8月8日のなのはな

雨が、降らない。
野菜たちが求めているもの、それは、水です。雨が降らないということは、私たちの力で水を与える必要があります。しかし、エンジンポンプを駆使して、スムーズに水やりをやってのけるのは、難しいと感じています。エンジンがかからない、水を吸わない、あらゆるトラブルによって、水やりで本来したい量よりかなり少ない量しかやれていないということでした。

そこで、水やり講習会が開催されました。問題なくエンジンポンプを使いこなせて、かからない場合は何が問題かを判断して対処できて、正しく使えて壊さない。そうして水やりが効率よく進むために、お父さんに教えていただきました。
会場の玄関下には、エンジンポンプが9台ありました。その中には、「ああ、あのエンジンポンプ、いつもかかりづらいなあ…」というものも。本当にここにあるどのエンジンポンプも、一発でかけられるようになるのかな!?
まずは、エンジンがかかる理屈を教えていただきました。機械の構造なんて知ろうともしてこなかったので、面白かったです。
4サイクルエンジンでかかるエンジンポンプ、「4」サイクルとは、「吸気・圧縮・爆発・排気」の4工程をものすごいスピードで繰り返してエネルギーを作り出しているということ。機械が動いているのを何の疑問もなく見てきたけど、そういうふうになっていたのか、と分かりました。
エンジンがかかりやすい条件、それは「温度が高い(エンジンが暖まっている状態)」「濃いガソリンが送られる」ということ。大きくその二つのキーワードをもとに、お父さんの説明をみんなで聞きました。
チョークレバーの開閉についての、お父さんのたとえ話が面白かったです。チョークは空気の調節だということは何となく知っていたのですが、なぜそうなるかはわかりませんでした。イメージするのは「水が入ったコップに突っ込まれたストローに、口を少し近づけて息を吹く」ということ。そうすると、水は吸い上げられて息の飛ばされていく方向へ飛んでいくみたいです。水=ガソリン、吐いた息=送り込まれた空気です。

また、針のようなものをガソリンの通った筒へ挿入している話。針を通せば流れるガソリンの量が減るので、ガソリンは薄くなる。
こうして、ガソリンの濃い・薄いを調節しているのだということを説明してくださいました。そもそもチョークで何をしているのかが理解できていなかったのですが、チョークの意味を知ることができたことで、ただ開けたり閉めたりを無意味にすることがなくなると思いました。

私がよく陥るトラブルとして「エンジンを一度切って、もう一度かけなおすときにかかりづらい」ことがあります。
畑で、エンジンポンプがかからなくなるともう絶望的な気持ちになります…どうしてかからないか分からない、対処法が分からない、でも誰もいなくて聞けない、エンジンポンプを持ち運んで新しいものと変えるのも非現実的…ああ、どうしたらいいんだ!
エンジンポンプを使用し、一度エンジンを止めたとき、エンジンポンプがどういう状態になっているか。その時エンジンポンプには十分な量のガソリンがいきわたっている、ということは、直前までエンジンをフル稼働させていたエンジンポンプをスムーズに再び動かすには、少ない量のガソリンで動かすことができる。逆にガソリンを送りすぎたり、エンジンをふかしすぎるとプラグが濡れてしまい発火しなくなってしまい故障の原因になる。…ということは、チョークを開けて、かつアクセルレバーをカメ(一番弱い動力)にして、エンジンをかける!なるほど、そういうことかと理解しました。

お父さんの説明を一通り聞いたあと、全員がエンジンポンプをかける実技をしました。
私は、エンジンは何度かスターターロープを引っ張らないとかからないもので、一発なんて不可能だと思い込んでいました。でも、びっくり、あのかかりづらい4番のエンジンポンプを、お父さんは一発でかけてしまいました。これが普通なのだと認識を改めました。


まず、まだ熱がない状態のエンジンポンプに「濃いガソリン」を送るため、チョークは閉め、アクセルレバーは真ん中くらい。ここで重要なのが、スターターロープの引っ張り方。私も何度か切ってしまったことがあります。それは、引っ張り方と軌道が違ったのだと分かりました。少し引っ張ると、力を入れないと引けない場所に差し掛かるので、そこから力を込めて一気に引っ張るようにする。また、スターターロープが機械に当たって擦れないよう、真っすぐに引ける軌道を一度確かめておいてから一気に引く。
ここまで、気をつけながら、よし、引く!…なんと初めて一発でかけられました!
ほかのみんなも、どんどん一発上がりしていました。
そのたびに拍手喝采! うれしそうな顔がたくさんありました。「僕が一発でかけられない場合をやるから、何が原因かみんなで考えよう」とお父さんがおっしゃったのですが、お父さんはどう頑張っても一発でかけてしまいました笑。「僕うまいから困っちゃうなあ」とお父さんも笑っていました。

「勘を働かせてエンジンをかける」ことを、お父さんが教えてくださいました。今回理屈は教えていただいたけど、エンジン音を聞くなどして、今どういう調節をすべきか、勘でやってみる。それができたらかかるよ、と言われました。心を使って、エンジンポンプと友達になりたいです。



