
6月27日のなのはな
朝の作業発表、あゆちゃんが放送を入れてくれて、どんどん発表がされていく中、
「かのんちゃんは、るりこちゃん、あけみちゃんに教えてもらい草刈りを――」
という声が聞こえてきた時はすごくびっくりで、まさかそんな草刈りをさせてもらえる日がくるだなんて!? びっくりで、一瞬身体が止まってしまいました(笑)。
ふと廊下に出ると、あゆちゃんがいて、こう話してくれました。
「草刈りは危ないから、絶対にケガしないように気を付けること。あけみちゃん達に基礎を教えてもらい、平坦な真っすぐなところをするんだよ。気を付けてね」
と言ってくださいました。そのあゆちゃんの言葉を聞き、改めて刃物などを使う時の真剣さ、危ないということがわかり、いつもと違う引き締まったようなドキドキ緊張な気持ちでいっぱいになりました。
だけど、その引き締まった気持ちの反面、すごく楽しみな気持ちでいっぱいで、新しいことに挑戦させてもらうことや、また1つ畑の面白さに触れられるんだと思うと、すっごく嬉しくて、何より楽しみで、わくわくな気持ちもいっぱいでした。
そして、ふと廊下を通りすがったうたなちゃんが、
「かのんちゃん! 草刈りデビューだね!! すごいよ!!」
と自分よりも喜んでくれていました。そのことも嬉しくて、自分のことでこんなにも喜んでくれる仲間がいることが嬉しくて幸せで、作業がんばるぞスイッチON! いざ作業にシュッパーーツ♪
どきどきわくわく、最初にるりこちゃんが丁寧に、何がいるかなどを教えてくれました。
草刈りセット準備!
まず1! 草刈りの時に使うベルト、
2! 刈払機本体!
3! 50対1の混合油、
4! 熊手!
これで草刈りセット完成♪ 途中で50対1の混合油の作り方まで教えてくださり、ばっちり頭に入りました!
よし、うなぎとり畑にレッツGOー! 歩いて、見えてきたぞ! という時、もう心臓がバクバクドキドキ、緊張で気持ちがぎゅっとなっていました(笑)。
ですが、やっぱり楽しみな気持ち、楽しそうな嬉しい気持ちが隠せず、緊張もあったのですがそれと同じぐらい楽しみな気持ちで胸がいっぱいでした(笑)。
到着したら、あけみちゃんもいて、まず最初にどこに水路、水があり、物があるかを把握すること、そして物の近くは刈らないこと、最初にホースを畑の中の刈られない所に巻いておくことを教えてもらいました。一つひとつ丁寧に教えてもらいありがたかったし、絶対に今回教えてもらったことを忘れないで、ちゃんとしようと思います。
そして今の時期は、水路にもし草が流れてしまい水を滞らせてしまったら大変なので、水路に熊手をさし、草がもし水路に落ちてしまっても水で流れていかないように止めてくれていました。まさかそんなことができるなんて!? びっくりで、畑は「自分たちの」という感じで、自分たちの畑のことだけを考えるのではなく、周りの方々のことも考えて草刈りや畑を回していかないといけないということを改めて知りました。
そして、それからエンジンのかけ方を、るりこちゃんに教えてもらいました。機械を絶対に壊さないように、丁寧に使おう。そう思い、るりこちゃんの説明を聞かせてもらっていました。エンジンのつけ方を教えてもらい、そろそろ本番で草刈りだ!! というその前に、実は1つ、すごく緊張で胸がドキドキで怖いことがありました……。
るりこちゃんが教えてくれて、最初に見た刈払機の刃のチップソーと、最後に見た時のチップソーを見て、もしチップが1つでもなくなっていたら、それは自分が飛ばしてしまったということだよ! と笑顔で教えてくれました。
どうやって飛んでいくかというと、草刈りの刃の部分についている「チップ」が石などに当たると、それが飛んでいってしまい、もし飛んでいってしまったら切れ味が悪くなってしまう……らしいです。おーのー……。大丈夫かな、心配だなという気持ちでした……。
それに何より、人のを今回借りさせてもらっていたのと、なんと! まだチップが1つも欠けていなかったんです……それもあり緊張が倍で、絶対に1つも飛ばさないようにしようと決意した瞬間でした(笑)。
そして、エンジンをつける前にまず、るりこちゃんがどう刈るかを教えてくださいました。
「刃を少し斜めにして地面すれすれに。もしも石があって怖いなと思ったら、そこは刈らないで無理しないこと。左に草がきれいにまっすぐにたまっていったら、きれいに刈れている証拠」
と教えてもらいました。よし、教えてもらったことを頭に入れて慎重に……、さあ、いざエンジンON!
