6月号⑩「それは、夢見ていた運動会―― 満喫! 泥んこ運動会」 かのん

 

 ドキドキわくわく、どろんこ運動会の日が来ました!

 ずっと前から凄く楽しみにしていたイベント、ですがその反面すごく怖い気持ちがありながらも当日を迎えました。

 五月二十四日、午後一時、みんなで中庭に集まり、チームが発表されました。

 四チームあり、赤青黄色緑とありました。私は黄色チームに入らせてもらい、メンバーは、ひでゆきさん、ちーち、ほのかちゃん、ももかちゃん、ゆいちゃん、ゆいちゃんのお友達のけいちゃん、まなかちゃん、さくらちゃん、よしえちゃん、ゆうはちゃん、なるちゃんでした!

 チームにかたまり、みんなで池下田んぼに歩いてレッツゴー!

 泥になる田んぼ、池下田んぼに行くのは初めてで、どこに行くのだろう、どんなところだろうな♪ と、すごくわくわくした気持ちでいっぱいでした。ですが、その楽しみな気持ちの裏にはやっぱり怖い気持ちがあり、自分は泥に汚れるということよりも日焼けをするんではないかという怖さがものすごく大きかったです。

 ですが時間と足は動き、とことこと歩いていき池下田んぼに付きました。裏道を通り、少ししんとしたところにありました。ですが凄く素敵な場所で落ち着くような雰囲気があり、周りは緑の木で囲まれていました。ここで運動会が始まるのかと思っていると、あゆちゃんの司会が始まりました!

 本当の運動会みたいな感じで始まり、プログラム一、選手宣誓がありました。

 なんと今回、私と、ゆうなちゃんと、ももかちゃんでさせてもらいました。

 

 

 どろんこ運動会の前の日に宣誓の事を教えてもらい、言葉を考えて、時間があると必死に練習し、その練習を発揮するとき、本番が来ました。

「宣誓! 私たち選手一同は」

「(私)日頃のウリハムシつぶしで鍛えた瞬発力を活かし!」

「(ももかちゃん)毎朝の高速ぞうきんがけで鍛えた大腰筋を活かし!」

「(ゆうなちゃん)毎日の歯ブラシで磨き上げた白い歯と、上腕二頭筋を活かし!」

「(三人)全力で戦い最後まで泥まみれになることを誓います。令和七年五月二十五日 なのはな代表 ゆうな、ももか、かのん」

 と言わせてもらいました。こうして仲間を感じ一緒に言えたことが凄く嬉しくて、最初のスタートから幸せな気持ちでいっぱいでした。本番前に練習し、揃ったこと、間違わないで言えたことが一回もなかったのですが、本番は間違わないで三人そろい凄く嬉しかったし、楽しい気持ちで胸がいっぱいでした。それに、こう誓ったには泥に入るしかない! と思い泥に入る覚悟ができました。

 そして、プログラム二の準備体操を、のんちゃん、よしみちゃん、さとえちゃんがしてれました。準備体操がおわり、なんと今回の特別準備体操は、フラダンスでした!

 腰の周りの準備もばっちり、これで泥になる準備ができました!

 

 

■泥んこ相撲

 

 最初の種目は、相撲! 押し倒されたら終わりです。他のチームの人を最初に見させてもらい、押し倒されたら泥にどぼん! 頑張れがんばれ! と皆で応援し、どっちが勝つかドキドキで凄く面白いなと思い見させてもらっていました。

 ある組では、ぐるぐる回りなかなか勝ち負けが決まらない試合もあり、どっちが勝つかドキドキで凄く面白い勝負などもあり、見ていて飽きなくて、凄く楽しかったです。

 そうしていると、とうとう自分のチームが泥に入り、勝負前のあいさつの時が来ました! 最初、泥につかる時、心の中は荒れまくりで、

(怖い、むりだ、ちょっと、だいぶ抵抗あるな)

 と思いながらも皆が笑顔で泥に入っていくので、やっぱり私も入ろう! と思い、泥にそーーっとそーーーっと足をつけてみると、泥が足の指とかに入り、にゅろって感じで凄く気持ちよくて、初めての感触、なにか気持ちが良いなと思い、入るのに少し抵抗がなくなり、そろっとそろっと入っていきました。

 そして背の順で並び、対戦相手を確認しました。なんと私は、ほしちゃんとでした! 負けたら泥か、身体が全身泥になるの少し怖いなという気持ちがありました。ですがもう本番が来てしまいました。もうするしかない!

