7月14日のなのはな
久しぶりの雨。梅雨が明けたと言いながら、梅雨らしい雨もなかったので、田んぼにとっても畑にとっても、恵みの雨でした。
でも、雨を喜んでいるのは、作物だけではありません。「夏まつり作東」への出演を8月頭に控えた私たちも、雨の時間を有効活用しよう、と、意気込んでいます。今日の午前は、ダンス練習の時間をもらいました。夏は、作物の成長が速いので、畑作業を返上してダンス練習する、ということがあまりできません。貴重な時間となりました。
久々に、あけみちゃんが主導してくれるストレッチをやりました。……硬くなっている、痛い! でも、楽しい! 誰かと一緒に、音楽に合わせながらストレッチする時間はなんだか特別感があって、心が満たされます。きちんと柔軟を続けたいと思ったし、やっぱり前で見本をしてくれるあけみちゃんの動きが美しくて「こうなりたい!」と思いました。

夏まつり作東は、約2000人ものお客さんが集うお祭りだと聞きました。それだけのクオリティのステージにしなければならない。「見てもらう」ではなく「魅せる」という、能動的な姿勢を貫く。圧倒されないような、強い気持ちを持ち続ける。私はそんなに大勢の人の前に立たせてもらうのが初めてなので、かなり気を引き締めて、練習する必要がある、と自覚しました。
それを踏まえて、前から見てみた『ホワイト・フラッグ』のダンス。当たり前かもしれないけど、一発目から、出し惜しみせず、全力で、気持ちが前向きだということが前面にでていて、強い気迫を感じました。あけみちゃんの、何が襲ってきても勝ってしまいそうな強気な表情。まりのちゃんの、力強くてメリハリのある棒の動かし方。すにたちゃんの、指先まで力のこもった全力さ。よしみちゃんの、安定していて崩れないきれいなダンス。もうどこに目をやっても見ごたえがあって、「ああ、やっぱり『ホワイト・フラッグ』大好きだな」と思いました。

途中からではあるけれど、私も出させてもらいます。このメンバーの、この踊りに匹敵するダンスをし、強い気持ちを同じくもつこと。決して簡単ではないけど、食らいつこう、と思います。棒の角度や、足幅などを、鏡を見ながらみんなでそろえていきました。特に、棒の角度は、少しずれるだけで分かりやすく目立ってしまいます。でも、それだけに、そろうと息をのむほどかっこいいです。この曲こそ、自分を消して周りに埋もれることが要求されると考えました。しっかり、みんなの動きに合わせたいです。


次に、『イア・オラ・ナ』を練習しました。私はフラダンスが苦手で、なかなか腰の可動域が広がらず、ぎこちない動きになってしまいます。今日はサビの部分を、あけみちゃんにたくさん直してもらいました。同じところを何度も繰り返し練習していると、自分の癖が顕著に表れました。できているつもりで気持ちよく踊っていると、気づかないことが、みんなと一緒に踊ると分かってきます。きちんと夏まつり作東までに練習して、癖をなくしたいです。
そして、『イア・オラ・ナ』は、みんなで歌えて、リズミカルな曲調で、踊っていて楽しくなるなあと思いました。

最後『ストップ・ディス・フレイム』をやりました。私が大好きな曲です。ウィンターコンサートのみでなく、イベントでも踊らせてもらえるのが本当にうれしいです。
夏まつり作東は、グラウンドで砂地の会場なので、寝転がる動きや、膝をつく動きができません。なので、コンサートバージョンから、振りを少し変えていく必要があります。この曲の魅力そのままで、どうしたら屋外でも魅せられるダンスになるか。相談しながら作っていく過程がすごく楽しく感じています。
お父さんが、結果よりプロセスが大事と話してくださるけど、こうしてみんなで曲を仕上げていくことにこそ意味があるのだろうな、と思いながら、大事に練習できました。
夜には、もっと大勢が集まって、一緒に『ホワイト・フラッグ』の練習をできました。人数が増えるとまた一段と迫力が増して、かっこいい、と思いました。


