「手刈りの日」 ななほ

9月13日

 桃の収量も落ち着き、今朝はみんなと一緒に野菜の収穫に行きました。
 私は今季、野菜の収穫をするのが初めてで、噂に聞いていた「ピー・ゴー・キュー」(ピーマン、ゴーヤ、キュウリの畑)の畑にも、初めて足を踏み入れました。

「わぁ、いい香り!」
 畑に着くと、バジルを収穫していたみゆちゃんが顔をあげてくれて、同時にバジルの爽やかな香りがしました。

 そして、大好きな大好きなゴーヤ。
 私はなのはなに来てからゴーヤが大好きになりました。もちろん、食べるのも好きですが、何よりも収穫や手入れが好き、育てるのが大好きで、ゴーヤ担当をしていた時から、担当ではない今も、ゴーヤへの愛を強く感じてきました。

 今年は全体的に植え付け時期がやや遅めだったこともあり、9月中旬の現在も、夏野菜が大ピーク。真夏の盛りよりも今の方がピークというほど、たくさんの野菜が収穫できています。
 ゴーヤの畑は、ゴーヤのグリーンカーテンのトンネルができており、トンネルをくぐりながらかごいっぱいにゴーヤを収穫するのがすごく幸せで、畑にいるだけで心が満たされていきました。

 そして、ピーマン。葉っぱの色もよく、実も羨ましいほどにハリとツヤがよくて、見るからに美味しそうな綺麗なピーマンがたくさんついていました。

「たのしい」「たのしい」……。
 1つ、ピーマンをとるたびに心の中でそう呟いてしまうほど、収穫が楽しかったです。

 桃の収穫シーズンが終わってしまうのは寂しいですが、こうして、桃の収穫が終わった今、みんなと朝の収穫や畑に出られることも嬉しいなと思います。
 また、嫁入り会場に行くと、次から次へと夏野菜たちが運ばれてきて、オクラやナスもたくさん穫れていることを知りました。

 改めて、こんな風に自分たちで育てた野菜を収穫できること、食卓でいただけることは本当にすごいことだなと思います。そして、今の時代、こんな風に10代、20代から農業に触れて、どんな野菜でも育てることができる、野菜の育て方を知っているというのは本当に、貴重で素敵な経験をさせてもらっているなと思いました。

 1つの野菜をとっても、なのはなに来ていなかったら、ただただスーパーに売られている野菜でしかなくて、美味しいピーマンと普通のピーマンの違いも分からなければ、野菜はすべて野菜で、それほど、野菜によってこれが好きとか嫌いとかもなかったと思います。
 
  今はピーマンもゴーヤもニンジンもキャベツも、同じ野菜でも美味しい味と美味しくない味が分かったり、色々な野菜の名前を知り、育て方を知り、その野菜の歴史や生まれた国も知り、野菜を通しても自分の知識や世界を広げてもらえることが嬉しいなと思います。

 畑の風もすっかり秋らしくなり、飛んでいる虫も夏アカネからアキアカネに変わり、萩の花やツリガネニンジン、キンギョソウが野生に咲く様子もありました。

 秋は少し寂しいような、郷愁を思わせる不思議な季節だなと思いますが、これからコンサートに向かっても畑や音楽練習が同時並行で進んでいくのが嬉しいです。
 
 
・手刈り

 今日は待ちに待った、手刈りの日でした。
「手刈りが楽しみです!」朝食の席でそう話した後、あゆちゃんが、
「楽しみと言ってくれる子が多い中、申し訳ないけれど、今日の手刈りはとても大変だと思います」
 と、いつものあゆちゃんからは想像できないような、どこか暗く落ち着いた雰囲気でそう話してくれました。

 そう、稲刈りシーズンだというのに、連日続いた雨。そして、先週に来た台風。また、今年はメガツインを散布した田んぼもあるようで、籾は大きくなったけれど、その為に稲が重たくなり、倒れやすくなってしまったということ。

 でも、稲刈りをするのは今日しかない。どんなに大変でも、みんなとなら大丈夫と思い、心して田んぼに向かいました。

 実際に田んぼについて見ると、思っていたよりかはコンデションもよく、みんなのやる気と共にとても速いスピードで手刈りが進んでいきました。そして今日は、永禮さんがかき氷機と氷も持ってなのはなに来てくださったとのこと。

