7月2日
とってもうれしい日でした。
担当野菜であるトウモロコシの、初収穫の日でした。これまでのことを語ると長いです。
去年担当だったみつきちゃんが、これまでもずっと手入れについて気にかけてくれていました。摘果のタイミングや、防除の方法など、相談したら一緒に考えてくれました。昨日も収穫の段取りを分刻みで考えてくれて、台所のまことちゃんも打ち合わせに来てくれました。
「収穫してすぐのトウモロコシを湯がいて食べるのが一番おいしい」ということを教えてくれて、13時昼食だったので12時から収穫へ。
トウモロコシに関して、いろいろなエピソードがありました。「白井さんの大好物でわざわざ購入してくださる」「お父さんはトウモロコシが大好き」ということをいろんな人から聞いていました。アセスメントのOMTでは、トウモロコシの概念が変わるほどおいしいトウモロコシが食べられる、と教えてもらっていました。
一時は、無農薬栽培を試みたのですが、アワノメイガがどうしても防げず、途中で薬剤防除をすることになりました。
今回収穫した第1弾は、薬剤防除をしたタイミングが少し遅く、かなり株がアワノメイガに侵食されてしまったあとでした。防除する前は毎朝畑へ行って、虫つぶしをこまめにしていました。目をつぶってもアワノメイガが浮かび上がってしまうほどでした(笑)。
害獣ネットの立て方とか、摘果コーンの残渣の処理方法とか、自分がきちんと理解していなくてやり方が確立しておらず、指摘を受けたこともありました。
こうした、多くの期待や失敗があったので、正直、とても緊張していたし、少し怖かったです。昨日は夢で、粒がなくて虫食いだらけの、カスカスなトウモロコシしかない夢を見てしまって、変な心配をしていました。みんなの大好きなトウモロコシ、どうか無事であってくれ!と願いながら畑に行きました。もうそんな精神状態だから、収穫前のシエスタなんて一睡もできませんでした(笑)。
そして待ちに待った収穫のとき。「ずっと憧れていたトトロのやつだ!」と胸が躍りました。トトロに出てくるメイちゃんのように、トウモロコシの茎を右手でもち、左手で雌穂をしっかりつかんで下へ折る。バキッ!!
トウモロコシの重みが手に伝わってきました。剥いてみると、先っぽまで黄色い粒がたっぷり!宝石みたいに一つ一つの粒が輝いて見える…。あなたに出会えるのを心待ちにしていた。そう伝えたい思いでした。
虫食いや、少し未熟なものもいくつかあったけど、一人一本で提供できるトウモロコシも人数分確保できて、夢が正夢にならないで心底安心しました。アワノメイガにも、連日の蒸し暑さにも負けないで、本当によく頑張ったね。
そしていざ、食すとき。思い切りかぶりついて…。一言で、衝撃的でした。こんなにも甘いのか。口の中で弾けた。みずみずしい感じなのに、さっぱりではなく濃厚な甘さが広がりました。もう語彙力がないのが悔しいほど、今まで食べてきたスイートコーンの中で断トツに美味しかったです。ああ、歯に挟まらなければいつまででもほおばっていられるのに、なんて考えながら、至福の時はあっという間に過ぎました。
やよいちゃんの食事のコメントで「これぞなのはなのトウモロコシというくらい甘くておいしい」という言葉で、なんだか力が抜けたような安心感を覚えました。評価されるためにやってきたわけではありません。でも、農業のベテランのやよいちゃんからもらった言葉であって、今までのトウモロコシに劣ることがなくみんなに届けられたと思うと、ああ、よかったなと、胸がいっぱいになりました。
すにちゃんの「一人1本じゃなくて2本でもいける」という言葉、ももかちゃんの夢中でほおばる顔、あけみちゃんの「美味しかった!」という満面の笑み、他にもわざわざトウモロコシについてコメントをくれた人がたくさんいました。
こうやって、つくった野菜が誰かの手に渡って、うれしさを共有できることが幸せというのだ、と思いました。この瞬間が、日々の作業を頑張る活力になると分かります。
あと、夕食のときゆうはちゃんが「桃のブルーシート敷きにみんなが駆けつけてくれて、桃メンバーだけではなくなのはなみんなで桃を育てている感じがした」と言っていて、はっとしました。
また私は「自分が頑張って育てた!」と自己陶酔してしまった、と。植え付けや種まきから、追肥、土寄せ、摘果に防除…。いろんな工程に、多くの人がかかわっていて、その誰かひとりが欠けていたらこのトウモロコシは存在しないのだ、と思いました。なのはなだからできるトウモロコシは、なのはなのみんながいるからできるのだ、と、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
個人的に、最近少し気分が沈みがちになってしまっていたけれど、今日のトウモロコシとみんなのおかげで、「生きていてよかった!」とさえ思いました。極端だし大げさかもしれないけれど、嘘ではなく心からそう思えるから不思議です。
永禮さんが一緒にトウモロコシの草取りの作業をしてくださったことがあって、そのときに「食べられるのを楽しみにしている」と言ってくださったのを思い出しました。初収穫を一緒にいただけなかったのは残念だけど、また永禮さんにも食べてもらいたいです。
トウモロコシと一緒に喜怒哀楽をともにしてきた感じがします。そなちゃんやるりこちゃんと協力して、これからも継続して見守っていきます。