エンジンがつき、本当の草刈りが始まります。ぶーーんと草刈りの音、草刈りの刃で草が刈られていき、さっきまで草があった所が、あれ? 草刈りで一瞬にしてその部分の草がなくなっていました。なにかすごくびっくりで、「草刈りってすごい! すごく気持ちいい!! 楽しい!!」という気持ちでいっぱいになりました。ですがこの気持ちだけは忘れてはいけない。絶対にケガと事故、チップだけは気を付けて……、慎重にということを頭に入れて、草刈り本格的にスタートしました。
最初は慣れなくてすごくぎこちなかったのですが、どんどん慣れてきて、草の生えているところに草刈り機をあてて草がなくなっていくのがすごく気持ちよくて、視界がきれいになっていくのが、なにか見たことがないような景色と感覚で、新しいことを知って、見て、体験させてもらい、嬉しくて新鮮な気持ち、わくわくな気持ちでいっぱいでした。
刈っていると、あれ……、後ろが気になる。刈れているか気になってしまう。後ろを見たいけれども危ないからダメダメ、と自分に言い聞かせ、最後まで刈り進めていきます。そして最後まで刈り終わり、ぱっと後ろを見た瞬間、すっごく感動しました。「あれ!! さっきまで草が生えていたところの草がない! 道ができている!!」と、すっごく嬉しい気持ち、スッキリした気持ちで胸が高まりました。こんなにも気持ちよくて、楽しくて、スッキリした瞬間、初めてでした。
どれもこれも新しいことで、新しい気持ちで、新しい感覚で、全部これまでにない感情でした。なのはなに来る前は草刈り機も知らなかったのですが、今、まさかこうして草刈りというすっごく楽しい作業に出会えて、なのはなでこうしてさせてもらえていることが、すっごく嬉しくて「生きてて良かったな」という感じがします(笑)。
そして平面を刈り進めていく中で、途中で休憩した時、るりこちゃんが、
「なにかやりづらそうな感じがあって、もっとやりやすくできると思うよ。リラックスしてみて」
と教えてくれました。確かに変なところに力が入っているなと思っていて、「リラックスして、いざやってみよう!」と思い、もう1回エンジンON!
リラックスを意識し、力を少し抜いてみたら、なにか草刈りがさっきよりもすごくしやすくて、滑らかに草刈りができて、変なところに力が入っていたんだなと思い、その、るりこちゃんのひと言がすごくありがたかったです。草刈りを少し斜めにして、草刈り機が草に入り、すーーっと刈られていく面白さ。どんどん草がなくなり、左に寄せられていく気持ちよさ。本当に楽しくて気持ちよくて、「ずっと草刈りできる! したい!」という気持ちでした(笑)。
今回、草刈りを初めてさせてもらい、草刈りがすっごく楽しくて、畑の面白さ、楽しさにまた1つ触れさせてもらいました。草を刈ったり、土やあぜを作ったり、畑の形から作ったりすることを全て含めて「畑作り」だということを改めて思います。
畑を作って回していく、それはすごく楽しくて、「こんなにも楽しい」という気持ちをもっといろんな人にも知ってほしい。今の風潮は、なにか「畑は……」っていう若者が多いと思うし、実際、私もそうでした。だけど今、こんなにも畑が楽しいと思えていることに嬉しい気持ちで胸がいっぱいだし、やっぱり畑ってすごく楽しくて、表現することの楽しさ、仲間と協力して畑を作っていく楽しさ――もっともっといろんな人に知ってほしい、体験してほしい、そう強く思います。
平坦なところの一面を刈らせてもらっていて、その一面がきれいになり、草がなくなった時の爽快感、気持ち良さが一気にこみあげてきて、楽しくて嬉しい気持ちで胸が満たされ、「畑ってやっぱり面白い! 草刈りも畑も好きだなー!」という気持ちで胸がぎゅっとなりました。
だけど、絶対に気を付けることだけは注意して、テンションが上がりすぎて調子に乗らないように。「慣れた頃、こうした今が一番危ない」から、絶対に気を抜かないで真剣に。この気持ちだけは忘れないように……。
と、気づいたら草刈りにすごく集中していて、夢中でしていたみたいで、気づいたら「平坦なここをやってね」と任されていたところは草刈り終わっていました! 無事、ケガもなく終わることができ、終わるころには、もう草刈りがすっごく大好きな作業になっていました(笑)。
それに何より、細かくチェックして気を付けていたチップ! なーんと!! 1つもなくなっていませんでした。ふぅ。安心。と、最後すっごく安心したなと思います(笑)。
最後の片づけまで教えてもらったのですが、裏を見た時、思っていたよりも葉が緑になっていてびっくりで、「草刈り機お疲れ様、ありがとう」という気持ちで、草刈り機にも感謝の気持ちでいっぱいでした。それに、丁寧に最初から最後まで教えてくれたあけみちゃん、るりこちゃんにすごく感謝でありがたく、いつか私も誰かに教えられるようにまでなりたいなと思います!