「かき氷を食べるために、頑張るぞー!」と気合を入れて、終わった先に待っているかき氷を夢見て、手刈りも楽しく、力強く進めることができました。

 作業の初めにはお父さん、お母さん、永禮さんに家族みんなと、「わたしたちがまだ、無事だったとき」と言って写真と動画もとり、これから始まる手刈りが果たして、最後まで無事に終わるように願いました。

 誰もケガをしませんように。鎌で切りませんように。マムシにかまれませんように。そして、何か想像もできないようなハプニングが来ませんように。そう思いながら向かいました。

 手刈りを終えた今、感想を一言で言うと、「楽しかった~~~~!」です。
 私は主にほのかちゃん刈り部隊の後ろで、みつきちゃんと縛り部隊として動いていました。田んぼの一番奥側を刈っていたため、途中からは泥沼ゾーンに入ってしまいましたが、稲穂が決して、地面につかないように気をつけながら、時には、畦まで稲をバケツリレーして運び、安全な場所で縛りも進めることができました。

 ほのかちゃんも足場が悪い中ではあったけれど、どんどんスピードが増していき、心強かったです。そして、ものすごく楽しかったです。
 私は普段から、仕事でも常に動き回っていて、体力勝負ではありますが、なぜか、なのはなでの作業は、疲れ以上に楽しさがあるなと思います。
 長時間の作業で確かに、身体は疲れているはずだけれど、ものすごく楽しくて嬉しくて、心が豊かになっていきます。

 同じ空間に家族みんなが集まって、みんなで協力して手刈りを進める空気。たけちゃんやたいちゃんも、藁を運んでくれたり、稲のバケツリレーに参加したり、年齢に関係なく、誰もが今の自分の精一杯でできることを頑張る空気。

 畦でお父さんとたいちゃんが横に並んでお昼寝をしている光景も、たけちゃんが嬉しそうに、「ななほちゃん、何かできることある?」と声をかけてくれた笑顔も、大好きな仲間と一緒に、時に笑い合いながら進める時間も、すべてが愛おしいくらいに嬉しくて、幸せを感じました。

 手刈りをしていると、心から、「あぁ、日本人として生まれて来て良かったな」「なのはなファミリーに出会えて、本当に良かった」と心から思います。
 今の時代、手刈りをしている人はほとんどいないし、確かにコンバインで機械刈りをした方が労働的には楽なのかもしれませんが、やっぱり、自分たちが育てた作物を自分たちの手で収穫すること。昔の人が経験してきた苦労も喜びも、そして日本らしい文化も受け継いでいくことは、本当に大切で豊かなことだなと思います。

 みんなではぜに稲束をかけていく時、「いち、に」と声を掛け合いながらバケツリレーをして稲を運ぶのが楽しかったです。
 みんなが笑顔で、みんなが楽しそうで、仲間1人ひとりが大好きだなと思いながら稲を渡していました。そして、稲の香り、はぜ干しされた景色もすごく美しくて、その場にいるだけで心が満たされていきました。

 稲刈りのために東京からはるばる、相川さんも帰ってきてくださり、最後、一緒にバケツリレーをしてくださったこともありがたく、嬉しかったです。
 こんなにも素敵な仲間がいること。こんなにも素敵な場所にいられること。そして、ここが私の故郷であることが幸せです。

 こんな故郷を持てる私は本当に幸せ者だなと思います。そして、何も怖くないなと思います。
 家族みんなでの手刈りが嬉しかったです。

 そして、かき氷。永禮さんが夜にかき氷屋さんも開いてくださりました。永禮さんは今日、私たちが手刈りをしている間、機械刈りで稲刈りを進めてくださっていて、朝早くから夜遅くまで動き通しでお疲れだったと思うのですが、
「今日はかき氷を作るついでに、稲刈りをしただけなので」
 と言って、ニコニコとかき氷を作って下さりました。

 今年、色々な場面でたくさん、永禮さんがかき氷を作って下さり、本当にありがたかったです。今年でかき氷が大好きになったし、永禮さんに甘えて、色々な味のかき氷を食べさせていただいたり、時にはレインボーかき氷も作っていただいたりし、永禮さんの気持ちが嬉しかったです。

 もうあっという間に9月も中旬でしたが、まだ私の中で続いていた夏休み気分も、今日で永禮さんのお陰でかき氷と共に、素敵な夏の締めくくりをすることができました。
 明日は音楽合宿です。桃も落ち着き、フルで音楽合宿に向かえるのが楽しみだし、貴重なお休みを大切に向かいます!