【5月号⑳】「木版画づくりに夢中になって」 そな

 

 藤井さんが毎週木曜日の夜に教えてくださっている、木版画教室。先月に引き続き今月も版画教室の記事を書かせて頂けて嬉しいです。

 版画教室には、のりこちゃん、しなこちゃん、さやねちゃん、かにちゃん、ほしちゃん、ゆうなちゃん、つばめちゃんと、私の八名が参加しています。各々で題材を決めて、進行具合もまちまちです。

 私は、かなり進行が速いようで、これまでに二作品を作りました。でもそこに対して少し悔いが生まれていて……。一つひとつにもっと丁寧に心を込めて、時間もかけて着実に一枚一枚を完成させるべきだったかなあなんて思いがあります。なのはなファミリーでの生活に関してもですが、早く成長しないといけないという焦りが、こんなところにもにじみ出ているのかなとも思います。

 それはさておき、とにもかくにも木版画! 彫りや摺りの作業がとても楽しいのです。

 ただ絵具を塗って仕上げるのではなく、紙に転写して完成させる木版画は普通の絵描きとは一味違った魅力があります。

 色を重ねていくには同じ絵を複数枚、彫る必要があります。

 一枚一枚、必要な部分は飛ばさないように慎重に丁寧に彫ったものに絵具を塗り、紙に転写されていく瞬間。

 物凄く緊張する瞬間でもありますが、それと同時に計り知れないようなワクワク感、高揚感がそこにはあります。

 一作品目に私は椿の絵を多色刷りにして彫る事にしました。薄い色から転写します。葉の黄色、緑、そして花のピンク、背景の水色、縁の黒、を写します。

 

 

 私は三つ目のピンクの摺りをする瞬間がとても好きです。

 中央にぽんっと椿が生まれる瞬間に、何度摺っても毎度毎度深い感動を味わいます。温かくて、胸がぼっと熱くなるような感覚になって、ああ、なんて幸せなんだろう、版画って楽しいなあ大好きだなあって思えます。

 言い訳のようにも聞こえてきますが、そのワクワク感を味わいたい! その一心で思わずさくさくと、「じゃあまた次の新しい作品へ!」と無我夢中になって進めすぎてしまったのかもしれません……。

 でも、素敵な作品を作りたいとなればやはりある程度の集中力、じっくりと作品に向かう時間は必須なものかとも思えます。

 ミリ単位でズレの無いようにみていく、本当に緻密な作業です。

 なかなか上手くいかない、改めて自分はガサツなところが多いという事に気づかされます。

 いやいや、でもあえてスピード感をもって仕上げるものにもそれはそれでいい味がでるのかも。それもまた一興です。

 読んでくださりありがとうございました。