5月27日
太陽は私たちを置き去りに、今日も頭上を通り過ぎていった。
日に日に1日が過ぎてゆくスピードが速くなる。太陽の下、私とすにちゃんは今日もサトイモのために奮闘した。
コミュニティのサトイモの草取りを、2人で終えた。
今日はすにちゃんのハイペースについていけたような気がした。
1畝10分以内に終える目標で、すにちゃんと心臓の鼓動を合わせて動いた。
いくらリーダーさんに気持ちを沿わせるとはいえ、「こんな早い動き、できないよ!!」と嘆いてしまっていたが、今日は言い訳せずに動いた。意外とできたと思う。
だがしかし、また100点満点にはできなかった。畝かたを削りすぎたり、草回収が途中になってしまったり、心残りなところも多々ある。
でも、どこまでやってもはいこれで安心、とならないのが野菜を育てるということなのかもしれない、と思った。ひとつ作業が終わっても、次々にやりたいことが出てきて、常に追われる感じ。これが怖いと取るか、楽しいと取るかは私次第だ、と思う。
お互いにちょっととげとげしたとき、はっとした。サトイモが聞いているではないか。
サトイモを悲しませてはいけないと思った。楽しい空気で、明るく、サトイモに愛を伝えたいと思った。
「アイラブユーサトイモ、2分」と2分ごとにタイムコールをした。すにちゃんが「はいアイラブユーです」と、まるで飲食店の厨房のように返事をしてくれた。
サトイモのことを思うと、自然と手さばきが早まった。地表に鬼の角の如くにょきっとはえている姿が愛らしく、嬉しい気持ちになった。
芋類を守りたいだけなのに、その気持ちがいきすぎてすにちゃんといつも喧嘩してしまう。
お互いの主張がことごとくかみ合わない。こうしたいという意思が強く、その方向性がバラバラ。それは芋も気まずくなってしまうと思った。
「別にけんかしてもいいよ」とまえちゃんは言ってくださった。ただし、感情的になったりするのは良くない。担当野菜といえど野菜の利益はみんなに還元する物だということを忘れないように、ということだった。
その言葉を聞いて、みんなで芋掘りをする光景を思い描いた。
みんなで豊作を喜び、おいしくいただいて、嫁入りをする未来。芋の幸せな未来を想像すると、今のじたばたした気持ちが静まるようだった。
あとは崖崩れのサトイモ…。通る度に胸が締め付けられる草原と化している。
明日まえちゃんも見てくださるということで、心強くてありがたい。
ドキドキする。うまくいくといいな、という気持ち。
午後からは久々にサトイモ以外の作業をした。
小松菜の不織布回収、草しき、ネット掛け。
私は草しきがどうしても早くできなくて、苦手意識があった。だが、今日コツをつかんだ気がする。るりこちゃんが「多少草が被さっても小松菜が出て来るよ。スピード重視でいこう」と全体に声をかけてくれて、私もるりこちゃんのスピード感を意識した。
今まで私は質を重視しすぎていたと思った。綺麗な草のアートを作る必要は無く、自分が思っていた以上に時間を掛ける作業では無かったと思った。
乾いていたところに高低差で水やりをさせてもらった。畝が湿って水が浸透した瞬間、くたっと寝ていた小松菜が起きた。こんなにすぐに野菜が反応したのを見たのは初めてだった。良いタイミングで水やりができたと思い嬉しかった。