 

 

 身体を組んでお父さんの「はっけよーーい、のこった!」が聞こえ試合スタート! 泥の中で押し合うのは難しかったり、どっちかが泥にドボンまで勝負が続くということで、ハラハラもあったのですが試合をしているともうそんなことはさっと頭の中から消えていました。気付いたら、悔しいのですが負けてしまっていました。ですが、なにか負けたことに対しても、負けて泥に浸かったことに関しても、全く嫌な気持ちにはならなかったし、凄く楽しくて泥がひんやりしていて気持ちが良かったです。それに、もう泥が付いたんだから、こうなったら泥まみれになって楽しんで遊ぼう! というスイッチが入りました。

 

 

■ポートボール

 

 次の種目は「ポートボール」でした! 泥の中でボールを使うだなんて凄く面白そうだな、と名前を聞いただけで興味がわきました。ルールはこうで、ボールを持って三歩以上は歩いてはいけない。仲間にボールをパスして、台の上に乗っている人に二メートル以上離れたところから投げ渡し、キャッチしてもらったら得点が入るということでした。そしてボールは奪い合ってもよく、人を押す時は背中なら良いということでした。

 私のチームは、最初にさせてもらったのですが正直その時ルールはわかっていても想像がつかないなと思っていました。ですが、そのままいざ試合開始!

 お父さんが真ん中からボールを投げてくださり、それを誰がキャッチするか……!

 もうそこからは格闘技みたいな感じで、とにかくボールを持っている人の所に行きボールを奪うか、仲間に渡そうとしたのを阻止し奪い取るかという感じでした(笑)。

 

 

 もうすっごく面白くて楽しくて、泥の中を本気で走り泥まみれになりながらも、みんなで本気でボールに食らいついていくのが凄く楽しかったです。

 それにボールを持っている人に皆が飛びつきすごい状態、人間が固まっている状態になっていたりして、汚れるとか焼けるとか、もうそのころには——相撲が始まってからも、そうだったのですが——そんなこと頭に全くなくて、もうとにかく本気でボールを取りに行くのが凄く楽しかったです。こうして本気になり遠慮なしで遊べる仲間がいることが幸せだなと思います。

 

 

 皆もう、ばんばんぶつかっていくのですがバーンとはね返されて転んだりしても全く痛くなく、逆に泥まみれになる事が凄く楽しくて嬉しくて、もうそのころには泥が好きになっていました(笑)。最初は綺麗だったみんなが、どんどん全身泥まみれになっていき全身チョコレートみたいになっていくのも面白いなとも思いました。

 ちなみにもうそのころには、全身泥まみれで誰がだれかわからない人もいました。

 

 

■ゴール!

 

 それから、たまに自分の所にボールが回ってくる時があるのですが、ボールを持ったその瞬間、皆が一斉に自分の持っているボールをめがけてくるので必死で取られないように仲間を探し、とにかく皆がいっせいに来るのでそれがすごく面白くて圧巻の景色で、すごく楽しかったなと思います。

 

 

 自分の所にまたボールが回ってきたときがありました。ですがピンチ! 周りに仲間がいなかったです。少し遠いかなとも思ったのですが、こうなったら少し先にいる台の上に載っているよしえちゃんに渡すしかない! と思い、取れるか取れないか、一か八かでボールをぱっと投げました。なんと、なんとそのボールをよしえちゃんがキャッチしてくれました! その瞬間が凄く嬉しかったし、点数を入れた瞬間に周りの仲間が、

「すごいね! やった!」

 とたくさん一緒に喜んでくれてもの凄く嬉しい気持ちでいっぱいになったなと思います。こうして一緒に戦えて喜べる仲間がいること、一緒の気持ちを共有でき共感でき幸せを身体いっぱい感じられる仲間がいることが、凄く幸せだなと思います。

