
7月2日のなのはな
今日という日を私は忘れる事が出来ないだろうと思います。
今日はトウモロコシ1弾の初収穫をしました。
獲れたて・茹でたてのものが一番美味しいとのことで、
昨夜から、収穫する時間、お湯を用意するタイミングなど、台所さんと打ち合わせをしておきました。
布団に入っても胸のドキドキが止まらず、本当に明日が来てしまうのか……一生このドキドキを味わう今のままがいいなあとも思いました。
早朝はズッキーニの収穫、畝立て、太ネギの定植。午前は杭用の竹をカットして、30分ほどシエスタをさせてもらい、とうとう運命の時間が来ました。コンテナを持ち、いざ、ゆず畑へ。
これまでも何度も来ていた畑だけど、今日はいつもと何か違う空気が流れていました。
みつきちゃんが収穫基準、方法を伝授してくれました。葉の上から触れてみて、上の方までふっくらとしているかどうかチェックしてみて、と言われ、触ってみるとぷっくりしているトウモロコシであろう感触がある……。これが本当にあのトウモロコシか……ちゃんと育っているのか……。
もう胸の高まりが止まりませんでした。この目で見てみないと分かんない!! はやく見たい! 興奮をどうにか抑えながら、1人20本ずつ収穫を始めました。軸を持って、根元からパキッと、いい音を立てながら。
茶色いひげがついていて、鮮やかな緑色の葉っぱをおくるみのようにしてまとう、可愛いトウモロコシが手にずしりと乗っかってきました。
台所に持っていく前に下準備が楽なように、畑で先に葉をむいていきます。
木陰に入り、収穫したトウモロコシをコンテナから出して、ひげの辺りを掴みぺりっと緑色の皮を剥きます。
みつきちゃんが手本を見せてくれました。中から出てきたトウモロコシは本当にトウモロコシで、トウモロコシでした。
できたんだ……ちゃんと出来ていたんだ……トウモロコシは育ってくれていたんだ……。嬉しくて嬉しくて、胸がいっぱいでした。涙が出そうなほど安心して嬉しくて。今日の今日まで正直なところ少し不安な気持ちはありました。楽しみにしてくれている子もいるのに、皆が思い描くような美味しい綺麗なトウモロコシを丸かじりする。という事が実現できなかったら……。
トウモロコシは目にも眩しいくらいの鮮やかな黄色の大きな粒がぎっしりとついていて、トウモロコシってこんなにも可愛かったんだ……。
頬ずりして、毎晩隣で寝たいたいほどの愛らしさ。がありました。
コンテナ一杯のトウモロコシを持って台所へ、「後はお願いします!!」とみつきちゃん・まなかちゃんに託しました。
メッセージカードをうたなちゃんと作成して、ドキドキする気持ちを抑えながら今更ながら「美味しくありますように」と願いました。
昼食の放送が鳴り、食堂に向かうと、プレートの中央にどしりと座るトウモロコシ。
どきどきどきどき、隣に座るうたなちゃんがトウモロコシを手に取るのが見えました、背筋をピーンと伸ばして「やばい……」とぽつり。
唾をごくりと、おそるおそるトウモロコシを掴みます。一口かじると、別世界にとんでしまったかのような気分になりました。
想像を絶する甘さ。想像を超えるとかでなく、絶するです。シャキッとした歯ごたえ、口いっぱいに広がる甘さ、みずみずしさ……美味すぎる!