まだ3週間くらいある、と考えていると、あっという間にその日はやってきてしまいます。自主練習はもちろんですが、なのはなの魅力である「鳥肌がたつほどそろった動き」に自分も加われるようにするため、全員で練習できる、まとまった時間を大切にしたいと思います。
(うたな)
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6月21日に吉畑手前ハウスで発見した、鳥の巣。
手でお椀を作ったくらいの大きさの小さな巣には、卵が3つありました。

ここで小鳥が育っていくところが見られるかもしれない……! と思うと、楽しみで楽しみで、心臓がドキドキしました。
帰ってすぐに何の卵か調べると、どうやらヒヨドリらしい。
このあたりでも、あちこちで見かけるヒヨドリ。
どんなふうに大きくなるのか見てみたい……!(あわよくば飼いたい! と思ってしまった)
私は、卵を見つけたその日から、毎日様子を見に、ハウスに通うことにしました。
次の日にいくと、巣の上に乗っていた親鳥がパタパタ! と逃げていきました。
びっくりさせてごめんね! と思いながら巣を覗くと、卵が1つ増えている。
ころころして暖めていたんだなと思うと、私もふかふかな親鳥のお腹にもぐりこんでみたい気持ちになりました。
親鳥のストレスになりすぎて、巣を放棄させないように、1日1回だけと決めて通います。
卵を見つけてから10日後。
いつものように巣を覗くと……あー--! 雛が孵ってる!!!

2羽孵った! やったー!!! 嬉しい!!!
つるつるで、へにゃへにゃで、すぐに潰れてしまいそうな雛を見て、ちょっと怖いような、でも可愛いような。
大きな口を開けても、頭が重たくて、おっとっと。よたよたグラグラしているのも可愛いなあ。
ウズラの雛はある程度羽が生えた状態で卵から孵ったのですが、ヒヨドリははだかんぼう。しかも大きい!
目の大きさも際立っていて、この目がしっかり開く日が楽しみだなと思いました。
次の日、またハウスに行くと、もう1羽孵った!
もう一つの卵は残念ながら孵らなったのですが、全部で3羽、卵から孵りました。

7月に入り、30度を超える日が続きました。
ハウスに巣を発見してから一番心配だったのは、暑さ。
ハウスの中はなんと60度近くになります。
もう心配で心配で、お父さんやあゆちゃんに相談しました。
するとお父さんは、「野生の鳥には病院はないんだよ。鳥には鳥の運命があるから、見守るしかないよ」と教えてくれました。
あゆちゃんは、「木の周りに水を撒いたらいいかもね」と教えてくれて、毎日見回りするお昼過ぎに、水を撒いてあげることにしました。
巣を見に行くと、親鳥が雛の上に乗って雛をあたためている……! 暑いよ、ゆだっちゃうよ!
親鳥が飛んで行ったところで、木の周りに水をまきます。
巣の下と、木の幹、近くの葉にかけてあげるのと、ちょこっとだけ雛にもパパパと水をまきました。
雛は、敵だ! と思って、身体を縮めるのですが、毎回1羽だけはパクパクっと口を開けて水を浴びてる。ちょっと警戒心がなさすぎるけど、可愛いなあ。

はだかの雛だったのが、羽に針のような毛の筋が出来て、背中にも徐々に毛の筋が入りました。
雛が孵ってから8日目にはいると、いきなり背中がふわふわになっている!
急激な変化にびっくりしました。
そして10日目。
巣を見に行くと……雛がいない!
鳴き声がすると思って、外に出ると、親鳥と一緒に雛が飛ぶ練習をしていました。
晩白柚の枝にも2羽止まって休憩中。

まさかこんなに飛べるようになるまでが早いなんて、驚きでした。
とまっている子に、水をぱぱっとかけてみると、1羽はパタパタと親鳥のもとへ飛んで行ったのですが、1羽は大きな口を開けて「ピー!」と鳴きました。
ああ、この人は怖くないと分かってくれたんだなと思うと、嬉しくて可愛くて、胸がぎゅうっとなりました。
あっという間に巣立ってしまったのですが、この半か月、毎日ヒヨドリに会いに行けることが楽しみで、とても幸せなプレゼントを貰ったような気持でした。
外で、ぴー! とヒヨドリの声がするたびに、ああ、あの子たちかな。と思う、今日この頃です。
(まなか)