 その後は、他チームの試合を見させてもらいました。外から見ているだけでも凄く面白くて楽しくて、客観的に見たらなんといったらいいのかわからないのですがとにかく凄くて、泥まみれになりながらも本気でボールを奪い合ったりして凄く面白い勝負で、ラグビーみたいになっているな、ともふと思い、凄く見ているだけでも楽しそうで面白そうでした。

 

 

■激闘、タイヤ引き

 

 そして次の種目は、「タイヤ引き」! 田んぼの真ん中に置いてあるタイヤを自分の陣地に引きずり持って帰ったら勝ちというゲームです。もう皆の目がぎらぎらと燃えていて、どうなるか凄くドキドキでした。

 最初に他チームの試合を見させてもらいました。

 もうみんなタイヤにしがみついたり、しがみついている人を押し倒して泥に埋めていたり、凄く面白くてなかなかみれない光景でした(笑)。りゅうさんがタイヤに引っ付いたり、またあるタイヤのところに来て、ばーーっと皆を泥に投げたおしていて、その光景も凄く面白くて楽しそうでした。それに、なにか根性が試されるなとも思いました。

 

 

 みんな泥まみれにタイヤにしがみついて引っ張ったり吹っ飛ばされたり埋めたり、もう楽しそうで面白そうで、私も早くしたいという気持ちになりました。

 そして、自分のチームの番が来て、作戦はあまり決まっていなかったのですが、とにかくタイヤを陣地に持って帰るということだけを考えていました。中心の二つの大きなタイヤだけ得点が二点だということで、私はゆりかちゃんと真ん中の大きな二点タイヤを狙いに行きました。

 スタートの合図がなった瞬間、皆が本気でタイヤに向かって走っていき、その瞬間も圧巻で忘れられない瞬間だったなと思います。

 一斉にタイヤにしがみつき、もうタイヤを持つ場所がないぐらいに人がいて、とにかく本気でタイヤを引っ張っていました。ですが皆、力が強くてなかなかタイヤが動かなかったです。途中でりゅうさんが来て、私も含め何人かの人が泥に吹き飛ばされタイヤを引っ張れないように泥に埋められました。ですがそれが凄く面白くて楽しくて、全く痛くなく気持ち良くて、投げ飛ばされるってこんなに楽しいんだと思ったし、泥に全身つかるのがすっごく気持ち良くて楽しかったです。なかなかできない体験でした(笑)。

 

 

 ですが、なんとかそこから逃げることができて、もう一度タイヤを引っ張ろうとおもったら他のタイヤを引き終わった人たちが来ていて、さっきよりも人が増えていました。タイヤにたくさん人が引っ付いていたのですが、みんな全身泥なので誰が誰かわからなくてとにかくすごい驚きの景色でした。タイヤにはみんなが必死にしがみついていて、もう引き離すかタイヤを押すかの二択でした。時間がなく、引きはがしたりしても、もうだめだとわかったし、どんだけ引っ張っても全くタイヤが動かないので違う作戦にうつりました。こうなったらみんなで一斉に押して少しでも自分の陣地にもっていくしかないとなり、みんなで「せーの! せーの」で押していきました。そうすると皆の息が合い少しずつ動き、私たちの陣地のほうに来ました。そして時間が来て、なんとギリギリ私たちのほうにタイヤが入っていて、タイヤの得点が入りました。凄く嬉しくて、皆で思いっきりタイヤを引っ張って引きはがしたり、ぶつかったり一生懸命することの面白さを改めて感じさせてもらいました。

 

 

■二人三脚

    そして馬の背リレー

 

 最後の種目は「リレー」でした! 泥の中でどうやってリレーをするのかなと思っていたら、なんと、二人三脚でした! 私は、ゆりかちゃんと一緒にペアでさせてもらいました。二番目だったのですが、一番目のももかちゃんとなるちゃんが凄く軽やかで、二人の息が合っていて、「凄いな〜!」と驚きました。そして、二番目のペア(私とゆりかちゃん)にバトンパス! 呼吸を合わせ、一、二、一、二と同じペースで泥の中を走っていきます。走っていても足の裏に何か刺さったり、痛いとか、走りにくいとか全くなく本気で走りました。

 

 

 そして三番目のペアにバトンパス! だけど、ここでハプニングが起こりました。

 なんと足を結んでいる紐がちぎれてしまいました。ですがすぐになるちゃんがタオルを持ってきてくれたのですが、それもまたちぎれてしまいました。だけど必死に応援し、走りきり、ゴールだと思うと……!

