写真:さとみ  文:たけひと

いまの季節に、なのはなファミリーとその周りで見ることのできる花たち。
それぞれの花の表情と物語を、写真と文章でお届けします。


 





第1回 『ビンセント(ヒマワリ)』



数あるヒマワリの中でも、
画家ビンセント・ヴァン・ゴッホからの
名前を冠したビンセント。
ビンセントはやや小振りですが、
それでも華やかで、重厚で、明るく、
逞しい色、そしてかたち。

ゴッホの「ひまわり」に描かれている花そのもの。

ギリシャ神話にあるのは
――水の女神クリュティエは、
太陽神アポロンへの恋が実らず、

来る日も来る日も
空に上る太陽を見つめながら泣き暮らしていた。
やがてクリュティエの足に根が生えて、
顔はヒマワリとなり、
今でも太陽を見続けている――。

そんな一途な女性を思わせるひまわり。
その花言葉は「あなただけを見つめてる」。
ただ、なのはなファミリーの子で、
「わたしだけを見て」という人はいません。
お互いに息切れ寸前の恋するような関係ではなく、
節度を持って向き合っていきましょう、
というのがなのはなの教え。
心なしか、このビンセントもやや控えめのような……。



 
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