「倉太郎物語」 うたな

12月13日

・倉太郎物語
 倉太郎の経歴が完成しました。お父さんが、鬼に渡す紙について指摘してくださったことがきっかけではありますが、これまでしっかり倉太郎という人物と向き合っていなかった、と思いました。すごくいい時間をいただけました。
 私はずっと引っかかっていたことがありました。それは、
「どうしてあんなにちゃらんぽらんな倉太郎が、閻魔様の言葉を少し聞いただけで、自分の地獄行きを受け止めて素直に言うことを聞くのか」
 ということです。その答えを探すことも一つの目標に、経歴を考えました。お父さんが考えていらっしゃった倉太郎の像とは違うかもしれないけど、まとめると、私の中の倉太郎は下に書いたようなものです。

 倉太郎は、周りの人をあまり大事にしませんでした。理解し理解される関係、というものを築いてきませんでした。だから愛情が何か分かっていないし、浅いところでしか生きていませんでした。
 ただ、いいところもあります。それは、好きなことはとことん突き詰める、やると決めたことは最後までやりたいという芯をもっているところです。プランター栽培や魚釣り、キノコ採りなど、好きなことを、他の事をおざなりにしてでもやってしまう気概がある。それが裏目に出ることが多いけれど。ここは、私自身に欠けている部分でもあります。
 だから、倉太郎は、閻魔大王の言葉を聞いたとき、最初は不満に思ったけど、「悪いことは何もしていない」はずの自分の人生を振り返った。自分の欲を優先して、周りの人を大事にできていなかったことに、気が付いた。推定無罪で生きてきて、心の中に残るものがない、むなしい人生だったかもしれない。

 芯がある倉太郎は、地獄行きになった自分の運命を覚悟して、決まってしまったならやってやろう、と決意したのではないか。もうごまかす人生を繰り返さない。地獄で魂を磨いて、不真面目な自分を変える、と。
 こう考えたうえでの「はい、わかりました」だと思いました。私の中で、腑に落ちないことを自分なりに解釈しました。

 倉太郎物語を、お客さんに理解してもらいたい。演じる中で、倉太郎のことが大好きな気持ちがどんどん高まります。しっかり地獄で鍛えて、卒業して、スポーツ選手になる。どんなに大きな転換点だっただろう。
 もっと書きたかったですが消灯になってしまいました。しっかり伝わる演技にできるよう、最後まで頑張ります。