こんなにも爽快感があり、楽しい気持ちは初めてで、たくさん初めてなことがありました。初めての知らないことを知れて、できるようになっていくことって本当に楽しいし、こうして心から本当に楽しいと思えることが、すごく幸せです。これまでの「楽しい」って、そんな気持ちは本当の楽しさではなくって、薄かったことを知りました。昔「楽しい」と思っていたことと、今こうして「楽しい」と思う気持ちがあったとしたら、その時の昔の「楽しい」と思った気持ちなんかすっごく薄くて、そんなことよりも今の楽しさは何倍も何倍も本当に楽しいです。本当の楽しさって、こういうことなのかなと感じます。
草刈りをさせてもらい、畑の楽しさ、面白さ、その魅力に改めてまた1つ惹かれました。
(かのん)
***
滝川横一面、足元は黒マルチで風から守られ、連日の雨で大きく育ったナスの株。
大きくなった、成長したはいいけれど、これでは頭の葉っぱが大きく風にあおられて、ふらふらして、不安定なナス。
今日は、そんなナスとピーマンを救出すべく、大人数で整枝、誘引、草取りを行いました!
去年から、誘引の方法は篠竹節約効率型に進化しており、今年も去年同様、篠竹1本でナスの株をがっちり安定させていきます。
やり方は簡単。地面から30センチほどの高さにつけられている横竹に、篠竹を斜めに橋渡しして、イメージはZを作る感じ。そのZの中心に株が真っすぐ立つように固定。
篠竹は、ずれないように横竹にスズランテープで簡略8の字結びをして、Zの中心に当たる篠竹部分にスズランテープを2回グルグルと重ならないように巻いて、3回目で巻きはじめ、つまりZの中心部分に戻って巻いて、株を誘引して結びます。
これで完了! ナスの株は、がっちり真っすぐ立つようになります。
しかし、株数と結ぶ回数が多いため、3株やったらプロの手つきにならなければ終わらない。
やよいちゃんのタイムコールに沿って、血眼になって手を動かします。
いかに、少ない動きで効率よく結ぶか。
まず、篠竹を渡し、次にスズランを3本セットして、手前、奥、株の順で結んでいき、これを自分の中でのルーチンの動きとして、機械になった気分で、淡々と結ぶ、結ぶ、結ぶ。
「あと、残り2分です!!」
「あと1分30秒!」
「残り1分!!!」
滝川横に響く、秒刻みのストイックなやよいちゃんのタイムコール。
みんなで必死に食らいついて、目の前のナスを真っすぐに誘引していき、次の畝に移動。
ハッ! もう一番最後の畝だ!
「最後の畝、入りますー!」
果てしないように思われていたナスの誘引も、これで決着がつく。
最後まで気を引き締めて、スピード感を持ってやろうと気持ちを改めていたところで、
「すみませーん! やりかけのままで良いので、なつみちゃんとすにちゃんとまちちゃんとかのんちゃんとみつきちゃんは、草取りに入れたらうれしいです!」
(え、まだピーマンの整枝と誘引が残っているのに草取り!?)
強気に出ているやよいちゃんの指示に意表を突かれながらも、「はーい!」と返事をして、いそいそと三角ホーで畝肩の草をザッ、ザッ、ザッと取っていきます。
(ピーマンの誘引まで終わるのかなあ)と思いながら、でも終わらせるんだと思い直し、三角ホーをすにたちゃんと同じ速度で動かし、草取り部隊もどんどん増えていったことで、3時40分ごろに、ナスの手入れ、全部完了。
急いで、ピーマンの畑に移動します。
ピーマン畑に到着して、まずは株の横に刺さっている仮支柱のスズランを解き、その仮支柱を、今度は誘引用篠竹にリサイクル。
先行して脇芽摘みをしてくれているみんなの後を追って、誘引に入ります。
ナスの株は大きくなりすぎてしまい、首をかしげている形になっている株もありましたが、ピーマンは真っすぐに、すらっとすでに立っていて、脇芽を摘まれているので株もすっきり。かなり誘引はやりやすくなっています。
目標は1株につき50秒から1分。
1畝2人で、畝の始まりから中心へ、終わりから中心へ。設定された時間制限の内で、2人が畝の中心で出会えるように、結んでいきます。
「あと1分! かのんちゃん、すにちゃん、諦めないで! まだ間に合う!」
やよいちゃんのエールが梅見畑に響きます。
「出会ったー!!」
どこからか、列の真ん中で出会った2人の喜びの声が聞こえると、確実にみんなで進んでいる気がして、希望を感じました。
私は、途中から、やよいちゃんとまなかちゃんと一緒に、ピーマンの今後の骨格にかかわる剪定をしていきました。
合言葉は「Vの字のVの字」。
主枝から2分岐に分かれ、さらにその2本の枝から2分岐させる。
だいたいの株は、2度目の2分岐点で片方だけが3分岐しているので、それを1本剪定して、2分岐に絞るという作業です。
私はピーマンを担当したり、ピーマンの手入れに入ることが今まであまりなかったので、こういう、まだ株が小さい時の骨格作りを知ることができて、とても面白く、覚えておきたいなと思いました。
夢中で剪定をしていると、誘引が終わっていて、みんなで脇芽摘みのヘルプに入り、なんと5時には、すべての作業完了!
最後に、まっすぐ立っているピーマンの株を見ると、自分の気持ちまで上向きになって、みんなで作業を終えることができ、とても嬉しかったです。
さあ、明日はみんなで定植とイモ掘りが待っています!
明日も頑張るぞー!!
(なつみ)

***
夕食には、初物の白桃「はなよめ」がならびました!