「踊ることを手段として」 ゆりか

6月15日 

 

 踊りや芸術を表現する喜びは、人と人との間にあるもので、深いところで共感できる大勢の仲間がいることが、本当に幸せだと思いました。

 ケニーモナークフェスティバルは華々しく幕を開けて、まるであっという間に、永遠の一瞬として、大成功に終わりました。
 父の日をきっかけに、お父さんに喜んでもらえるようにと、1人ひとりが一生懸命に考えて、練習を繰り返し、磨き上げてきた本番、お父さん、お母さんがとても喜んでくださったこと、1人ひとりのダンサーのみんなが、綺麗だったり格好良かったり、輝いていたことが、胸がいっぱいになるくらいに嬉しかったです。

「なのはなのケニーモナークフェスティバルに、みんなが集まってくるようにしたいね」

 4月の末日、ハワイ島ヒロで開催されていたメリーモナークフェスティバルの話をしていたときに、あゆちゃんが、そう言ってくれました。

 この一言に私は、視界が開けるようなひらめきと喜びを感じました。

 あゆちゃんが私に伝えてくれたことは、青い鳥症候群的だった私にとって、最後の砦を振り払って、前を向くきっかけとなってくれたと思います。

 なのはなのケニーモナークにみんなが集まって来る、というイメージを持った時に、その目標のために、どんな希望を持ち続けたらいいのか、誰と一緒に、どうやって向かったらいいのか、おのずと見えてくる感じがして、未来が明るいという希望を、確かに持つことができました。

 私の人生のなかで、いいときも悪い時も、フラダンスがすぐ隣にあって、新しい曲、振付、衣装などを考案することで、その時の自分が支えられてきました。

 この2年間くらいかけて、凸凹しながらも、いつかみんなと踊ることを夢見て、あたためてきた曲たちを、今回、夏祭りでの出演に向けての演目として、ケニーモナークフェスティバルで、みんなと実現することができました。

 畑、田んぼ、桃作業で、日中の時間、畑を駆け抜けたり、お仕事に出ている人たちもいるなかで、限られた雨のひと時や、夜の時間を使い、練習を進めてきました。畑と並行して、みんなと、真面目に一生懸命に、心から楽しんで練習する日々が、ほんとうに嬉しかったし、練習の合間に、桃のブルーシートはぐりに駆けつけるみんなのことが、ほんとうにすごいと思いました。

・チーム『ハナハナ』

 どのチームもそれぞれの色があり、素敵で、大好きでしたが、その中でも、私が一押しで注目していたのが、『タヒチ・ハナハナ』チームです。

 タヒチ・ハナハナチームは、練習をはじめた当初からの伸びがものすごかったです。

 さくらちゃんが毎晩、桃のチームの集まりとともに、ハナハナのチームの人たちに、練習の声掛けをしてくれていました。その空気が明るかったです。

 本番のステージを見て、振りが洗練されて揃っていたり、明るく若々しく輝くような雰囲気が際立っていました。それを見られて、わたしはもう、嬉しくってたまらなかったです!!!チームハナハナが、グランプリに輝きました。練習は裏切らないのだと、改めて思いました。

 その練習方法は、1人が全体を見るのをやめて、できている人と、練習する対象の人が2人で踊るのを、その他全員で見て、アドバイスをし、修正するというものだと、インタビューのときにさくらちゃんが話していて、すごく新しいなと思いました。その練習方法が、きっとチームのみんなにはまっていたんだなあと思いました。

 私は、タヒチ・ハナハナチームとの練習時間が、興味深く面白かったし、心から楽しかったです。

 腰の可動域を増やす手段として、骨盤を持って動かしてみたときのみんなの喜びようなど、チームハナハナのみんなとの練習の一コマの数々が、わたしは嬉しかったし、楽しかったです。

・よしみちゃん

 キャンプのみんなのライブときから、一緒に踊ってくれた、よしみちゃん、のんちゃんの2人の存在に、私はとても支えられてきました。

 私は気持ちが持続しずらかったり、ともすると完璧を求めたりするバランスの悪さがあって、いっぱいいっぱいになってしまう恐れがあったのですが、2人が笑顔で、一緒にやろう、と引き受けてくれて、練習に駆けつけてきてくれて、みんなの振り入れや練習もいつも喜んで助けてくれて、たくさんあった新曲を実現することができました。

