【5月号⑰】「卓球部はじまる! 胸躍る練習日」のりこ

 

 楽しみにしていた卓球部が結成されました。卓球に入りたい人が募られ、第一回目の四月十二日、集まったのは九名でした。なのはなの皆は、習い事があったり、仕事があったり、何かの役割があったりして自分の時間を作るのも難しいので、果たして何人集まるだろうか? と心配していましたが、思ったよりたくさんの人が集まって嬉しかったです。

 卓球経験者もおり、初心者もいますが、はじめはまず卓球とはどういうスポーツかというところから、ちさとちゃんが映像を見せながら教えてくれました。そして、第一回目の練習では球をラケットでポンポンと上に上げる球打ちをして、2種類あるラケット(ペンホルダーとシェイクハンド)のうちどちらを使うかを決めるところから始まりました。そして基本のフォームを教えていただいたり、ゆっくりと球を転がす練習や、少しだけ打つ練習もさせていただきました。

 卓球では膝を常に曲げていることが重要で、球から目を離さないことも重要だと教えていただきました。足を肩幅より少し広めに開き、膝を曲げてすぐに動ける態勢にします。また、手だけを動かして打つのではなく、腰からひねって身体全体で打つということでした。ラケットを上に向けると温泉卓球になるので伏せることや、打った時にラケットが額の前あたりに来ること、打つ手が三角形を描くことなどを教えていただきました。いろいろと気を付けなければならない点があるのですが、それらを意識しながら素振りの練習をしていると、それだけでワクワク、燃える気持ちになってきました。練習の時間があっという間に過ぎてしまい、もっとやりたい気持ちでいっぱいでした。皆が、卓球って面白い! と感じていることが分かりました。

 

 

■正しいフォームを

 

 そして二回目の練習では、卓球台を出して、実際にラリーを打つ練習をさせていただきました。私は子供のころに、家族で時々卓球をしに行くことがありましたが、本格的には習ったことがありません。でも何となく身体が覚えていて、少しは入ることもあり、それがとても嬉しかったです。お父さんも来てくれて、お父さんと一緒にラリーをさせていただきました。初めは少し緊張しましたが、だんだん卓球の楽しさに気持ちが高揚してきて、緊張感もなくなっていきました。

 お父さんからもいくつかアドバイスをいただきました。まず、打つときに球を左目で見るということです。私は打つときに顔が前を向いた状態で、球を見ていない、きちんと左目でも球を見なければならないということでした。そして打つときの左手が止まったままなので、後ろのほうに伸ばすようにしたほうがいいと教えていただきました。そうしたら力のある球になるということでした。教えてもらって、それを意識してやると、そのことばかりに意識がいってしまい、上手く入らなくなるのですが、最初に正しいフォームを身に付けることが重要だと思うので、きっちり正しいフォームが身体に入るまで意識して頑張りたいと思います。

 この日は、お仕事組さんも来てくれて、卓球経験のあるどれみちゃんと打たせていただきました。少しラリーが続くと本当に嬉しくて楽しかったです。でも私は右側に来た球は打つことができるのですが、左側に来た球は全く打つことができません。詳しいことは分かりませんが、打ち方にもいろいろあると思います。テレビで卓球の試合を見ていると、いろいろな用語が出てくるのですが、私は全く分かっていません。私がかろうじてできるのはフォアハンドだけです。バックハンドや、回転のかかった球を打ったり、打ち返したりという高度な技術もこれからできるようになれたらいいなぁと思います。

 

 

■楽しみでたまらない

 

 こんな風に卓球をやりたいと思えたこと、卓球をしてワクワク楽しくて気持ちがこんなにも高揚すること、もっと上を目指したいと思えること、卓球日が楽しみでたまらないこと、こんな気持ちになれたことが奇跡のようなことだと思います。以前の自分だったら、スポーツは全て自分とは縁のないもの、やれるわけがないと諦めていました。やろうとも思いませんでした。そんな自分がスポーツにこんなに心を躍らせていることが信じられません。なのはなで卓球ができる幸せをつくづく感じています。

お父さんが、

「卓球はチェスをしながら百メートル全力疾走するようなスポーツだ」

 と仰っていました。それだけ頭を使うんだなぁと思いました。私は今はフォームを正しくすることしか考えられていません。卓球にはフォア、バック、下回転、横回転、ツッツキ、ドライブ、チキータ、スマッシュなどなど他にもいろんな打ち方があるのかもしれませんが、とにかく瞬時に打ち方を判断して返さなければいけません。そこまで自分の頭が回転できるのか、身体が瞬時に動くのか分かりませんが、どこまでいけるか挑戦したいし、楽しみでもあります。