10月25日(土)「ウィンターコンサート脚本の第1稿が完成! 物語の世界へ――」

10月25日のなのはな

 お昼にあゆちゃんから聞いた言葉。「午後、脚本の読み合わせがあります!」
 予定では、ボヘミアンラプソディーの練習や合わせとなっていて、脚本の読み合わせは明日、となっていたので、あゆちゃんの言葉に目を見開き、思わず「え!?」と大きな声が出てしまったほど驚きました。
 お父さん、お母さんが脚本書きに入ってから、みんなと「お父さん、どうしているかな」「脚本どうなっているかな、凄く楽しみだね!」と待ち遠しく思っていたので、脚本が完成されたこと、みんなで読み合わせができることがとても嬉しく、胸が弾みました。
 ウィンターコンサートでは、一体どんな物語が繰り広げられているのだろう、どんな人物が出てきて、お父さんが世の中に、そして私たちが回復するにあたって受け取ってほしいエピソードは何だろうとわくわくが止まりませんでした。

 

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 午後になり、コーラス練習で原曲を聞きこんでいる時、なおちゃんからの放送がありました。読み合わせに協力してくれる人は図書室で集まってくださいという放送でした。私も呼んでもらい、図書室へと行きました。
 読み合わせが始まるまでに、脚本を読み、流れやメッセージなどを理解しておくこと、お父さん、お母さんが脚本の全体像を分かる読み合わせにできるように、と読み込みの時間をもらいました。

 もらった脚本は全41ページ。お父さんが書いてくれた脚本に、壮大な物語がぎゅっと詰めこまれているんだと思うと、その脚本がとても大切で愛しく感じました。 
 脚本の最初のページには、登場人物がずらっと書かれていました。ぱっと見た時に、入ってきた文字は「リトル・トリ―」。前に集合でお父さんが話してくださった、お父さんが大きな発見をした本のタイトルでした。お父さんの大発見が、脚本に入っていて、リトル・トリーも登場してくるんだ! と知り、(登場してくる場面を早く読みたい!)と思いました。

 

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 今回の読み合わせで、私が担当させてもらうことになった役は3人の女の子の中の1人でした。「ゆめの」「ちの」「じゅり」の台詞をそれぞれ演じる、ゆうなちゃん、そなちゃんと脚本を開き、3人でドキドキしながら脚本の読み込みを始めていきました。
 出会いがあり、知らなかった異世界に気づき、その世界に入っていく。そして、また違う異次元の世界を旅し、リトル・トリーや他の人とも会い、色々な世界を見て、気づきを得る。
 異世界に行ったり、妖怪などと会うシーンはハラハラドキドキしました。中には、去年の昆虫会議のように、主人公たちが縛られるシーンもあって、「また縛られてる!」と笑い合ったりしました。日々の生活で、お互いを知り、いろんなことを一緒に経験し、共有した2人とだから、笑いあったり、あ! と発見があったりして、3人で読み込みをできた時間がとても暖かかったです。

 脚本の中に、集合でお父さんが話してくださっていたこと、最近お父さんに教えていただいて、自分の心の中に深く、とても大切に響いたことがいくつも詰め込まれてありました。その話が出てくる度、これは最近心に凄く残っていたことだ! あ! これもだ! となって、お父さんから私たちみんなへのメッセージが詰まっているのを感じました。
 リトル・トリ―の話に出てきた、「kin」。訳すると、「愛」「理解」という言葉で、愛、と理解は同じ単語だということはもちろん、お父さんのお話であったノーベル賞を取った方の話、「幸せ」という言葉は過去に向かって使う言葉で、未来に追い求めることはできないことのお話が入っていたことがとても嬉しかったです。 
 自分が日々の生活で、ハッとなったことがたくさんエピソードとしてあり、本来の人生の在り方、生き方を改めて示してもらっているような感覚がしました。
 ラストの展開を読んだとき、今の自分たちの生活が未来に繋がっていることや、理解し理解される環境が今現在、自分の周りにあって仲間がいることを感じ、胸がいっぱいになり涙が出ました。
 3人で、脚本の世界に入り込んで読んだ時間は、私たち自身も本当に旅をしたような気持ちになりました。

 

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 長くなりましたが、最後まで読み終えて、いざ脚本の読み合わせ! 体育館に全員が集まり、それぞれのセリフを声に出して読んでいきます。
 3人で無言で読んでいた時とはまた違って、登場人物と掛け合いをしていると、その場面が本当に展開されていくのを感じました。あゆちゃんがト書きを読んでくれていた時には、登場人物が出てくる姿が見えたり、物語の光景が浮かんできたりしました。今までダンスやコーラス練習は始まっていたけれど、改めて、(あぁ、ここからコンサートが始まっていくんだな)と思いました。