 そのまま続けて、なんと馬の背リレーでした!? みんなが馬の姿勢をしてその上に人が乗り、一人補助をするというリレーです。私は初めて馬の背リレーをしたなと思うのですが、もう想像以上に面白かったなと思います。

 

 

 みんなで必死に馬の背の姿勢をし、ももかちゃんに上へ乗ってもらいました。

 なんと、予想外で、みんなの背中の泥ですべって歩けないという、またもやハプニングが起きました。

 ですが、すぐにももかちゃんが対応してくれて、手をつかいアザラシになって背中を滑って行ってくれました。そして足は補助の人が押してくれていたみたいで、自分は、ももちゃんが背中を通ってくれると次の馬の背の姿勢をつくることに必死で、どんなのか見れなかったのですが、想像しただけで面白そうだなと思ったし、さすがももちゃんだなとも思いました。みんなと一心同体になり協力して、必死に馬の背の姿勢をつくり、最後まで出来たことが凄く凄く楽しかったです。

 

■ずっと求めていた運動会

 

 そして、もう終わってしまうのか、早いなと思っていたら、なんと、時間が余っていたので普通のリレーをしました!

 田んぼを半周走り、次の人にバトンパスという感じで、普通のリレーをするのは凄く久しぶりで、数年ぶりだなと思いました。なのはなに来る前のリレーは、なにか責められてるかんじがして、追い抜かされたらもう最悪って感じで、いっぱいいっぱいだったし、応援されるのがまた責められているみたいで大っ嫌いでした。ですが、なのはなでするとそんな気持ち全くなくて、リレーってこんなに楽しかったけ、勝ち負けとかどうでもよくて一生懸命することがすごく楽しいな思ったし、なにより応援されることが凄く凄く嬉しくて、責め立てられてる感じもなく思いっきり泥の中を走れました!

 

 

 これまで私は学校とか、他にも、生きてきてこんなにも楽しくて本気で全力で遊んだり身体を使いだれかと遊んだことがなかったです。運動会も一人ぼっちみたいだったのが、今はこんなにも自分の誇りとなる仲間がいて、こんなにも本気で楽しいと思いながら運動会をできることが希望で幸せです。今こんなにも本気で仲間と種目をしたり遊んだり、自分の学校生活で出来なかったこと、かなえられなかった夢のような本当に楽しい運動会をできることが、凄く幸せなことだなと思います。

 自分がずっと求めていた運動会、楽しさ、面白さ、幸せ、仲間、全部全部ここなのはなにあったんだなと思わせてもらいました。

 それに、これまでの自分の幸せ、人生の喜怒哀楽はこれまでずっと、出かけること、物を買うこととかでした。それ以外で楽しいことなんてないと思っていました、ですが、なのはなに来てから本当の幸せや楽しさ、面白さ、喜怒哀楽、仲間がいること、そして人と人との間に生まれる幸せ、を全身全霊で知りました。

 人生のまちがった楽しさや面白さの壁をどろんこ運動会がぶちやぶってくれました。こんなにも人と本気で遊べたり、本気で自分が楽しめることがあるんだなと知り、自分の中の壁が一つ破れたなと思います。それにこうして本気で、遠慮なしの本気で遊べて楽しめるのは、なのはなの皆、仲間だからだろうなとも思います。

 

 

■罰ゲームの珍事件

 

 そして、最後は、おまちかね罰ゲーム!

 負けたチームの人が真ん中に立ち、周りを皆で取り囲み、負けたチームへ泥をかけまくる! という罰ゲームでした。ですがなんと向こうからも泥が来るということでした……! 皆が位置につき「スターート!」で、もう皆の泥パラダイス。泥が飛んでいるせいでもう目が開けられず、どういう光景になっていたかは、わからないのですが凄く泥が飛びかっているのは身体で感じました。

