「初めて知ること」 ゆうな

7月10日

 今日の朝、初めて、スモモの収穫に行かせていただきました。うれしい!!
 池上桃畑の向かいにある、大きな大きなスモモの木。行ってみたら、びっくりでした。まさに、ジブリの世界のように、スモモの世界に、すっと飲み込まれるような感覚。大きな木からたくさんの赤い実がなっていて、枝からなだれ落ちるように、全体に広がっていて、その木の下にいくと、本当にその木に覆われたような気持ちになります。大きな実がたくさんなっているその木の姿がものすごくかわいくて、見ているだけで、豊かな気持ちになれる。

 ちあきちゃんに収穫基準を教えてもらって、私も脚立に乗って収穫しました。スモモが色づいて、少し赤黒くなってきたら熟れている証拠。一部だけ赤くなっても、反対はまだ青っぽい部分があったりするから、全体をよく見て。あまりにも赤黒く熟れすぎているのは、おいしいけど、品質としてはあまり良くなくて、ちょうどいい色づき具合がある、と教えてもらったことを意識しつつ、収穫していきました。収穫していたら、すごく夢中になっていて、楽しかったです。

 まだまだ穫れるのはいっぱいあって、3人で大きい木にとりついて、穫っていてもなかなか前に進めなくて、時間内にすべて見切れませんでした。こんなにも多くの量が、なっているって本当にすごいなと感じます。今がすごくピークなのかなと思って、ピークのうちに、少しでも多く穫ってあげたいです。大きなスモモの木の隣に、小さなスモモの木がいくつかあって、そのうちの1つに、あしなが蜂の巣がありました。見てみたら、蜂が4匹くらい周りにいて、小さな蜂の巣が木の上にありました。少し怖かったけど、初めて見る光景で、見られてうれしかったです。

 そういえば、スモモの収穫は去年のこの時期に、一度だけやったことがありました。去年はカメムシの数が多い年でしたが、スモモの木にネットがかかっていて、ネットの中に入ったら、ぶーーーん、とカメムシが大量にいた記憶。その時の自分は、心が弱くて、それだけでくじけて、スモモの収穫はできませんでした。その時スモモの木がきれいとか、たくさんの実がついていてすごいとか、一切感じず、とにかくカメムシをさけることを考えて、必死な思いで逃げていたけれど、今年はスモモの木を思いっきり感じて楽しんで、喜んで、幸せを感じて。そんな気持ちになれる、自分に、新鮮な気持ちがある自分に、すごく楽になったんだな、生きやすくなったな~とうれしい気持ちでいます。

 そのあとの草取りの時も、まちちゃんに「見てこの幼虫」と言われてみたら大きな芋虫がいて、「その色違いの芋虫私さっき見た」と言ったら、まちちゃんが「ゆうなちゃん……! 成長したね……! 前は騒いでたのにね」と言ってくれて、うれしい気持ちになりました。確かに去年の私は、虫を見たらギャーギャー騒いで、触れなくて、苦しい気持ちで作業していました。でも、今の自分は違う。虫ごときでうじうじ言う自分よりも、強く、虫に対して「へっ」という気持ちでいられる自分のほうがはるかに、生きやすくて、もっとたくさんのことを感じて楽しめて、作業に夢中になれて、幸せだな、と感じます。

 サツマイモに来ていた、へんてこりんな芋虫も、「この野郎!! 紅はるかちゃんに何するんだ!」という気持ちでつぶしてやりました。こっちの自分のほうが、野菜を守れる強い自分のほうが好きです!

 今日の午後は、ゴーヤの誘引をしました。お父さんが来てくださって、やり方を教えてくださいました。畝の上に這っているゴーヤはすべて、きゅうりネットにかけて上に伸びるようにする。やっていくと、下でぐちゃぐちゃしていたゴーヤがきれいに、上に上に伸びていくような形になって、緑の小さなカーテンのようになりました。すごく、ゴーヤがきれいに整理されていくような感覚があって、うれしかったです。

 そのあと、お父さんが車で送ってくださって、多人数作業に合流しました。昨日も今日も、お父さんの車に乗せていただいて、ちょっと特別感。なんだかウキウキしました。

 滝川に行くと、軽トラが止まっていて、そこにみんなが集まっていました。近くに行くと、軽トラが溝にはまっている! びっくりしました。でもそこに、すぐにお父さんが駆けつけてくださって、お父さんが軽トラを運転し、みんなが荷台に乗り、力を合わせて、軽トラをグイっと、乗り上げました。一発ですいっと戻って、歓声が上がりました。きっとお父さんが来るまで、みんなが苦労していたのかなと思って、お父さんが来たら一発で上がりました。しかも、お父さんが来るまではみんなが必死になって前から押していたみたいなのですが、お父さんは体重をかけたいほうに重さを出すという、ちゃんと根拠をもって、判断していて、さすがだな、と思いました。お父さんがかっこいいです。お母さんがお父さんを選んだ理由がよくわかります。お父さんは私たちのスーパーヒーローです。

 多人数作業に合流させていただいて、草木灰の追肥を、豆の畑にしました。草木灰の追肥は1年ぶりでした。去年やったときは草木灰が重くて、「なんでこんなに重いんだ、嫌だな」そう感じてやっていた記憶がある……。でも、今年は違いました。草木灰の追肥がものすっっごく楽しかったんです!!!! ちょ――楽しかった!!! なぜか? 草木灰は牛肥よりも、やる量は少ない。さらにさらさらしていて、まきやすくて、走りながらできちゃうんです!! 去年は重いとか感じていたけど、全く重くなくて、1畝を、だーーーーっと走りながら、まいていく、その楽しさ。とにかく走って、だだだっとまいていく、ただそれだけだけど、まく量が少ないから、1畝を途中で切らすことなく、まききることができて、うれしい。気持ちいい。最高!!! でした。みんなでやったら、超、速くてあっという間?! もっとやりたいな~~~と思うくらいでした。すごく楽しかった!!

 そのあと、マクワウリの摘心をしました。初めて、親づる、子づる、孫づるがあることを知りました。わあ、マクワウリって、そういう原理なのか!! すごい。親づるの摘心をさせていただいて、初めは、「えーーと、一番太いツルで、葉っぱの上から出てるのは子づるだから、これは違うか」という風に見つけるのに時間がかかっていたけれど、慣れてくるうちに、パッと見て、親づるがわかるようになって、それもうれしかったです。

 そのあと、ニラの藁敷きをしました。藁を敷きながら、初めて、藁って、稲の乾かした奴だったんだ!!! と知って、びっくりしました。なのはなのお米を育てる時に出る、稲の乾いたやつが藁になって使われるって、超自給自足……!!! すごいなあ、と改めて思いました。ダンスの衣装である、藁スカートは、この藁を使っている、ということも初めて知って、もうびっくり。すごいな、お米を作って、その時に出た藁を衣装にもしてしまう。なんて器用な、なのはな。さすがすぎる。心がすごくワクワク、そしてなんか飛び切りうれしくなったような感覚でいっぱいでした。

 今日、初めて、知ることがたくさんあって、すごく新鮮な、1日でした。「そうなの!!」ということばかり。なんか、こんな1日があるって、すごく幸せ。毎日が、新鮮で、わくわくして、ウキウキする。本当に楽しいな。そして今日、すごく前の自分より、変わっている感覚を感じて、それにもうれしくなりました。少しずつ、変わっている。ちゃんと毎日を大切にして、ちゃんと、毎日の日々の生活を自分のものにしていきたい、改めてそう感じました。ふふふ、明日も、全力で、頑張るぞ~~~~!!!!