写真:さとみ  文:たけひと

いまの季節に、なのはなファミリーとその周りで見ることのできる花たち。
それぞれの花の表情と物語を、写真と文章でお届けします。








第47回「金盞花(キンセンカ)」

 

キンセンカの祖先はニンフ(水の精)、クリティだという。
 
来る日も来る日も、力強く燃え盛って、
  万物を照らし続ける太陽神アポロンに、
    クリティはいつしか恋をするようになった。
  
ところが、アポロンはレウコトエ王女と相思相愛だった。
   アポロンを独り占めするレウコトエ王女に嫉妬したクリティは、
     2人を引き裂くために、父の王様に密告してしまう。
  
怒った王様はあろうことか、
   レウコトエを生き埋めにしてしまった。
     それを知ったクリティは我に返ったが、もう遅かった。
  
空を行き過ぎるアポロンは1人になっても、
  仰ぎ見るクリティには一瞥もくれることはない。
    嫉妬した己の浅ましさを心から恥じたクリティ。
      空を見続けて9日後、
          クリティは金盞花へと姿を変えた。

 

 

花に姿を変えて久しい今なお、
  狂おしいまでに燃え立つクリティ。
    アポロンへの贖罪の気持ちからか、
       それともアポロンへの止まぬ思慕からか。

 

〈撮影場所:吉畑ハウス下畑〉



これまでの花