないところから、一人立ちというか、一人前の糀として外の世界へ。まさに卒業式だな、と思います。
 出糀は、3回に分けて行いました。大体38℃に達した糀箱から、順番に出糀をしました。塩麹になるものは、甘味がほしいので、味噌のものよりも早い段階で出すことになりました。
 糀の香りには種類がある、ということを教えてもらいました。フルーティーな香りがまず初めに起こって、そこを越えるとクリーミーな香り、さらに行くと栗のような甘い香りになるということでした。香りを一つの印として、そこを頼りにしながら出糀のタイミングを計るという話を聞いて、まさに職人技だと感じました。
 すごいと思ったのは、3回の出糀で、毎回糀の様子が違うということ。温度を高いところまで上げるために後の方まで糀室に入れておいたものほど、真っ白で、毛がしっかり立っているように見えました。
 明日は、みんなで黒大豆味噌の味噌玉をつくる日です。みんなと一緒に、ここまで頑張ってくれた糀を味噌にすることができるのが本当にうれしくて、楽しみです。
 
 ・ひろこちゃんとの見回り
 ほぼ徹夜の見回りでしたが、本当に楽しかったです。緊張して、起きないと! と思っていたので目がずっと冴えていました。でもひろこちゃんの方がすごくて、目覚ましがいらないほどずっと起きていたと思います。
 2時の見回りは、温度の差がすごかったのと、一か所だけすごく高くなってしまったものがあったので、3回くらい入れ替えをしました。結局一時間くらい手入れをしていました。熱が出た子どもにつきっきりで看病しているみたいでした。
 ひろこちゃんの、糀箱を扱う手つきがとてもやさしくて、繊細で、それを見ていると、ひろこちゃんが糀を大事に思って、気持ちを込めているのだな、と分かりました。
 
 ・人に囲まれた糀
 昨日の盛り込み作業では、お仕事組さんの人数を埋めるため、と、ちさとちゃんが来てくれました。今朝は6時と早かったのに、まえちゃんが撮影のためにカメラをもって入ってきてくれました。今日と明日は、糀メンバーのどれみちゃんがお休みでいてくれます。なるちゃんは仕事があるのに、朝や夕方、夜の手入れには来てくれるのはもちろん、見回りにも参加してくれて、段取りの説明も細かくしてくれました。いろんな人の支えによってここまで来た糀。喜んでいるのが分かりました。
 
 ・利己的が孤独であること
 利己的でいると、受け身で自分の都合がいいようにできるので、とても楽です。頭も使わないし、気を遣うこともないし、体力も消耗しません。
 でも、心の充足感はなくて、罪悪感があって、何より、孤独です。協力してくれる人、そばで笑ってくれる人がいない。助けたい、安心させたい人、守りたい人もいない。それって、悲しいことだな、と思います。
 ちょっとだけ人に対して利他的に行動したとき、そばにいる人の反応がすごくうれしいときがあります。そういうとき、自分のしたこと、自分のこと自体も、肯定できる気がします。
 親離れという高い壁にぶつかってミーティングで思うようにいかず、苦戦しているけど、日々のなのはなのみんなとのやりとりに、ちょっとずつ気づきを得ることがあります。ここで過ごさせてもらえていることが、ありがたく感じます。