 よしみちゃんとは、普段たくさん話さなくても、自分がいいときも、かなり悪かった時でも、踊りを手段として通じ合えて、お互いに踊ることで救われてきて、きっといい意味で、相乗効果になっていることを感じることができます。

 よしみちゃんの輝く笑顔で踊る姿、夜遅くても練習に駆けつけてきてくれる姿に、勇気づけられ、私は本番に向けて走ってくることができました。

 お誕生日の黒板を見て、よしみちゃんは私の運命の人の1人だと知って、それがとても納得しました。

 ひそかに私は、よしみちゃんのことを、タヒチアンダンスのパートナーだと思って頼りにしています。これからも、よしみちゃんたちと一緒に、ソーシャルファームの実現に向かって、踊りを手段に成長して、なのはなの心意気を広げていける仲間でいられたらいいなあと思います。

 ダンスを手段に、よしみちゃんやのんちゃん、ゆずちゃんやあけみちゃんやふみちゃん、ほかたくさんの仲間がいてくれることが、本当に心強くて嬉しいです。このことを忘れずに、私はダンスを手段に、みんなのなかに喜んでいられる自分でい続けたいと思います。

・相川さんと、大竹さん

 本番2日前には、相川さんと大竹さんが、なのはなに帰ってきてくださいました。

 到着されてすぐに、半袖・短パンに着替えた大竹さんが、首に手ぬぐいを巻いて、体育館に現れました。

 私は、今まで踊ったことのない、男性の方たちの振り入れということで、ほんの少し緊張する気持ちがあったのですが、お二人が意気揚々と体育館に来てくださって、緊張していた気持ちは一気に吹き飛びました。そして、相川さん、大竹さんとの振り入れも、『パテパテ』の練習も、踊る楽しさ、喜びにあふれていて、楽しくてたまらなかったです!

 相川さんは、なのはなのインスタをいつも見てくださっていて、なのはなのみんなが練習しているのを見ると、(練習しないと!)と思って、お仕事が終わったあとの0時すぎから、あけみちゃんが踊っている姿を写した動画を観て、さらにはYouTubeで男性のタヒチアンダンサーの動画を観て、研究を積み重ねてきたことを、話してくださいました。

 私はこのことが、ほんとうに嬉しかったです。

 私たちと一緒に、その場を踊ってくださるだけではなくて、私たちと一緒の気持ちになって、真面目に、誠実に、一生懸命に、その振付の面白さ、良さを追求して、このステージを良いものにしようと、相川さんが熟考してきてくださったことが、相川さんの踊りの動きや、大竹さんや私にアドバイスをしてくださる言葉の一つひとつから伝わってきました。それがとてもあたたかくて、心底うれしかったです。

 大竹さんは、この振り入れの時間がはじめてだったのですが、振り入れした部分を繰り返し、何度も何度も、練習してくださいました。

 相川さんと大竹さんが、どうやったら男性らしい踊りになるかを話されている会話を聞いているのも、すごく面白くて、重心を低く、手の振りも重々しく、ステップは飛びすぎないなどの相川さんからのアドバイスを受けて、和気藹々と練習が進んでいくのが、楽しかったし、はじめてのダンスにおいても、プロフェッショナルなお二人が、やっぱりすごい方たちなんだなあ……と改めて強く思いました。

 大竹さんは、曲のラストシーンの盛り上がり部分で、ソロのダンスを踊っていただけないかとお願いしたところ、一つ返事で喜んで引き受けてくださり、曲に合わせたカウントをすぐに考えてくれて、ブレイクダンスを踊ってくださいました。18年ぶり、と話されていました。大竹さんが爽やかに笑って、軽やかに踊り、最後には回転する姿が格好良くて、一気に盛り上がる演出になり、本当に嬉しかったです。

 ブレイクダンスを踊るための早着替えを、ちあきちゃんたちが手伝ってくれていて、本番、曲のカウント通りにブレイクダンスに入って大竹さんが踊られていた姿に、最高に胸が躍りました。

 相川さん、大竹さんは、本当に優しい、みんなのためにの気持ちで行動される方たちで、このような方たちが、私たちの仲間としていてくださるのだと、今回、一緒に踊らせてもらって、改めて強く感じました。

