2022年スプリングコンサート 感想文集
4月10日。待ちに、待ちに、待ったスプリングコンサートがいよいよ開演。
毎年冬に行われますが、今回は春。コロナで2年4か月ぶりとなったコンサート。
始まりは、1月の終わり。のんちゃんが来てくれての大人数ダンスの振り入れがありました。のんちゃんから、「前転します」と聞いたときは驚きましたが、今では、もう決めポーズのように、ぴたっとそろっています。その頃から、フルメニューも始まり、ダンスの基礎練習、ストレッチ、ランニングなどもやりながら、ブランクで鈍っていた身体を鍛えなおしました。
今回、私は大きくわけて2つの新しい挑戦をしました。
1つ目は、演劇です。私は、今回初めて役者をさせてもらいました。

まず、脚本をもらったとき、役のセリフを読ませてもらうと、自意識過剰かもしれませんが、あまりに自分と重なっていて、「え、これ自分じゃないか」と思ってしまいました。
自分の配役は「おさらば3人組」という、自殺しようとしてパワースポットで出会った仲間の1人。やよいちゃん演じる「とうこ」さん、のんちゃん演じる「たかお」くん。私が演じたのは、「てつお」という母子共依存の引きこもりの役です。自分の分身かのようなてつおくんは、正直、演技するというより、これはもう自分だと思って、演技するようになりました。
演劇練習は、まだ雪がゴーゴーと降っている真冬の体育館で始まりました。
お父さんが、右も左もわからなかった私にもわかりやすく、基礎から説明してくださり、とてもうれしかったです。
そこで教えてもらったことは、「役を演じるのではなく、なりきる」ということ。それに尽きるということです。どんなに演技がうまくても、下手でも関係ない。大事なのは、気持ちで、そのセリフを、どう受け取るか、どう表現するかのディティールがものすごく大事だということを実感しました。
毎日、朝から夜まで、ありとあらゆる時間を演劇練習に使いました。なおちゃんをはじめ、やよいちゃん、のんちゃん、せいこちゃん、ななほちゃん。この6人で、試行錯誤しながら練習をしてきました。
一時は、もうどうしたらいいのかわからないというような危機的状況になったときもあったけれど、みんなで考えて、みんなで脚本を読み込んで、よいものにしようとやってきた時間は、本当に楽しかったです。役者だけでなく、これは、なのはなのみんな誰一人欠けていてもできなかったことだと思います。

そんな過程を経て、迎えた当日。ピンマイクのハプニングなどもありましたが、臨機応変な対応で、何もなかったかのように、みんなが劇をまわしていて、そのことに感動しました。
私も、ピンマイクのトラブルで、慌てたシーンがあったけれど、ヘルプしてくれたまちちゃんが冷静に対応してくれたおかげで無事出ることができました。まちちゃんは、ずっと、練習のときから舞台袖でヘルプしてくれていて、当日も、笑顔で一緒に手伝ってくれたことが本当にうれしくてありがたかったです。そのことで自分は誇りを持って、堂々とステージに出られたなと思いました。
本番は、緊張もしたけれど、物語の世界に入り込んで、おさらば3人組と一緒に本当に旅をして帰ってきたようで、楽しかったです。
見に来てくださったお客さんが、笑ってくれたり、『青春』の詩では、共感の拍手をしてくださったのがうれしくて、「たった一人でも誰かの心に届きますように」という願いがかなった瞬間だったと思います。
後半のソロモン王のシーンでは、会場が静まり返って、誰もがソロモン王の話を聞き入っている空気感がステージに立っていても感じられて鳥肌が立ちました。
自分自身も、このソロモン王のコヘレトの書に答えをもらったように、
「食べること、飲むこと、労働すること、家族と話をすること、それだけでいい」
と思って、これから生きていきたいと思わせるシーンでした。
最後のアインシュタインの手紙は、リーゼルへの想いとともに、このストーリーで問題提起してきた、「なぜ人類は生まれたのか」「なぜ、地球は誕生したのか」という答えが書かれていました。

地球を作り、人類を生み出したものの答えは、ダークマターとダークエネルギーで、それは宇宙を包む愛であり愛のエネルギーだった。ダークマターは、人類を作って人間の美しい心を、美しい愛を見たかった。地球は本当に繊細で、今、物が豊かになった影響として環境悪化が進んでいます。それは、一人ひとりの優しい心、利他心。地球にやさしく生きようとする愛のエネルギーで、解決することができる。そうアインシュタインも望んでいました。
今度は、私たちが、この愛を伝えていかなけてはならない。社会に出て実際の場で、世界に伝えていく使命があると思います。それを伝えられたコンサートになったと、思いました。たった1人でも、誰かの心に伝わったと思います。

そして、もう1つ。2つ目は、コーラスです。
コンサートに向けての音楽合宿をする中で、歌のオーディションがありました。
曲は、ラスト曲の『バード・セット・フリー』。アルトとソプラノが1人ずつ立って、1曲をバンド演奏で歌うというものです。
私は、密かにこのときを待っていました。なぜかというと、子供の頃から歌うことが大好きで、いつかマイクコーラスをしてみたいと思っていたからです。まさかこのタイミングでくるとは思ってもいませんでしたが、この機会。絶対無駄にしたくないと思いました。
そして、オーディションが終わって数日して、放送で体育館に呼ばれて、ステージにあがったとき、思わず涙が出そうになりました。ただうれしくてうれしくて。
けれど、うれしいだけではありません。これから、あゆちゃんのサイドコーラスとして、コーラスの練習が始まりました。
毎晩、お仕事から帰ったよしえちゃんと時間を打ち合わせ、コツコツと練習しました。
ときには、「せっかく集まったけど、あと2分しかない」ということもあり、本当に限られた時間、1分でも惜しかったです。
バンドの合わせでは、お父さんやあゆちゃんに見てもらいながら、アドバイスをいただいて、自分が直すべき修正点が見つかりました。私が特に苦戦したのは、声がどうしてものどの奥にこもってしまうということです。オペラみたいに出すのではなく、口の周りを使って、前に出すということを何度も教えてもらいました。
最初は、これまた、もうどうしていいかわからないという危機的状況に陥りました。
けれど、何回も練習していくうちに出なかった音が出るようになって、練習の時間が楽しかったです。

