第427回「葉酸とビタミンB12が不足しているのは」

(お仕事組の人からの質問です。)
先日、血液検査を受けたところ、葉酸とビタミンB12が不足していて、免疫力が低いと言われました。
今すぐに支障が出ることはないのですが、どうして私は葉酸とビタミンB12が不足しやすいのでしょうか。
【お父さんの答え】

なるほどね。今の人は、ビタミンB群が不足しがちだと言われることが多いようですね。その理由は、1つには野菜類とか色々な食べ物の栄養価が、時代が進むと共に従来の栄養価より相当下がってきているということにあると思います。
文部科学省がそれぞれの食べ物の栄養価を一覧表にして数年おきに発表している「日本食品標準成分表」というものがあります。どうして定期的に発表しているかというと、同じ食品でも、栄養価が変わってくるからです。
どの野菜でもそうなのですが、例えば、ほうれん草から鉄分が摂れるとよく聞きますが、約50年前のほうれん草に含まれていた鉄分と比べて、今のほうれん草の鉄分は8割がた減っていると言われています。(昭和26年頃、100gあたり13-14mgあったものが、平成以降は2-3mgに減少している)。
もう驚くくらい、栄養価が減っています。そういう中で、食品に含まれるビタミン類も減っているんですよね。
これは、僕が考える理由ですが、今、日本では農業が衰退してきています。小さな農家が戸別に出荷する比率は減ってきて、大規模なスーパーのチェーン店が大規模な農業法人と契約して流通する割合が多くなりました。
大規模な農業法人は、もっぱらハウスを使って栽培しているのですが、そうすると、トマト農家とか、ニンジン農家というふうに同じ農家が、同じ畑、同じハウスで大量に同じ野菜を作って、契約しているスーパーのチェーン店にまとめて販売する、ということを毎年、繰り返しているわけです。そうなると、いくら化学肥料を畑に入れても、バランスを欠いてくるんですよね。同じ野菜が、同じ成分を土壌から吸収し続けるからです。
おそらく、そういう理由で、すべての野菜で栄養価が昔よりも少なくなっています。特に、ビタミン類が減っているので食品から摂りにくくなっています。
これは、アメリカでも同じことで、本当にびっくりするような話ですが、アメリカでは、小麦粉を販売するときに、小麦粉の中にビタミンB群を添加しなければ、売ってはいけないという法律があります。
それは、アメリカとして国民全体がビタミンB不足になってしまうと困るので、国民が常に食べている小麦粉にビタミンを入れたら、みんながビタミンを摂れるだろうと考えて、小麦粉にビタミンを入れることが義務づけられています。そのくらい先進国では、どこも特にビタミン類が不足しがちなんじゃないかなと思います。
そして、この質問にある葉酸とは、ビタミンB9のことですが、今、日本では、妊娠した女性が産婦人科に行くと、必ずといっていいほど「葉酸とビタミンB12を摂るといいでしょう」と言われて、その錠剤を処方されます。
なぜかというと、胎児がお腹の中で育つときに、一番大事なのは脳ですが、脳が発達する時に欠かせないのが葉酸とビタミンB12だ、と言われているからです。脳細胞と神経繊維を作るときに必須な栄養素なのです。
ですから、この質問者が、葉酸とビタミンB12が足りないと医師に言われたというのは、かなり過剰に頭を使っているためではないか、と思います。
今、仕事が重なっているということもあって、今までになく、朝から晩まで頭を使っている。そのせいで、脳がかなり消耗して葉酸とビタミンB12の消費量が多いということはあると思います。また、ストレスがある時も、普通以上に消費します。
摂食症の女性は精神的な苦しさを伴う症状に苦しめられることになりますが、その時には頭の中がフル回転しているので、普通の人以上に脳が消費する栄養素を必要とします。
なのはなファミリーでは、栄養のバランスの取れた食事をしていますが、もし葉酸とビタミンB12が不足するのであれば、サプリメントとかビタミン剤で補うようにしなければなりません。ビタミン剤は、もし多めに服用したとしても副作用はないですし、日常的にビタミン剤を摂っても、余分なビタミンBは自然に排泄されるので、頭を使う仕事の人や、ストレスが多く頭が走っているなと思う人も、このビタミンは多めに摂ったほうがいいでしょう。
それから、ビタミンB12に関しては、とても印象的な記憶があります。
これは余談ですが、黒岩重吾の『どぼらや人生』という半生記があります。その中に、とても印象的な記述があるんですよ。
その黒岩重吾が何か原因不明の病気になってしまって、起き上がりにくくなった。もう疲れてどうしようもなくて、だんだん身体の動きが悪くなっていって、身体が動かなくなった。このままでいったら寝たきりになって、そして死んでしまうんじゃないか。
それで色々な病院へ行って検査をしたけれども、何が原因なのか分からない。どんな病気なのかもわからない。だから治療もできない、と言われてしまう。しかし、身体は日に日に弱っていく一方だ。
で、もう病院周りも最後になって、とうとう近所の病院に行って、どこの病院で診てもらってもわからないが、もう何をしてもいいからなんとか治して欲しい、このままだったら死んでしまう、と訴えた。
すると、その医師が、1本の脊髄注射をしてくれた。
その注射を受けた後、どんどん元気になって、身体が動くようになり、病気が治ってしまった。
それで、その先生のところに行って、もう元気になりました。治りました。先生、私に何を注射したんですかと聞いた。
そうしたら、その先生が、俺も何をやっていいかわからない。原因も分からないんだから手の打ちようがない。でも、なんかしてくれって言われたから、お前の脊髄にビタミンB12の注射したんだよ。何の根拠もなかったが、ビタミンB12なら毒にもならないだろうと思って、打ってみた。ただそれだけ。なんとなくやっただけだよ、と言った。
それを読んで、僕はビタミンB12をすごく印象的に受け止めたんです。
そういうわけで、僕の中では葉酸とビタミンB12は、脳や神経にとって特別に大事な栄養素なんじゃないかなという思いが強いです。
ですから、不足していると言われたら、この質問者も、サプリでも何でもいいので、ビタミンB12、そして葉酸を摂ってみてはどうでしょう。きっと頭の回りも良くなり、ストレスにも強くなりますよ。