 ケニーモナーク直後は、セブンブリッジ大会があって、翌日は私は仕事で、お礼も言えないままに、あっという間にお二人は帰られてしまいました。

 受けた恩はその人には返せない、とお父さんは教えてくださるので、私も、この嬉しかったこと、相川さんと大竹さんと練習する過程で感じさせてもらった、人の優しさやあたたかさを、自分もなにかのときに、ほかの人に返せるようになりたいと思いました。

 踊る楽しさが、相川さん、大竹さん、ひでゆきさん、そして練習の1回でしたが、りゅうさんがいてくださったことで、何倍にも膨らみました。

 アホラ・カネ・ダンサーズのみなさんに、感謝の気持ちでいっぱいです!

 オープニング、お父さんお母さんの登場とともに、全員で勢いを持って踊った、『イアオラナ』。

 よしえちゃん、あゆみちゃん、ななほちゃん、つきちゃんと、『ティアレ・タヒチ』を踊ったときの、穏やかで柔らかな気持ち。よしえちゃんやあゆみちゃんたちの、ピンク色がよく似合う笑顔。

 『パテパテ』チームのみんなの踊りや掛け声、華やかさと、男性メンバーの迫力ある踊りのコラボレーションの豪華だったこと。

 『ウリリ』のみんなの魅力的な衣装や動き、なおちゃんとあゆちゃんによる、唯一無二の圧巻のパフォーマンス。

 さやねちゃん、ちさとちゃん、よしみちゃんと4人で踊った、わたしたちが選択した確かな希望、『パナオナオ・アリオイ』。

 『オヴァイ』の7人と練習を積み重ねて、「お父さんのあとに続く、次世代のマウイになります」という意思を強く持って踊って、それがお父さんに伝わったと感じたときの喜び。ゆいちゃんと一緒に、衣装制作をしたときのときめき。ゆずちゃんが作ってくれた、驚きの細工のすべて手作りのイヤリング。

 『ウラテテ』の女神のみんなの、あたたかく情熱的な舞。

 全員で円になって踊り、舞台挨拶で締めくくった、『フラガール』。

 お父さんが、良かったと言ってくださり、喜んでくださったこと。お母さんが、みんなを綺麗にしてくれてありがとうねと言って、喜んでくださったこと。

 一つひとつ、私にとって宝物です。

・次に向かって…

 私はイベントが終わったあと、「ロス」になりがちなので、ここに書いたら、ケニーモナークのことはきれいさっぱり忘れて、次を考えることにします。

 次は、勝央音頭3曲の振り入れを、新メンバーのみんなと一緒にやりたいです。

 天神涼みの道中流しを、勝央町の伝統として、いいものにしたいです。

 なぎ神社、北和気の納涼大会の演目と曲順とメンバーと練習計画を考えて、お父さんお母さんにご相談させていただき、みんなと進めていきたいです。

 それから……私のお誕生日のソウルメイト&運命の人(相川さん、ななほちゃん、さやねちゃん、よしみちゃん、まちちゃん)の人たちとのタヒチアンダンスかフラダンスを、秘かに考えたいと思っています…!

 (実は、タヒチ・ハナハナは、さくらちゃんのお誕生日の運命の2人(りなちゃん、すにたちゃん)の曲でした!)

 ゆいちゃんに、工業用ミシンの使い方を教えてもらって、マントやハチマキくらいなら、みんなの分、私でも作れるようになりたいです。

 歌手のマドンナが、次のステージでは観客の期待を裏切る、というように、私も来年のケニーモナークフェスティバルでは、お父さんの期待を、いい意味で裏切れるように、曲を選んだり、振付を考えたりを、秘かな楽しみとして、長い目で見て、また0からあたためていきたいなと思います。

 今回、お母さんが衣装を見てくださって、衣装考案の時間がもらえたことが、とても嬉しかったです。

 ベストデザイン賞の『パナオナオ・アリオイ』の衣装は、お母さんと一緒に、配色やマントの結び方を熟考して、出来上がった衣装でした。

 お母さんが、「衣装は引き算」と、教えてくださったことが、ほんとうだなあと思いました。シンプルな中に、品や華や透明感を感じさせる、曲にもピッタリの衣装を生み出すことができました。

 オレンジのさやねちゃんが着こなしている姿が、清楚で明るくて、希望そのもののように見えました。