吸水ホースについても、知らなかったことがありました。呼び水を満タンに入れたら、必ず水は出てくると思っていました。でも高低差がある場所では特に、下へ垂れている吸水ホースにも水がたまるまで入れないと空気がまだある状態だ、だからたくさん水を入れてホースに十分な水が入っている必要があると教えていただきました。これだけ長いこと水やりしてきたのに、新たな気づきがたくさんあり、貴重な時間でした。


エンジンオイルについても教えていただきました。日々のメンテナンスをこまめにすること、これは私が苦手なことです。エンジンオイルのチェックもその一つです。エンジンオイルが足りなくなると、焼き付けを起こしてしまい、エンジンポンプがお釈迦になってしまいます。だから、定期的に残量を確かめることは必須ということでした。機械は人ではないから、「今オイルが足りないですよ」と言ってくれるわけではありません。1週間に一度くらいはチェックした方がいいらしいです。しっかり見ていこうと思います。
最後には「目の前のことに100パーセント集中力を注げるようになること」が大事だと、お父さんがおっしゃいました。私は以前ハウスミーティングで、「責任感がないから、機械の構造を覚えようとしない」と言っていただいたことがあります。今日も必死でお父さんの話してくださる機械の話を理解しようとしましたが、かなり難しくて、まったく同じように説明しろと言われたら困ってしまう気がします。いつも全集中力を今あることに使って、認識力高く、「自分事として」責任をもって挑めるように、意識したいと思いました。


そもそもこの講習会が開かれるにあたって、まえちゃんが「エンジンポンプのトラブルなどがある理由で、水やりの作業のやりがいよりも」と話してくれていました。まえちゃんや畑のリーダーさんたちが、みんなが気持ちよく作業をできるように、と考えてくれている気持ちが伝わりました。
今回、お父さんに教えていただいたことで、私自身もみんなも、水やりに全力を注げるようになったと思います。なつみちゃんが「どれだけ追肥して誘引して、他の作業を頑張っても、水がなくては野菜は生きていけないから水やりが本当に重要なのだ」と言っていました。野菜たちを守れるよう、瑞々しくて美味しい夏野菜になるように。水やりも、手入れだって頑張りたいです。
(うたな)
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7月下旬の夜、なのはなファミリーの、ブルーベリー畑に設置している、二ホンミツバチの巣箱を見に行きました。
その時、焦りというか、少し不安になる変化がありました。
1週間前までは、ミツバチ達が作った、白と薄いクリーム色の巣を覆うように、ミツバチ達が群がって止まっていたのですが、
この日、巣箱の中をカメラで撮影すると、そのミツバチが作った白い巣がまる見えになっており、
ミツバチの数が大きく減っていたのです。
7月の中旬には、梅林に巣箱を設置し、棲み付いた2か所のミツバチの群れが、この猛暑の影響で、
巣が柔らかくなり崩れ落ちる「巣落ち」という現象があり、2か所とも、女王蜂率いる群れが逃げてしまいました。
(もしかして、このブルーベリー畑の巣も、猛暑で、群れが逃げてしまったのかな……?)と、不安になりました。
ミツバチ達が出入りする、巣門の扉をそっと開けると、ミツバチ達が、巣箱内の温度を下げる為に、一斉に羽を震わせる「ブウン……、ブウン……」という音が、巣箱の上段の方から聞こえてきました。
私は(まだ、群れは完全にいなくなった訳ではないんだ。もしかしたら、群れの半分が旅立つ『分蜂』が起きて、ミツバチの数が減ったのかもしれない)と思いました。
しかし、それから数日、朝にミツバチの様子を見に行くと、これまでは、働き蜂が頻繁に出入りをしていたけれど、
ミツバチが出入りする『巣門』に、ミツバチの姿がほとんど見えず、音沙汰がありません。
また、巣箱内をカメラで撮影した時、ミツバチが作った白い巣は、蜂蜜が詰まっている風に見えず、水気のない、乾ききっている巣に見えました。
(暑さで群れの勢いが弱り、巣に溜めていた蜂蜜を、大分消費しているのかもしれない)と思い、お父さんに、どのように対策をしたら良いか相談しました。

暑さ対策や、ミツバチ達への元気づけとして、まず、巣箱の蓋部分に、5ミリの隙間を作り、風通しを良くする対策。
そして、砂糖と水を1対1で溶いた砂糖水を、受け皿に入れ、ミツバチに給餌をすることにしました。
須原さんが、巣箱の蓋の四隅に、厚さ5ミリの、小さな木片を取り付けてくださり、早速巣箱に蓋を被せると、四隅の木片で隙間が出来ました。巣箱に籠った熱を、この空間から逃がせたら良いなと思います。