本番では、ダークマターが味方してくれたのか、声が今までで一番クリアにマイクを通って、割れることもなく、出すことができ、それが奇跡のようでうれしかったです。
最後の『バード・セット・フリー』では、よしえちゃん、ひろこちゃん、みつきちゃんとの4人のコーラスで、歌いました。この曲は正直一番難しくて、特に最後の繰り返しのフレーズは、もう何回歌ったかわかりません。本番は、悔いなく思い切り歌うことができ気持ちよかったです。
こうした新しい挑戦に、難しさを感じながらも、心も身体も成長することができました。
コンサートを開けなかった2年半という月日の間に、なのはなのバンドメンバーも入れ替わり、新しいなのはなファミリーになっても、変わらずに応援してもらえるのは、いつもお父さんとお母さんが、私たちに正しい考え方、生き方を、折に触れて何度も教えてくれるからだと思いました。だから、先輩たちが築きあげてきたなのはなの基盤を崩さぬよう、自分を正すことができます。

今回のスプリングコンサートで、私は変わることができました。
お父さんの脚本を演劇を通して、なぜ生まれたのか、この世界をどう変えていくのか、これからどう生きていくべきかを考えるきっかけとなりました。
てつおという役を通して、家族の本当の在り方を声を大にして伝えることができて、心の底からうれしかったです。
また、今回なのはなのコンサートでは初めての、勝央金時太鼓の演奏も実現を果たしました。引きこもりをやめたてつおとして、金時太鼓の『那岐おろし』を演奏したことが私の誇りです。あの瞬間ほど、心地よいものはありません。
太鼓で奏でた一音、一音が、私の魂で、私の叫びでした。会場の人の全身を、振動で震わせ、手紙を聞く前の序章として、思い切り演奏できた時間がこのコンサートで一番、楽しい瞬間でした。


そして私は、欲にまみれた人生を捨てて、欲のない利他心の生き方を、このコンサートを作っていく中で、自分に落とし込みました。劇に登場するコへレトの書で、あたらめて本当の幸せとは、目の前にあるもので、それは食べること、飲むこと、労働すること、家族を話をすること。それ以上何も必要じゃなくて、本当にそれだけでいいのだと感じました。そのことに気づくことが、大きな一歩だと思います。摂食障害になり、一度は見失ったけれど、やっとどう生きていけばいいのか、明確な答えをもらった気がします。
たとえ、どんなにつらいこと、苦しいことがあったとしても、希望を持って前向きに生きていける、そう思います。このスプリングコンサートを思い出して、自分の使命を心に刻み、これからまだ見ぬ誰かの力になれるよう、日々全力で物事に取り組みたいです。
終わりに、この日を迎えられたのも、ホールの竹内さんや、カメラの中嶌さんをはじめ、たくさんの方々に支えられて、実現することができたということに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。また、当日に近づくにつれて次々と卒業生が帰ってきてくださり、とても助けてもらって、応援してもらって、うれしかったです。
これまでの過程には、舞台美術では須原さんや、大竹さん、台所では河上さんや、まちこちゃん。照明では、白井さん。いつも、古吉野でなのはなを支えてくださる大人スタッフの方々の力が、自分たちが動きやすいようにしてくださったこと、本当にありがたく思います。
そして、なのはなファミリーのお父さんと、お母さん。感謝してもしきれないくらい感謝しています。たくさんの仲間とコンサートができること、ステージで思い切り伝えられること、ありがたくて幸せなことだと感じました。
スプリングコンサートは、みんなのコンサートで、自分のコンサートでもある。そのことが、よく実感できました。どこにいても、誰かがお互いに助け合い、最高のコンサートになるようにと、誰もが一生懸命で、その姿に自分も背筋が正されました。
今回、初めての演劇をさせてもらい、本当に色々と迷惑をかけたけれど、そのときの最高のパフォーマンスができたと思います。悔いはないです。


みんなとの短い旅は、一瞬が永遠になるようなそんな旅でした。会場の、ダークマター、ダークエネルギーに満ち溢れ、宇宙を包む愛で満ち溢れ、一体となった空気。温かく応援してくださっている空気。何よりうれしかったです。
スプリングコンサートは終わったけれど、これで終わりではなく始まりです。
また、ウインターコンサートに向けても、畑作業、ダンス、音楽など、次ホールで演奏するときには、何倍も成長していられるよう、コンサートを一つの目標として頑張りたいです。
最後に、山小屋のオーナー、なのはなを開設するにあたり、支えてくださった盛男おじいちゃん。おじいちゃんが教えてくれた、戦争の話。そして、サミュエル・ウルマンの『青春』の詩は、きっと見てくれたお客さんの心に届いたと思います。おじいちゃん、またウインターコンサートでも、見守っていてください。本当にありがとうございました。

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