 「ちの」のセリフを読んでいる時に、自分の気持ちとリンクした気持ちがたくさんありました。犯罪や傾いていく政治や経済、このままでは絶望しか見えなくなる、と思っていても、自分ではどうすることもできない、というもどかしさ。その自分の無力さ、自分がいても何も変わらないという現実に打ちのめされて、失望して、死にたいと思っていた、なのはなに来る前の自分。世間の犯罪などに対する憤り、ふがいなさ。
 なのはなに来て感じるようになった大きな幸せや、穏やかな環境、教えてもらったことを「ちの」を通して、振り返ったり、実感したりしました。お父さんに教えてもらった気づきも、言葉にして、セリフにして、口に出すと、心の深いところにじんわりと染み込んでいきました。

 

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 読み合わせが終わると、もう2時間弱も経っていて驚きました。2時間だと思わないくらい、世界観に入り込んでいた時間だったなと思います。

 最後に、お父さんが、脚本を書いていた時のお話をしてくれました。
 妖怪がテーマになって生みの苦しみを味わったこと、お父さんが脚本を書いている傍では、お母さんがご飯を作ったり、修正箇所を見つけて、脚本を作り上げたことを話してくださいました。

 お父さんが何日もかけて、何日も悩みながら、お母さんと試行錯誤して、私たちにくれたプレゼントが本当にありがたくて嬉しかったです。
 これから、脚本が深堀りされていったり、みんなで脚本について考えたり、曲が組み込まれていったり、とコンサートを作っていけることが凄く幸せだなと思います。
 良いコンサートになるように、お父さんから受け取ったメッセージを伝えられるように、そして自分たちが症状から離れてより良い人生を送れるように、仲間と一緒に濃い時間を大切に丁寧に過ごしていきたいです。

(あや)

 

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 音楽合宿第8弾。コンサートまで2か月を切って、もう折り返し地点に来ています。今日の午前は、ロックバンド『Queen』の『The Show Must Go On』という曲の練習をしました。この曲は、コンサートラストの曲で、演奏者をのぞいた多人数でコーラスをし、ダンスを踊ります。

 

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 ダンスでは、いくつかの少人数チームに分かれていて、色んな人が入れ替わり立ち代わり主役になって、舞台の色を変えます。
 盛り上がりのサビでは、舞台袖から全員が走ってきて、同じ振りを踊ります。ラストは、中心で踊る7人のメンバーを守るように全員で二重の円を作って、腰低くステップを踏みます。
 このステップは、フォーメーション移動の時に、至る所で登場します。両手を真横に広げて、手の平は思いっきりパーに開いて、腰を出来る限り低く構えて、横移動します。かなり足がきつくて、前にのめり込みそうになったり、気を抜くと腰が上がってしまいそうになります。でも、全員で形を揃えて、曲の背後で鳴るバスドラムの打ち付けるリズムぴったりに、足を踏み込む練習をしました。

 

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 あけみちゃんや、さやねちゃんがダンスを前から見てくれて、正しい形を実際に踊って確認させてくれました。あけみちゃんやさやねちゃんの踊る姿は、息を飲むぐらい綺麗で、かっこいいなと思います。
 でも、それを再現するにはもの凄く体幹と、粘りと、しなやかさが要りました。決めポーズと決めポーズの間の、切り替えの部分が、自分はどうしても意識が抜けて、雑になってしまうけれど、そんな細かなディティールこそ、大切にすべきであることや、ダンスにも緩急があることを教えてもらい、ただ動くための体操ではなくて、表現する手段として、ダンスを踊りたいと思いました。

 あけみちゃんが、「大げさなぐらい大きく、行き過ぎなぐらい体を目いっぱい使って初めて、これぐらいが普通なんだなと気づいた」と教えてくれました。動きのスピードも、力の込め方も段階があって、自分が限界だと思っている範囲を、毎回壊していくこと、限界を超えていくことで、見える視界が変わってくるのだと気づきました。

 

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 コーラス練習では、音楽室にぎゅうぎゅうに集まって、バンドの生演奏の中であゆちゃんが見てくれました。最初に、和訳した歌詞をあゆちゃんが読んでくれました。
「心の内側が壊れそうな時も メイクが崩れそうな時も 僕は笑顔を、そして持って生まれてきた『役』をやり通す」
 歌詞の一つひとつの言葉が、胸に突き刺さってきました。
 あゆちゃんから、この曲は、クイーンのギターを担当していたブライアン・メイが、ボーカルのフレディ・マーキュリーに贈った歌だと教えてもらいました。
 そのときすでに体調が悪化し、死期をさとっていたであろうフレディ・マーキュリーがどんな気持ちでこの曲を歌ったのか、考えるだけで涙が出てきました。
 そして、自分の生き方を考えさせられました。
『The Show Must Go On』、この言葉は、今を全力で向き合って、走り続けている人しか使えない言葉。中途半端な気持ちでは、この曲は歌ってはいけないと思いました。
 ショーを続けること、狭い視野で言うならば、回復する人であり続けること。一度はどん底を味わった自分達は、それしか選択肢はありません。その意味で、クイーンと同じなんだなと思いました。

 

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 この曲をコンサートのラストで踊って、歌う意味を、噛みしめながら練習に向かいました。
 全員の気持ちが一つに揃った空気が、とても澄んで感じました。
 あゆちゃんが、「ここからがスタートだよ」と話してくれました。そうか、やっとスタートラインに立つことができたんだなと思いました。

(りな)