10月19日のなのはな
なのはなファミリーで、落ち葉集めや、竹取り、たくさんの農作業でスーパーヒーローのように、古吉野に駆けつけてくださる永禮さん。
今回は永禮さんの地元である東一宮の天王公園にて『一宮 鵜の羽フェスティバル』に出演させていただきました。

演目の中で、『なのはなファミリー』は、ダンスと小編成のバンドによるステージを披露しました。
現地に着いた時から永禮さんがパッと明るい笑顔で迎えてくださり、準備の時間から、なのはなファミリーの演奏をしているときにも一宮の方々が向けて下さる笑顔に、暖かく明るい気持ちになり、ありがたい気持ちでいっぱいになりました。

本番に向けて古吉野でのリハーサルをしたときに、お父さんが話してくださったことを胸にしっかりおいて、出番までの時間を過ごしました。
お父さんの教えてくださったことは、
“あらかじめ決めた目線に逃げていては、お客さん側からすると、演奏している側と、お客さんとの間に通じ合えるものがない”と言うことでした。
その言葉を聞いて胸がぐさっと刺さりました。
それは、確かにそうだったかもしれない、と思ったからです。
私は今まで、持たなくてよいお客さんとの距離感をもっていました。
目線を見て、そこに笑顔を向けていたけど、それは本当の笑顔になっていなかったんだ。
目線に逃げていた。という言葉と自分の行動が一致しているようですごくハッとさせられました。

そして、1曲目は『イヤオラナ』
不特定多数の人ではなく、今目の前にいる方々にどうか! この気持ち! 届け! という気持ちで踊ると、それがどんどん曲中で本物になっていき、曲が終わるにつれて、演奏している側とお客さんの間で“会話”ができていく感覚を感じました。
手を前に広げる振りの時にお客さんのほうに視線を送ると、私たちを暖かく肯定してくださる空気を感じました。
こんなにも演奏することが楽しいのか! と驚くくらい、目線の先には優しい世界でいっぱいでした。

2曲目の『アリオイ』でも、テントで着替えをしているところまで、お客さんの大きな拍手や、センターの子の名前を呼ぶ声、暖かい空気が伝わって、聞こえてきました。
テントの中でも、ステージに出ているみんなと同じ気持ちで。
『オ・ヴァイ』は、ここのゆりかちゃんの表情や、振りが好き、という気持ちを、お客さんに見てほしい! という気持ちを送ったり、


『ウラテテ』では、テントの中でも、外でも、皆でコーラスを歌う音色が聞こえてきて、どこにいても、ステージにでていても、いなくても、関係なくて、みんなで、1つのステージを作っている気がして、その中の1人として私もいさせてもらえることがありがたいことだなと思いました。

そしてここからが今日一番のグッドニュースな話。
7曲目の『パテパテ』。
パテパテのダンスでは私は、舞台の上で両サイドでももかちゃんと踊らせてもらうのですが、舞台の下手側で出番を待っている際にちょうど学生の方々がいらっしゃったすぐ隣がスタンバイする場所で、そこに立つと、何人かの人がこちらに顔を向けてくださり、『衣装素敵~』『かわいい~』と声をかけてくださる方がいて、こんな近距離で声をかけてくださることは自分自身あまり経験がないため、すっごくうれしくて、心が躍りました。
最後にパテパテで持つ「イイ」をもって手を振ることができ、その5秒にはすぐ、ステージに向かうくらいの本当に直前だったのですが、そのこともありパテパテを踊ると自然と気持ちが前に前に出てきて、自分自身が気持ちを出しやすく、踊りやすくなっていました。


そして『パテパテ』が終わりラストは、永禮さんの大好きな、私たちの大切な曲。『フラガール』です。

全員で歌詞を歌いながら踊る『フラガール』。
歌詞のワンフレーズ、ワンフレーズに願いを込める気持ちで、言葉1つ1つを、振りの1つ1つに意味を込めて、踊ります。
お客さんのなかにはフラガールを一緒に踊ってくださる方や、最後に、席を移動して一番前で見てくださる方、うんうん、と大きくうなずいて、わたしたちを肯定してくださる方。
お客さんの動作から、私たちの気持ちが確実に伝わっていくのを感じたり、受け止めてくださるお客さんの姿に、胸がいっぱいになりました。




他にも、途中でお母さんに話しかけてくださる男の子もいたそうで……!
あ、パテパテの時にお会いした方だ。お母さんの知り合いなのかな? と思っていたのですが、後々お母さんの話を聞かせてもらうと。
「なのはなファミリーはどんな団体ですか?」
と、すごく興味をもって、
「今は踊っているのはどんなダンスですか?」
と、沢山なのはなについて質問をしてくださったそうで、お母さんがそのことを嬉しそうに話してくれるのを聞いて、私もそれ以上にうれしくなりました。
そのことも聞いたら、今日はなんていい日だ。と思いました。
これでなのはなの演奏は終了なのですが、最後に、山車の周りで、この地域の踊りである『一宮小唄』を会場の皆さんと踊らせていただきました。
私たちの前後には、会場の皆さんがいて、ご一緒に踊らせてもらった時間も、それ見てにこにこしている小さな子供たち、沢山の人に囲まれ、地域の方とも、緒に踊れたことがすごくうれしかったです。