 そして後から聞いた話なのですが、負けたチームは、真ん中に相川さんに立ってもらい、その周りへ円になり、皆が相川さんを守ろうという作戦だったらしいです。ですが、その円になった皆も周囲へ泥をかけるために、スタートで一斉にしゃがんでしまい、みんながしゃがんでしまうので相川さんのしゃがむスペースがなく相川さんだけが立ってしまい、いちばん泥が当たったらしいです。ですが、それはわざとではないということを後で皆で知り、大爆笑したなと思い、その時間も幸せでした(笑)。こうして面白い話を共有し笑い合える人が居ることも幸せだなと感じます。

 

 

■帰り道のミッション

 

 そしてとうとう、全部の種目が終わりを迎え、どろんこ運動会が終わり、みんな全身泥まみれで誰が誰かわからない状況でした。その時にはもう私も全身泥まみれだったのですが、もう気持ちがガラっと変わっていて、もっとドロドロになりたい、もっと泥と遊びたい、泥大好きという心になっていました。ですが、もう次はお風呂タイム! と思ったら、お風呂を待っている間はなんとフリータイムでした。フリータイムだんてもう遊ぶしかない! ななほちゃんとりゅうさんに直撃! ですがはね返されてしまい泥にどぶん! 凄く楽しくて、はね返されるってこんなに楽しくて面白いんだなとまた感じた瞬間でした(笑)。その時もななほちゃんと大笑いし凄く幸せな時間だったなと感じます。泥に全身浸かり、泥の中で泳いだり、泥に浸かって空を見たりしながら、お風呂を待っている時間も凄く充実した時間でした。

 


 

 泥の中があったかくて気持ちがよく、もうずっとここに居たい、凄く楽しいという気持ちで胸がいっぱいでした。自分の泥に対しての気持ちが三百六十度変わり、泥が大好きになるきっかけになったなと思います。それに、田んぼに対しての気持ちも変わり、手植えなども少し、うーーんって気持ちも全くなくなり、凄く楽しみな気持ち、早く泥、田んぼに会いたいなという気持ちでいっぱいになりました。

 そして、とうとうお風呂の時間が来ました。少し泥が寂しいのですがまた今度、と思いお風呂にGO! と思うと古吉野なのはなに行くまでの間にもミッションがありました。泥まみれすぎるので、洗ってもらうというミッションがありました。最初は近くの水路で洗ったり洗ってもらったりで、お互いで洗い合いました。その時間も楽しくて、最後まで楽しくて、最後までがどろんこ運動会なんだよなという気持ちになりました。それから、なにより顔を洗った瞬間に見える景色が変わり、別世界に来た感じになりました(笑)。自分がそんなに泥まみれになっていたことを改めて自覚した瞬間でした。そして洗い流しミッションをたんたんとクリアしお風呂に到着!

 服をぬぎお風呂に入った時の気持ち良さは忘れられないなと思い、お風呂があって暖かいお湯が出るありがたさが身に染みたなと思います。

 

■その瞬間の風と日

 

 お風呂を上がると、先にお風呂を上がったみんながドロドロになった服をたらいで洗ってくれていました。私もいこう! と思った時、頭にぱっと、(お風呂入ったから日焼け止め落ちたや、まだ日が出てるな、焼けるかな)という言葉があらわれました。ですが、(いや、大丈夫だ、焼けるとか焼けないとかじゃなくて大丈夫、仲間がいるし一つ壁を乗り越えたんだ、絶対大丈夫)と思い外に出ることにしてみました。

 摂食障害になって、いろいろなこだわりに苦しくなってから、日に当たる時は絶対に日焼け止めを塗り、直接なにも塗らないで肌に日光を浴びるのを避ける毎日を過ごしてきました。症状が出て今日まで初めて日が出ている時になにも守らず外に出ることができました。どろんこ運動会が始まる前は服の下まで焼けるのではないかと本気で心配していたものの、どろんこ運動会が終わると、同じ日なのですが日光を気にするのをやめ、ありのまま日光を浴びることができました。

「あれ、こんなにも日光って気持ちが良かったんだな」

 と知ることができ、凄く清々しいような、だけど初めてのような気持ちになりました。その瞬間の風と日の気持ち良さ、気持ちを一生忘れないなと思います。

 そして、みんなと服を洗い干し、どろんこ運動会の幕が閉じました。

 また一つ仲間と一緒に、心の中の汚れ、雑念が消えた気がするなと思います。