「えりさちゃんのインタビューを受けて」 ほのか

9月18日

 そう、いつまでも無邪気な姫のままではいられないように、ピーチ姫として、最後の嫁入り作業が終わった今、新たなステージへと、次は秋冬野菜の姫として、いや、できれば女王として、というのはちょっと言い張れない感じがしますが、ということで、ピーチ姫は事実上、終了…??
 と、ほぼ半泣きで寂しさを漏らしたところ、どうやら終わりは無いそうで。「ええ~、ずっとあるよ~」とピーチ姫主将たちが和やかな笑みを浮かべて元気づけてくれました。
 
 今日はえりさちゃんのインタビューがありました。
 結構緊張していました。中二階の階段を上がるときは、ほぼ、面接やピアノのテストを受けに行くときと同じ気持ちでした。
 中では、えりさちゃんが用意をして待ってくれていて、笑顔で出迎えてくれました。
 伝えたいことを数日前から用意して、タイプして、印刷してきたけれど、まだまだ伝えたいことはたくさんあるような気がして、それがちゃんと伝えられるかどうか、取りこぼしがないか、そわそわしていました。
 いざ、インタビューが始まると、えりさちゃんの質問の仕方や、さらに詳しく聞いてくれるようなカジュアルな会話で緊張が解きほぐされ、割とぽんぽん言葉が出てきました。
 えりさちゃんが頷きながら、私が流れでなんとなく発した言葉もひとつも聞き流さずに、きちんと拾って質問してくれて、より具体性のある、中身の濃い回答をすることができた場面がいくつかありました。
 
 インタビューが終わった後、ちゃんと言いたいことが言えたかな、と心配していたのですが、「実は、ほのかちゃんの日記、全部読ませてもらったんです」と、えりさちゃんが教えてくれました。先ほどの真剣な表情がくだけて、それもまた綺麗な色の目が輝いていました。
 ええ~~…! まさか全部知られていたとは…。過去の日記はもうめちゃくちゃなことばかり書いていたから、今読み返すと消えてしまいたいくらい恥ずかしくなるので、参ってしまいました。
 でも、プラスのことだけではなくて、マイナスのことも、全部まるっと材料にしてもらえたのなら、過去、めちゃくちゃで無かったことにしたかったことたちも、めちゃくちゃだった意味がここにきて生まれたのだと思いました。
 
 そしてさらに嬉しいことに、私が感じていたこと、挫折体験もありましたが、それはえりさちゃんが入居者として感じていたときの気持ちと似ている、というかほぼ同じところがあったそうなのです。それからえりさちゃんは、シアトルにいるときから「ほのかちゃんと早く話したいな」と思ってくれていたのだと、教えてくれました。
 誰かも言っていたけれど、あのときの挫折は起こるべくして起こった物だ、意味があった。起こったことは全て良かった、ということは本当だと、強く実感しました。
 昇華、そしてそれは次へと繋げていく輪になり、確かに広がっているように感じます。
 
 
 こうして今までのことを振り返り、気づきや感じていたことを言葉にして伝えることで、その気づきが確信的になって、感じたことがより強固なものへ、固定されていく感じがしました。
 と同時に、改めて、これまでとは全く違う人間として、全く違う価値観で生きて行くことへの覚悟を、自分自身に対して誓い、その覚悟が確実なものへなったような気もしました。
 
 成長できたこと、変化したことに満足して停滞するようでは、いけない気がしています。ゴールは無いものとして、理想が実力に追いつくことは無いものとして、一生治り続ける覚悟を大前提として、一生上へ上へ這い上がり続ける。安心を求めるための保守的な生き方はしたくないと思います。
 
 今日インタビューで話していて、思い出したことがあります。
 私は症状と一生仲良しで、故意に歪んだ道を歩きたい、迷惑な独りよがりな生き方をしたかった。それ以外は、死ぬかしか、考えられなかった。症状のない、普通の人として生きて行くことは、絶対にしたくない、それなら、死んだ方が良い、と強く思って、決して譲らなかった。
 
 けれど、運か縁か、何かの運命の巡り合わせでなのはなに来て、今は症状から離れて、普通の人になるために、毎日すごしています。
 不思議なことに、全く死にたいとは思わないです。いや、不思議でないのが当然なのだろう。
 
 この世に生まれた理由、それはなにがしか果たすべき役割、成し遂げるべき目的を果たすためであって、それしか、症状を手放して生きて行く意味は無いと思っています。
 今日はナスの123カットを習得することができました。なっちゃんは、是非野菜切りマスターになってほしい。台所で待っているよ、と。
 小さな事でも、毎日コツコツと積み上げて、面白い毎日を、走り続ける生き方を、目標を達成するために努力し続ける生き方をしたいです。
 
 今日はインタビューの時間を、ありがとうございました。