今回のステージは一つの成功体験でしたが、これで満足しておわるのではなく、もっともっとよくという気持ちで、これからはステージで踊るときだけではなく、出はけも曲と曲をつなげる重要な役割だと思い、しっかり次に生かしていきます。
今回の機会がまたウィンターコンサートにつながるよう、今日の気持ちを大切に胸にしまいます。
そして待ちに待っていた役者オーディションもあり、みんなの演じる姿や、お父さんの指導の言葉が勉強になりました!
正直、私は演劇が大好きで、今日で“玉木さん”のセリフを練習するのは、終わりか……と思うと寂しいですが、次、コンサートに向かって、自分の役割を果たせるように頑張ります!
(すにた)
***
名役者続出!!
ウィンターコンサートに向けての役者オーディションがありました。
過去のコンサートの一部を切り取り、それぞれトリオでシーンを選びその役を演じます。
チーム発表後の夜の時間や全体での練習の時間では古吉野なのはなのあちらこちらから様々な声色のセリフが聞こえてきてまるで芸能プロダクションさながら。

全18のチームがそれぞれ思い思いに選び練習を重ねて本番を迎えました。
まずはなおちゃん、みゆちゃん、ゆきなちゃんの「40歳離婚式」からオーディションスタート。
感想を言う場面では、本当に一つ一つ経験したかのように情景を思い浮かべている様子が感じられ、リアリティのある演技に引き込まれました。
初端から涙が誘われる素敵な劇でした。

その後もそれぞれの世界に入り込んだ素敵なトリオが続き、4番目の私たちの番がやってきました。
思いのほか早くに番が回ってきて緊張も高まります。
私はまなかちゃんとここのちゃんとのトリオで「たかおの子供時代」を演じました。
私もここのちゃんも初めてのオーディション。
演技をしたのは幼稚園のお遊戯会くらい。
オーディションで見てもらえるような演技ができるのかすごくドキドキしました。
けれど3人で集まった時間を思い出して気持ちを作っていきます。

まなかちゃんが沢山のコツや見せ方、それぞれの癖を教えてくれました。
まなかちゃんの演技はすごく自然。
それでいて観客を常に意識し、体の角度、間の取り方が考えられていて本当にすごいです。
セリフがない時間も多く、どう動けばいいかわからないときなどたくさん助けてもらったし、セリフを言う時には視線が泳ぎやすいという癖も指摘してもらい、そのことを頭に置きながらステージに向かいました。
あれだけ心臓が高鳴っていたのに、いざ始まると緊張はあまりなく立つことができました。
沢山練習したここのちゃんとの掛け合いのシーンではみんなも笑ってくれて嬉しかったです。
大きなミスもなく無事私たちの番を終えることができました。


けれどオーディションはまだまだ続きます。
お父さんも文句なしのキャラクターを演じるななほちゃん。
会場に笑いの渦を巻き起こすデートをしてくれたかのんちゃん、すにたちゃん、あやちゃんチーム。
小道具からしっかり世界観を作りこみ、はまり役をこなすチーム。
何度助っ人に入っても全て正確に、馴染む演技をするなおちゃん。
続々と名役者、名演技が生み出されていきます。
同じシーンでもチームによって作りこまれた役があって、どのチームも本当に見応えたっぷり。


演じた後には一つ一つのチームにお父さんが講評をしてくださいました。
セリフの話し方をはじめ、空間を利用して説得力のある立ち位置へ動くこと、話していることや場面の情景をしっかり見ることなどお父さんの鋭い観察眼から多くのことを学ばしていただくことができました。

そしてみんなの演技はもちろん、そのシーンの内容にも圧倒されました。
短く切り取られた中に思わず笑ってしまうコミカルさがありながらも、その中に考えさせられる深いメッセージ性を感じられます。
今回切り取られていたシーンは2013年頃から最近のものまで幅広くありました。
時代が変化していく中でも変わらない、誰もが幸せを感じながら生きるためにはどうしたらよいか、という問題提起や答えが書き起こされた劇たち。
お父さんが書いてきた脚本の深さを改めて痛感します。
見たことのないショーを今回のオーディションでたくさん楽しむことができて嬉しかったです。


よく知っているみんなが別人に感じられ、過去の名シーンがよみがえったオーディション。
みんなのいつもとは違う顔を見ることができ、これまでの歴史のかけらを知ることができ、今年のコンサートへの気持ちがより高まりました。
みんなでウィンターコンサートへ向けて駆け抜けていきたいです。
(ゆうは)
