「人間の不幸はいつから」 ほのか

2月16日
 
 今、夕食の食器洗いを見学させてもらいました。
 皆同じスピード感を持っていて、一体感がありました。でもお皿を丁寧に扱っているのを感じました。
 私は目的意識が低く、できたらそれでいい、と思っていた節があります。やることなすこと自分が世界のスタンダード、みたいに感じてしまっていたなと思います。けれどそれは間違っていたんだ、と気づきました。
 ダンスや畑作業だけでなく、掃除や身近な日々の生活においても、このレベルができたらさらに上のレベル、もっと上のレベル、もっと良くできる! 掃除にも無限の向上心を持って取り組むべきだということを学びました。
 なのはなの子としてあるべきスピード感、あるべき質で掃除をすること、それをハウスミーティングでも教えていただく機会がありました。
 なのはなには熟練の先輩がたがたくさんいます。作業のスピードと質を見学させていただく機会をもらって、そのスピードと質に揃えられるように育っていけることが、ありがたいことだなと感じました。今は朝の洗いだけ当番に入っているのですが、一回一回の洗いに日々向上心を持って取り組んでいきたいと思いました。
 
 食事の席で、みんなから桃の摘雷の作業の話を聞かせてもらいました。
 2月末までに一巡目を終える目標で、全員でスピード感を持ちながら取り組んでいる、ということでした。今日は午後だけで15本終わったと聞きました。
 みんながスピード感と一体感を意識して作業しているお話を聞き、私も同じ気持ちで、同じスピード感で勉強に取り組んでいかなくちゃいけないと感じました。与えられた時間にもっと責任感を持って、過ごしていくべきだと感じました。勉強は一人でやるけれど、うっかりすると目がとろんとしてきたり、進みが停滞してしまうことがあったなと思います。同じ時間、みんなはスピード感を持ちながら、目標に向かっているのだなと思うと、私も同じスピード感で、一日の目標を曖昧にせずにちゃんと取り組んでいきたいと思いました。時間の過ごし方、スピード感について、もっと誠実にみんなと同じ気持ちで進めていきたいです。
 
 今日のハウスミーティングの時間が嬉しかったです。
 お父さんお母さんのお話がとてもわかりやすくて、本当にその通りだなと思いました。
 中でも印象に残ったのは、「人間は遺伝子的に幸せになれない生物」というお話でした。
 
 昔の時代に利己心はどのようにして生まれたのか、という質問をさせていただきました。
 たまたま今朝読んだ倫理の教科書にソクラテスの思想が載っていて、「人が生きていく目的は魂を高めていくことだ」と説くソクラテスの言葉は、なのはなで学んだ利他心に通じるところがある、と感じました。ソクラテスが不正や過ちを犯してまで利益を得ようとする世の中の人々を批判し、それが政治家やソフィストの反感を買い死刑を宣告された、という古代ギリシアの出来事を学びました。私はそのことに胸が痛くなりました。紀元前400年から500年の、今より遙か昔の時代に、今とは社会の構造が全く違うけれど、なぜ利己的な気持ちをもった人がいたのか、疑問に思い質問させていただきました。

 人間の不幸は、貯蓄をして、貧富の差が生まれたときから始まった、とお父さんが教えてくださいました。縄文時代の人々は、皆平等で、嬉しいのも悲しいのもみんな一緒に味わっていたから、幸せだった。ところが稲作や高床式倉庫による貯蓄が渡来人から伝わり、利益をめぐる争いが起き、そこから不幸が始まった。

 そこら辺のイノシシや鹿は利己的な気持ちを持っていないので、みんな幸せ。食べるために生きて、愛するオスやメスと愛し合って、人間なんかよりとっても幸せなんだ、ということをお父さんが話されていて、確かにその通りだよなと思いました。
 利他的に生きて行くことって、実は至ってシンプル……! 動物や自然が、一番良く知っているのだなと思いました。

 夜はゆりかちゃんが毎日声を掛けてくれている、フラダンスの練習をさせてもらいました。少し早めに体育館に行くと、みんなが新曲『ファアファイテ』のダンスを合わせているところでした。
 伸びやかに、ぐっと腰を入れて肩から振り返る動き、ゆりかちゃんがセンターで、左右に分かれたダンサーたちが命を吹き込むみたいに、交互に踊っていく姿が、とても美しく、心を動かされました。
 ふみちゃんのダイナミックな手足の動きに釘付けになり、ゆりかちゃんの真剣な表情は、厳かに闘志を燃やしているような気迫を感じました。
 曲が盛りあがって、オールを持ったなるちゃん、まりのちゃんうたなちゃんが登場して、全員で船を漕いでいく振りが、私たちの生き様そのもののように感じられて、感動しました。私たちにしかできない表現、なのはなファミリーでしかできないダンスだと感じ、まだまだ作り込みの段階にある曲でしたが、私も頑張ろうと勇気をもらったように感じました。
 
 
○生きる意味
 石生の坂の、頂上につくちょっと前は、一番しんどいです。あーーーもうむりだー!!!! と思ったのですが、急に、人生は荒波のなか船をこいでいくものだ、というお父さんのお話を思い出して、力を振り絞り走りきることができました。人生楽なときばかりじゃない!! 自分を律することも、生きる喜びの一つなのだ……、と学んでから、味覚も、毎日の感じ方もずっと味が濃く感じるようになりました。発見のある毎日が豊かで、嬉しいなと思います。