5月21日のなのはな

朝、外の明るい陽射しで目が覚めました。
早朝の静かな気配を感じながら、準備をして前日にあらかじめ決めておいた車割の車に乗り込んだらすぐに桃畑に向かって着いた人から摘果スタート。
私たちの目標は硬核期を迎える5月20日までに桃の木の摘果の3巡目までを終わらせること。
そのためにさくらちゃん中心にベテランの桃メンバーさんが日程を考えてくれて毎日夜には次の日の目標を確認しました。
私は桃の摘蕾にも入らせてもらいましたが、蕾だった桃がきれいな花を咲かせ、いつの間には実に状態になっていて、桃の成長と共に時間の流れの早さを感じました。

摘蕾をしたもののたくさんの実をつけていて、迎えた1巡目。
1巡目は、指3本分の間隔で実を残して、他にも虫食いや変形、これ以上大きくなる可能性のない小さな実、上を向いている実や枝の際にあって成長できない実などを落としていくということと同時に葉からたくさんの養分を吸収して甘くておいしい実が付くので葉が付いていなかったり、枯れてしまっている枝を剪定で根元から切ってほしいということでした。
私はまだ桃に対して何の知識も技術もなくて初めは、「私がしても大丈夫かな?」と不安しかありませんでしたが、初めは教えてもらえた通りゆっくりのスピードでどの実を落とすか悩みながらも進めていきました。

一番初めは初めから脚立を使ってスタートしていったのですが、途中からお父さんに教えてもらって低いところはコンテナを使ってやっていくことになりました。
そうすると脚立が立てにくい木の低い中心部分をやりやすくなっただけでなく、移動がとてもスムーズで脚立のように木に当たって実を落としたり、傷つけてしまう心配もないのでとても効率よく進んでいきました。
コンテナで低いところを一通り回った後にそれから脚立を使ってコンテナで届かなかった高いところを見ていく方式でそのあとも進めていきました。

初めはこれで大丈夫かなと不安になりながらやっていましたが、回数を重ねるにつれて少しずつ慣れてスピードも意識しながらできるようになっていきました。
1巡目の時に一度雨が降る中みんなでカッパを着てコンテナでの摘果をやった時もあって、カッパを着ての作業も何だか楽しくてそのあとに入ったお風呂がいつも以上に体に染みわたって気持ちがよかったなと思います。

1巡目は大人数作業で入っていたり桃メンバー以外のみんなも一緒に日中の時間を使って進めていくことが多かったのですが、2巡目以降はだんだん人数が絞られてきて、さらに1巡目の基準に加えこぶし1個分の間隔を残して落としていくという基準に変わりました。
この時期くらいから、メンバーもベテランメンバーで進めていくなか自分もそこに入れてもらえていたことがうれしかったと共にだんだん今年の桃メンバーに入っているのかなと期待の気持ちが生まれてきました。
でも基準が難しくなるにつれて緊張感も高まってきて、一度落としてしまった実を「やっぱりこっちの方がよかった」と付け直すことはできないので一つずつ慎重に、かつスピードも意識してやっていくのがとても難しかったです。

そして2巡目の脚立から今のままではこうかく期までに終わらせることが難しいということで日中の時間に加え、朝もみんなより早く作業を始めお昼はお弁当持ちで夕方もみんなと夕食をずらして長く作業をすることになりました。
いざその日になると時間よりも早く目が覚めて外に出ると朝の少し冷たい空気がとても気持ちがよかったです。

お昼も初めてみんなとは別でのお弁当持ち作業だったのですが、桃の木の木陰でコンテナを広げて台所さんが用意してくださった豪華なお弁当を食べれてとてもうれしかったです。
さらに休日はいつも桃メンバーに加えてお仕事組みさんのベテラン桃メンバーも加わって大人数で進めていけて、やっぱり一人でもいてくれると進みが全然違うなと思いました。

