「奢らずに謙虚に」 ほのか

6月3日 

 急な申し出だったにも関わらず、午前中歯医者に連れて行っていただきました。
 2年前から痛んでいた親知らずに決着を付けたい気持ちで、昨夜は歯がボロボロ取れてしまう夢を見たほどでしたが、結果的に親知らずを抜かずに様子を見ることになりました。

 今日行った歯科医の先生は、とても優しげな方でした。私が今日でも抜けるなら早い方が良いと話すと、私の思いきりの良さに笑われていました。というのも、通院などで日中の作業に穴を開けたくないと思ったからです。
 あゆみちゃんにも相談させてもらって、1本の歯と一回の通院を比べると1本の歯の価値の方が勝るから、痛み止めで置いておけるなら抜かずにおいておこうということになりました。

 車の中であゆみちゃんが岸本家のお話をたくさんしてくださいました。ちいちの保育園での変化の様子、ひでゆきさんがお味噌汁を作ってくれた日のお話。どれも胸がほっこり暖かくなるお話で、幸せな気持ちになりました。
 帰り際、ふとあゆみちゃんが「ほのちゃんもあやちゃんも、きっと結婚できるよ」と言ってくださいました。今は到底考えられませんが、いつかあゆみちゃんのように摂食障害から回復して幸せな家庭を築けることを想像すると、その言葉がじんわりと胸に染みて、とても嬉しい気持ちになりました。
 そのあと、お昼まで選果ハウスの掃除をさせてもらいました。今は何もない真白な机の上が、今月の下旬にはもう桃が並びはじめるのだと思うと、緊張するような、楽しみなような、気が引き締まる気持ちになりました。
 綺麗な場所は作業する人も桃も気持ちよいだろうなと思い、掃除しながらどんどん綺麗になる様子が嬉しかったです。

 午後のはじめには、みんなで桃のブルーシートを外しに行きました。
 まだ小雨が降っていて、びしょ濡れになったのですが楽しかったです。
 みんながいてくれるとたくさんある畑もすぐに回れて、動かなくなった車もみんなで押したら動いて、みんなの力は偉大だと思いました。
 山小屋キャンプのときも、あゆちゃんの運転するエルフを押していて思ったのですが、私は車を押すのが好きです。

 そのあとは「タヒチハナハナ」のダンス練習をして、充実した一日でした。
 夜は、明日の桃メンバーのお弁当をふみちゃんと準備させてもらいました。
 やることがたくさんあって、目まぐるしく回る一日が充実していて楽しいと感じます。
 自分が役に立てることがあったら、少しでも力になりたいと思っています。
 明日からは、当番の時間を抜けさせてもらって、18時30分まで作業させてもらえるそうです。残りは幼木を含め54本で、次の雨までの残り4、5日で終わらせる目標です。集中力と気力を持たせられるか今は少し不安なところがあるのですが、この身全て桃に捧げる気持ちで、精一杯やっていきたいです。
 お父さんが、先日の集合で「未来に出会うまだ見ぬ誰かに、出会うべくして出会うために、いい形で出会うために、今を生きていく。自分1人でぽつんと生きていくのではなくて、誰かと出会うために生きていく。そう思うと孤独が埋まる」と教えてくださいました。今与えられている時間と環境、自分の役割を正しく認識して、正しい心持ちで過ごしていきたいです。
 明日からの目まぐるしい一日一日も、どの瞬間も大事にしたいです。
 緊張しています。上手くできるかどうか、間違いが無いか、質とスピードの両立を目指せるか、桃メンバーのみんなに迷惑をかけないか、心が折れないか。
 精一杯頑張ります。いつかちさとちゃんが教えてくださったように、間違った頑張り、自分の評価のために頑張るのではなく、どうか良い桃ができますようにと祈る気持ちで、奢らず、謙虚に、自分の身を手段として、全て捧げる気持ちで取り組んでいきたいです。

 どうか、謙虚でいさせてください。良くあれますように。