4月24日のなのはな

より効率よく作業できる桃畑を目指して!
雨の1日を活用して、夏にムシから身を守るために、桃の木にかけるネットにファスナーを付けました。
昨年から、なのはなでは全ての木にネットをかけています。
綺麗な桃の実を守れるという大きなメリットがある反面、ネットを行き来する手間がかかって少し作業がしづらくなってしまう一面がありました。
そんな中、今年は地域の方に教えていただき、畑一面を一枚のネットで覆うという試みをすることになりました。
これなら、水やりや防除、その他の手入れでもいちいちネットを開け閉めせず、畑の空間も広く使うことができて作業がしやすくなります。
そのうえ、ネットに当たり枝が伸びるのを阻害されてしまう木が減るので、桃の木のストレスも軽減されます。
ですが現実的に、今のネットの大きさでも、多人数でなんとかネットをかけたり回収したりができている状態。
それなのに、畑一面を覆うような大きなネットを、どうやって畑に運んでかけるのか。
一枚のネットにするというお話を聞いたとき、それは可能なのかと疑問に思ってしまいました。
でも、そのお話の続きを聞いてびっくり。
ネットとネットにファスナーをつけて、それでつないでしまえばいいとのこと。
そんな方法があるのか。まさに目から鱗が落ちるようでした。
ファスナーをつけてしまえば、従来のネットを一枚ずつ畑に運んで気にかけて、その場でチャックをつなぐことができるので、ネット掛けも今まで通り行えます。
これなら今年の桃の作業性が上がること間違いなし。
早速お父さんがファスナーを購入してくださり、ネットに縫い付ける作業をしました。
ムシが来てしまう前に、早めにネットをかけてしまいたいのもあり、今年すべての畑を一枚にすることはしないのですが、可能な限りネットをつないでいきます。

9mのファスナーが27本。全部で243mあります。
まずはこのファスナーで、どの畑のどのネットをつなぐか、昨年ピーチ姫として夏を過ごし、それ以前の桃作業にも精通しているさくらちゃん、ふみちゃん、りなちゃんと作戦会議をしました。
あらかじめおおよその目安をさくらちゃんが考えていてくれていたため、どこに何メートル必要で、ネットがどれくらい浮くかなどがすぐにわかり、スムーズに決めることができました。
夕の子桃畑の上下段をそれぞれ一枚に。
新桃畑と池上桃畑は畑一面を一枚に。
17aは加納岩白桃の成木ゾーンを一枚に。
計画を立てたらいよいよ縫い付けていきます。
今日はとりあえず、夕の子畑の上段のネットから作成していくことに。

大きなネットとファスナーを縫い付けていくのに使うのは工業用ミシン。
私は今回初めて見たのですが、大きくて、沢山糸をつけるところもあって、見慣れたものとは少し違うミシンに見とれてしまいました。
これを扱えるのはなのはなでもごく少数。
その中の一人であるさくらちゃんが今回縫い付けてくれました。
ミシンの前に座り準備を整えているさくらちゃんが格好良かったです。
さくらちゃん曰く、工業用ミシンの利点は速さと作業のやりやすさとのこと。
大きな布でも素早く縫えるのに加え、下糸を自動で撒くことができたり、足で速さ調整をしたり針を下ろしたりできて手が空くので布の調整がやりやすいということを教えてくれました。
とはいえ、工業用ミシンがやりやすいと感じられるほど使いこなせるのはさくらちゃんこそだなと思い、改めてさくらちゃんのすごさを実感します。

ファスナーは段ボール一杯に入っていて、こんなにたくさんのファスナーを始めてみました。
付属のスライダーは、かなりの量が入っていて、長いファスナーを切って使用する人が多いからなのだろうなと思います。
ですが私たちは切らずに、むしろつなげて一度に何個も使用すると思うと、本当に大掛かりの縫物ですごくわくわくした気持ちになりました。
最初はファスナーをどう付けて使用するのかわからなくて、みんなで試行錯誤しながら話し合ったり調べたりしていました。
しかし、そんなに難しく考えなくても、手で簡単に割いて、そのあとスライダーを取り付ければよいと気が付いて、あっけにとられて思わず四人で笑ってしまいました。
なが~いファスナーを2人で引っ張り合って割くという滅多にない経験が面白かったです。