そしていよいよラスト三巡目の最終摘果。基準はさらに難しくなり、3巡目に入る前にさくらちゃんから摘果の動画を見せてもらいました。
枝の長さや本数によって何粒残すかやいい実の見分け方など、とても分かりやすい動画でした。
初め見た時は「こんなに落としてしまうんだな」と思うくらい最終的にはすごく数少なくなってしまって少し驚いたし、いい実を残すのも落としてしまうのも全て自分の手にかかっていると思うと一つぶの価値の大きさにとても緊張しました。
でもうれしい気持ちもあったし、こんなに重大な作業を担っているのだから集中して頑張ろうと逆に自分を奮い立たせることが出来ました。

みんなも最終摘果というだけあって見落としがないように入念に見て最後は必ずベテランの桃メンバーが最終確認をしました。
3巡目を全て終える目標までの間に水やりや防除も入って少し日数的にもギリギリということで、暑さもだんだんと増してくるなかで集中力が切れそうなときは頭から水をかぶって冷やしたり、水分をとにかくたくさん取って朝から夜までひたすら桃の実に向かいました。
桃畑で過ごして摘果をしていると一日が終わった時には一気に脱力してしまいました。
畑作業と違って摘果自体はほとんど立っていて激しく体を動かすということはないのですがとても集中力を使っているのを感じておいしい桃を育てるのにこんなにも大変な道のりがあるということをなのはなに来なければ知ることもなかっただろうなと思って、改めて一緒に桃作業をさせてもらえていることがありがたいなと思いました。

それでも作業が終わって古吉野に帰るとみんなが「おかえり」「お疲れ様」と声をかけてくれておいしい夕食を準備してくれていてみんなの支えがあってこそ出来ているなと感じたし、途中からは、お母さんとさやねちゃんが古畑と奥桃畑も摘果を進めてくれて畑は違うけれど同じ目標を持って一緒にやってくれていることがとてもうれしかったです。
しかし、最後の方になると、私たちも連日長い時間日中は暑い中作業をしてせいか、どうしても疲れが出始めてみんなの雰囲気が重たくなってしまっていました。
そんなときにさくらちゃんが「今のままでは、おいしい桃が作れない」と強く思いを伝えてくれました。
本当にその通りだなと感じて、たとえ直接的には桃に影響はとしても私たち作る人側が明るく、元気でないときっといい桃は出来ない。実際どんなに疲れていたとしても疲れを出さないのが普通なんだと、自分はその言葉を聞いて胸が締め付けられました。
桃だけでなく他の作物だって同じことで作る人の状態が育ちに影響してくると何度も教えてもらいました。

そしてそれ以降みんなで改めて気持ちを入れ直して最後のラストスパートに向かいました。
毎日日没までが私たちのタイムリミットでした。
立てた目標通りに進まない時があったとしても他の畑、明日以降の進みで調節していきました。
そして硬核期の5月20日に迫っていき、最終日の19日。いつものように朝早くから当番も抜けさせてもらってフルで摘果に向かいました。
大きな畑が終わってしまえばこっちのものという感じで、小さめの畑はどんどん進んでいきました。

最後はお仕事組みさんも何人かお仕事終わりに駆けつけてくれて、畑を二つに手分けしながら進めて最終的に古吉野前の小畑で合流しようということになりました。
だんだんと薄暗くなっていき日没が迫る中、私が入っていた畑の方も終わって小畑に行くと一足先にもう一つのチームが付いて進めてくれていました。
でも、古畑は手を加える必要がないくらいお母さんとさやねちゃんがきれいに最終摘果まで進めていてくれて、最後にもう一度みんなの力の大きさを感じました。
そして日没まで残り15分くらい時間を残して無事摘果を終わらせることが出来ました。

私は、言葉にできないくらいの喜びと達成感を感じました。
この摘果をしていた時間同じ気持ちで同じ目標に向かって進んでいったみんなの笑顔を見ると本当に幸せだなと思いました。
途中しんどいなと思った時もあったけれどみんなに支えてもらいながら桃メンバーとして一緒に桃の一大作業を無事やり遂げることが出来て本当にうれしかったです。
まだまだ桃が収穫できるようになるまでいろんな作業が残っていると思いますが、自分に任されたことは責任感持ってしっかり最後までやり遂げたいです。
(ここの)