目頭が熱くなりました、ああよかった、食堂で皆とトウモロコシを丸かじり。
思い描いていた光景が目の前に広がっている。私が特別何かしたわけでもなんでもない(むしろ私は畑作業に対する姿勢が良くなく……反省点ばかり)
ですが、担当野菜としての思い入れはやはりあり、今日の昼食は感動的な食事になりました。
この幸せと感動をもっと多くの人に広げられるひとでありたいです。
(そな)
***
日川白鳳の木のそばにいると、甘く優しく豊かな香りが漂い、嬉しさが胸に満ちます。実にかけた袋が大きく張り、甘く熟れた日川白鳳が、収穫のときを教えてくれます。
今朝、日川白鳳を初収穫しました。なのはなで育てている日川白鳳は、奥桃畑に2本、開墾17アールに2本あり、ふみちゃん、ほのかちゃんと収穫をさせてもらいました。
はじめにふみちゃんが収穫基準を教えてくれました。一番の基準は実の色で、青みが抜けて、全体がクリーム色になっている実が樹熟し桃です。ただし日川白鳳は実の全体に赤みがさしているため、クリーム色かどうかを見極めるのが難しい品種です。
1玉、ふみちゃんが穫ってくれた実は、手の平にずしりと重く、日川白鳳の名のように、存在感があり堂々として、華やかな桃でした。
木の高いところや枝の先、日当たりのいい場所の、袋のよく張っている実を、袋をさいて見ていきました。桃の実を見て、色をよく見て、穫るか待つか判断します。正しい基準で穫れるよう、一番美味しいタイミングで穫れるよう、ふみちゃんとほのかちゃんと、真剣に桃に向かいました。
そして、1玉穫ったとき、この実は、これまでのなのはなの沢山のみんなの気持ち、手入れを経て実ったのだと思うと、手の平に感じる重みや、美しい姿、甘い香りが、かけがえがなくて大切なものだと思いました。
コンテナのなかに並ぶ日川白鳳が、きれいで、嬉しかったです。
今朝、初収穫した日川白鳳は、糖度の平均が13度以上の、甘く充実した実でした。この収穫を、ピーチ姫のみんなと、なのはなのみんなと喜び合えたことが嬉しかったです。
連日35度を超える猛暑日が続きます。熟れて糖度の上がった桃の実は、35度以上にさらされるとあざができたり、傷んでしまいます。私たちは桃の実を守るために、一番暑い昼間の時間帯に、動噴を使い、木の上から水を降らせて、木を冷やします。
また、今朝ははなよめの収穫もし、4本あるはなよめのうち2本はすべての実を収穫し終えました。最後の1玉を穫ったとき、
「お疲れさま」
と、ふみちゃん、ほのかちゃんと言いました。桃の木の下で、今期、たくさんの美しい実をつけてくれたはなよめを見上げて、心から、お疲れさま、ありがとうと伝えたかったです。そして、同じ気持ちでいられる仲間がいることが嬉しかったです。
明日も日川白鳳を収穫します。私たちの誇れる樹熟し白桃を穫れるよう頑張りたいです。
(さやね)
***
今日の朝6時の中庭で。早朝の涼しく爽やかな空気を吸い、作業のしやすそうな涼しい天気で、今日はおだやかな日になりそうだと思いました。その後、怒濤の早朝になることは予想していませんでした。
今日の早朝作業は、太ねぎの定植でした。5月頃は、みんなで苗を抜かないようにと慎重に草取りをしていたくらいに細くて繊細だった太ねぎが、今では20センチくらいに大きくなって、ピンピンとしています。天気も、あまり日が照っていなくて、定植には最高です。
まずは畝立てからです。時間短縮のため、ライン引きはせずに畝のはじまりと終わりに篠竹を立てただけの印です。認識力がためされます。最初、しの竹の印から脱線してしまい、ゆがんだ畝ができてしまい、悔しかったです。やり直したいと思ったけれど、人生にやり直しはない。これが自分の実力だと思い、次に進むしかない。
お父さんが、盛男おじいちゃんは印がなくてもまっすぐな畝を立てていたというお話を、よくしてくれます。おじいちゃんの凄さを感じました。印がないとまっすぐに畝を立てられないということが悔しく、情けなく感じたのですが、これが自分の心の様相だと受けとめて、もっと認識力を上げて、印がなくてもまっすぐな畝を立てられるようになりたいです。
その後は、畝の表面の均しです。太ねぎの畝は、他の野菜とは違って、すべり台のような形を作って、そこに苗を寝かせます。畝を均したところから、多人数で苗置きをしていくので、追いつかれないように、私はスピードに乗って均していきました。
均しが終わったら、置いてくれた苗の根元に土をかけます。作業はじまりから鍬を持ちっぱなしでしたが、こんなにたくさん、大好きな鍬を使った作業をできることが嬉しかったです。
畑のもう半分の、苗床があった場所にも植え付けました。そこは、さっきまで苗があったので、耕すところからです。管理機をかけてくれたそばから、畝を立てました。作業前半の、悔しい気持ちのリべンジです。今度は、まっすぐに畝を立てられました。しかし、だいぶんスピードは落ちてしまったので、もっと、スピード感を持って、まっすぐに畝を立てられるようになりたいです。
それから、猛スピードで、苗を置いて土をかけました。その時、8時50分。それでも苗が余り、急遽、ビワの木畑に苗を植え付けました。耕して、畝を立てて、植えつけるまでを、協力して終わらせました。私はというと、やはり鍬を持ちっぱなしで、これでもかというくらいに汗をかきましたが、みんなと全力を出しきったという感じで気持ちがよかったです。太ねぎが元気に育ちますように。
(えつこ)
〈ズッキーニの綺麗な実も穫れ続けています!〉

***