ネットとファスナーの縫い方は、お父さんと須原さんが考えてくださり、ネットの裾を二回折して、その上にファスナーを重ねて縫っていくことになりました。
ミシンを使い縫う人、縫う人の前でネットを二回折する人、ネットとファスナーを添わせてミシンの人に受け渡す人、縫われた部分を引っ張る人に役割分担をして進めていきます。
スイッチを入れてペダルを踏むと、みるみるうちに縫い付けられていきます。
真剣な表情でミシンに向き合うさくらちゃんがすごく綺麗でした。
まっすぐにきれいな縫い目が付いていくのが気持ちよかったです。
9mのファスナーを3つと三分の一をつかい、あっという間に一枚のネットを縫い終わりました。
続いてそれにつながるもう一枚も。
体育館の床半面に広げた大きなネットがどんどんミシンにかけられている景色は圧巻でした。
早速、きちんと使用できるかどうかを、いざ実践。
さくらちゃんとふみちゃん、りなちゃんと私で分かれて、両側からお互いに向かってスライダーを滑らせていきます。
ドキドキしながら動かし続けていくと、無事行きつくことができました。
ですがここで一つ問題発生。
いくつかのファスナーを、布の部分で縫い付けていたのですが、エレメント部分の途切れるところがずれてしまい、スムーズにスライダーが滑らないどころか、途中で外れてしまったのです。
一度外れてしまうと、ただでさえ直すのが大変なのに、実際に使用するのは木の上なので脚立に登っての作業になります。
これはどうしたものか。かなり利便性がわるくなってしまう。
何度か重点的にミシンでその部分を縫い重ねても改善できそうにない。
みんなで頭を悩ませつつ試行錯誤していると、「コイル部分を手縫いで繋げられないだろうか」という話になり、実験してみることに。

やってみると、布の部分を縫っただけでは擦れたりねじれたりしてしまっていたところが、コイル同士を縫うと安定させることができました。
スライダーが引っかかるのではないかという懸念もよそにスムーズに動きます。
問題が解決して一安心。
ですが、全体を縫い付けてから、途切れている部分を縫っていくのは少しやりづらい。
そこで、必要分のファスナー同士を全て先に縫い付けてしまうことになりました。
午後からはひたすらファスナーの手縫いです。
りなちゃん、ふみちゃんに変わり、山小屋キャンプの基地づくりのメンバーが手を貸してくれました。
「桃の基地作り中だね」と言ってくれたのがすごく嬉しくて、桃にとっても、作業する私たちに とっても居心地の良い基地となるネットを作りたいとさらに気合が高ました。
服などに使用されるよりも気持ち程度大きいかなと感じるサイズのファスナー。
そのコイル部分の手縫いとなると細かい作業になります。
それに加えて、きちんと安定してスライダーが動くように縫うのが意外と難しい。
せっかく縫っても、離れてねじれたりしてしまいます。
上手にできず苦戦して、時間ばかりかけてなかなか仕上げることができなかったので、これはまずいと思い、さくらちゃんに一度説明をしてもらいながらお手本を見せてもらいました。


最初に片方に方結びをして、真ん中あたりから布を貫通させて何度か縫う。
そのあと、布はまきこまずにコイルの輪の外側一つずつを2,3回。
さらに、コイルの数を2つずつに増やして2,3回。
それができると、コイルの輪の内側一つずつを2,3回。
そして今度も、コイルの数を増やして2,3回縫います。
そして最後に、ほつれないよう糸で方結びをを二回して玉止めをして完成。
さくらちゃんが見せてくれたお手本はすごく綺麗で、頑丈に固定されていました。
丁寧な手元に見とれてばかりはいられません。
教えてもらったことを自分のものにするべく、再チャレンジ。
すると、不器用な私でもずれることなく綺麗に固定させることができました。
「できた!」心の底から喜びが沸き上がってきます。
どんなに小さなことでも、難しかったことができるようになるとやっぱり嬉しくて、やりがいや達成感を味わうことができます。
きちんと固定できる縫い方を確立したり、わたしにもできるように分かりやすく教えたりしてくれるさくらちゃんのすごさに改めて尊敬しました。

私と同じく苦戦していたかのんちゃんも、できるようになって最後には「裁縫楽しい!」と言ってくれていて、同じ気持ちでいることを感じられて嬉しかったです。
縫っている途中には、須原さんが大きくて明るいライトを持ってきてくださり、やりやすくなってさらにスピードアップ。
何か言うわけでもなく、さりげなく手助けしてくださる須原さんの心遣いがあたたかくて有難かったです。
そうしてみんなで黙々と縫い進め、なんとか時間内にすべてのファスナーを縫い終わることができました。
集中して縫っていると午後の時間があっという間でした。
みんなで研ぎ澄まされた空気の中、できるようになる楽しさを味わいながら作業出来た、充実した時間でした。

これで明日以降、ネットに取り付けて畑で使用することができます。
桃の木にかけて、桃畑がどんな姿になるのか、作業がどれほどやりやすくなるのか。
考えただけでわくわくが止まりません。
毎年、様々な分野で新しく進化し続けるなのはなファミリーが本当にすごいなと感じるし、その中にいられることが有難くて、自分も良い結果につながるよう精一杯できることを尽くしたいなと思います。
ムシから守りつつも、効率よく作業を進め、今年も笑顔を広げられるおいしい桃を沢山の方に届けられたら良いなと思います。
(ゆうは)