隙間が出来た途端、ミツバチ達が、少し身体を屈めて、巣箱内と外を出入りする様子が見えました。
その姿は、ミツバチが(この隙間は、なんだろう……?)と、試しに出入りしている様子で、翌日の夜には、数十匹のミツバチが、この隙間のあたりを歩き回っていて、(この隙間を、ミツバチ達が気に入ってくれたのかな)と感じて、少し嬉しかったです。
この5ミリの隙間は、二ホンミツバチは、身体を屈めたら出入りできるけれど、天敵であるスズメバチや、アシナガバチには狭く、たとえ隙間があっても、天敵が巣箱内に入ることはできないはずです。
須原さんが、隙間を作りたいことを相談したら、すぐに考えて道具を作ってくださり、有り難く思います。

そして、砂糖水の給餌については、ヨーグルトカップの蓋と、発泡スチロールを使いました。
ミツバチは、羽が濡れてしまうと飛べなくなったり、水に溺れてしまう為、砂糖水の水面に、発泡スチロールの薄い板を浮かべ、ミツバチ達の足場を作りました。
ミツバチの口吻(こうふん)が砂糖水に届くように、発泡スチロールの板は、厚みを5ミリにしたかったのですが、
みつきちゃんが、隙間時間に快く作ってくれて、8月6日の夜、給餌に行ってきました。
翌朝、(砂糖水を飲んでくれているかな……?)と見に行くと、その時は、3匹だけが、足場に乗っている姿が見えました。
(元気がないから、砂糖水では、効果が無かったかな。蜂蜜を与えた方が良いのかな)と思い、心配でしたが、翌日の夜には、砂糖水の容器が空になっていました。
砂糖水に気付いてくれて、必要としてくれたようで、ほっとしました。
それ以降、毎朝、給餌箱は空になっていて、砂糖水を補充すると、ミツバチが集まってくるので、給餌を続けて、少しずつミツバチ達が元気を取り戻し、数が増えてくれたら嬉しいです。

また、ミツバチ達の秋の分蜂に備えて、なのはなファミリーの梅林に、ミツバチの待ち受け箱を3箱増やしました。
梅林は、北側に、風から守ってくれる斜面があり、南方向は視界が開け、東西方向には、日差しを遮ってくれる梅の木が並んでいる、ミツバチには、きっと棲みやすいのではないかな、と思います。

この梅林の、ある一本の梅の木に、10センチ程の大きさの小さな群れが、じっと固まっている様子が見えます。
これは、およそ1か月前に、梅林に棲み付き、活発に活動していた一つの巣箱が、猛暑の為に巣落ちし、群れの大部分が逃げてしまったけれど、梅林の木に留まったミツバチ達なのです。
私は、(巣落ちして、多くの群れは逃げてしまったから、きっと、女王蜂はいないのだろう)と思っていました。
しかし、お父さんに相談したら、「女王蜂はまだ、いるのではないかな。捕獲しようよ」と、言ってくださり、小さな群れではありますが、初めての、群れの捕獲を試みました。
8月4日の夜に、みつきちゃんと、虫取り網を持って梅林に行きました。
虫取り網で群れを包み、スクレーパーで少しずつ、網の中にミツバチを落とし、それを巣箱の中に移したのでした。
このミツバチ達は、とてもおとなしくて、私が少しつついたり、触っても、攻撃したり、刺そうとするミツバチは、いませんでした。
翌朝までは、巣箱の中で、隅の方にじっと固まっていました。
(君たちが、元々棲んでいた巣箱だよ。思い出してくれたかな、気に入ってくれたかな)と、期待する気持ち、それでもミツバチ達に強い刺激を与えてしまったことへの心配がありました。
同じ日の夜、様子を見に行くと、ミツバチ達の姿が巣箱にありませんでした。
(ああ、逃げてしまったんだ。やっぱり、刺激が強かったかな)と、梅の木の方に光を当てて見ると、同じ、小さなミツバチの群れが、同じ梅の木の枝に、固まっているではありませんか。
死んでしまったり、遠くに逃げてしまったのではなく、すぐ傍の、梅の木に戻ったことにホッとしました。
私が、巣落ちした巣箱を掃除し、片づけてしまった為に、巣箱の中に棲めなくなって、梅の木に止っているミツバチ達を見ると、(ごめんね)と謝りたい気持ちが湧いてくるのですが、少しでも元気になったり、数が増えたら嬉しいなと思います。

ブルーベリー畑のミツバチも、この暑さを耐えて、一日、一日を生き延びることは、とても大変なのだろうなと思います。
人が手を加えすぎても、ミツバチ達に刺激が強くて逃げてしまうかもしれないから、砂糖水を与えたり、巣箱の中の巣屑を掃除したりと、小さくとも出来ることを積み重ねながら、ミツバチ達が、この夏や、スズメバチが襲ってくる秋、厳しい寒さの冬を、乗り越えていけたらなと思います。
そして、二ホンミツバチ達の数が増え、この地域の作物の受粉を助けてくれる、ミツバチも棲みやすい未来が、いつか実現したら嬉しいなと思います。
(さとえ)
