
5月22日のなのはな
今朝の朝食の席で、あゆちゃんからのいつも通り作業発表……ではなく、なんと今日は1日、「畑のチームに分かれて自由に野菜の手入れデー!」でした。
まず畑のバディチームで集まり、リーダーさん中心にそれぞれのチームでやりたい作業を集約しました。
優先度や、軽トラドライバーさんの在不在などを考慮し、みんなで何をするか考えました。

午前中は私たちのチームでずっとやりたかったサトイモの手入れをすることに。
他のチームからのヘルプでうたなちゃんと、今日はるりこちゃんもいてくれて、すにたちゃんと私の4人で崖崩れ畑の草取り兼土寄せの作業をしました。
私ははじめに水やりのセッティングをしたのですが、今日は軽トラドライバーさんが不在のため、道具は全て自分の手で運びました。一輪車にエンジンポンプ、給水ホースやじょうろをのせると、ずしっとした重さになりました。両手で一輪車を押しているとすごく安定して、どんなに重い荷物でも楽に運べました。
ところが、持ってきたホースをいざ畑にのばしてみると、長さがちょっと足りなかった! という事態に……。
気を取り直して長いホースと交換しに行きました。
気温はそこまで暑くないはずなのに、道具を運搬しているだけでじわっと汗をかきました。
畑に戻ると、あっという間にみんなが畝の上の草を綺麗にしてくれていました。
それを追いかけて、水やりをしました。
乾いていた畝がみるみるうちに水を含んでいく様子を見て、すごく安心した気持ちになりました。今まで水をやれなくてごめんね、と土の下に眠っているサトイモに話しかけながら、水が行き届くことを祈りながら水をやっていきました。

想像以上に早い段階でタンク1杯分の水をやりきってしまって、しまったと思いました。
やはり補充無しでの水やりは無理があったか、とどうしようか困っているとき、「ブーン」と軽トラの音がしました。するとその軽トラに乗っていたかにちゃんが停車するなり、「何か補充が必要?」と声を掛けてくれました。
補充をお願いするとすぐにタンクに水を入れてくれて、本当にありがたくて嬉しかったです。その後も何度も通り掛かって様子を見つつ、補充に来てくれました。
その後は水を切らさずに水やりを継続することができました。神様、かにちゃんを遣わしてくださってありがとうございますと心の中で何度も唱えました。
崖崩れ畑には約1500リットルをやることができました。水が好きなサトイモには最高のプレゼントができて嬉しかったです。
*
午後はコミュニティ畑のほうのサトイモの水やりと、桃横畑のサツマイモの水やりをしました。
どちらの畑も古吉野なのはなから少し遠い畑なのですが、今日は徒歩で一輪車を押しながら移動しました。その時間も、普段とはひと味違って楽しかったです。
コミュニティ畑に向かうとき、竹取りで取った竹をダンプに載せた永禮さんと出会い、竹を降ろすまでの作業を永禮さんとさせていただくこともできました。

他のみんなはカボチャの追肥やあんどん掛け、トウモロコシや小松菜、ズッキーニの水やり、サツマイモの畝立てやブルーベリーのネット掛けなど、たくさんの作業を進めていました。
どの畑にも誰かがいて、着々と作業が進んでいく様子が嬉しかったです。今日で一気にみんなのやりたい作業が進んで、足りない所はチームの垣根を越えてみんなで助け合いながら作業した時間が楽しかったです。
明日も定植や畝立てなど、たくさんの作業が待っています。明日もがんばります!
(ほのか)
***
目的地へ着くと、そこは秘密の竹林のよう。
連日、永禮さんが来てくださり、夏野菜の支柱立て用の竹取りを進めています。
今年はまた新たな竹林から竹を切り出していて、わたしも初めて、その場所へ訪れました。永禮さんのダンプに揺られながら、(こんな道を曲がるの?)と初めて通る道に少し興奮して、気分はまるで探検にでる子供みたい。
小径に入って、人気が少なくなったところに、その場所はありました。すぐ先には地域の方の牧場があって、のどかな雰囲気がすぐに気に入りました。
竹を切り出す竹林はすでにひらけていましたが、永禮さんが、
「数日前までは、(ここまで竹がびっしり生えていて)車を停める場所もなかったんだよ」
とおっしゃっていました。こんなにもスペースができるくらい、もう何百本もの竹を切り出したのだということが永禮さんの言葉から伝わってきました。知らなかったら、気がつかないこと。こうやって、昔の人も山や林を開墾して、土地はできるのだなと、ふと感じました。
笹や朽ちた竹を除けて、足元を動きやすくしたところで、永禮さんがチェーンソーを持ってきてくださり、竹取りが始まりました。
竹の根元ギリギリをスパンっスパンっと勢いよく切っていく永禮さん。その補助によしみちゃんがつき、切れた竹を倒していきます。
8メートルは優に越し、長いものでは10メートルあるのではないかと思われるような長い長い竹も、よしみちゃんの、「倒れまーす!」という威勢のある声と共に倒れてきます。その迫力といったら、文章だけでは伝えられない!
こんなにも長くて太い竹でも、永禮さんのサポートをしつつ、よしみちゃんが器用に真っ直ぐ倒していってくれて、改めてよしみちゃんの力強さとスタミナに驚くばかりでした。
初めは朽ちた竹を分けるなど、切り出す速さについて行けていたのですが、それもほんの僅かの間のことでした。見る見るうちに竹の山ができていき、必死でカットをしていましたが、永禮さんとよしみちゃんの勢いは止まることなく、「今日はチェーンソーの調子がいいね!」と順調そう。
気がつけば、竹の山で永禮さんとよしみちゃんの姿が見えないくらいになって、よしみちゃんの、「倒れまーす」という声と、離れた入口付近にいるわたしたちにはぶつからない距離で竹が倒れていく光景だけが見えていました。
地道に、梢のカットと枝払いをしましたが、今回は自動剪定バサミを使っての梢カット。驚くくらいの切れ味に、効率がうんと上がるのを感じました。
16時になり、予定していた切り出しの終了時刻がやってきました。あけみちゃんが永禮さんに、「そろそろ切り出し、ストップでお願いします!」と声をかけたところ、永禮さんから、「えーっ」という声が。「もう少し切り出そうよ」と永禮さん。
明日、枝払いしなければならない竹の量がすごいことになってしまいますが、永禮さんの押しの声に時間が延長になって、チェーンソーの油が切れるまで、永禮さんとよしみちゃんが疲れを見せることなく、切り出しを続けてくださいました。
作業終了前には、カットや枝払いをしたさいに出た笹の山を他の畑へ運搬しました。軽トラにボリュームいっぱいの笹を押し込むように乗せていたら、地域の方が通られ、竹林をみて、「すごいな! 最近、始めたばかりだよな。よくやるなぁ」と声をかけてくださいました。道ばたを使わせていただいて、ご迷惑をおかけすることもあるなかで、地域の方が温かく応援してくださっていることが、とてもありがたく、嬉しく思いました。
ボリューム満点の笹の山も、永禮さんの収納術でまさかの2便で運搬できてしまいました。
帰りがけ、永禮さんが、
「明日も来ますね。今日で5日目。明日で6日連続でなのはなに来たことになりますよ」
と話してくださいました。明日は田んぼの代掻きも進めてくださるそうです。永禮さんのご自宅からなのはなまでの距離が16キロあるとのこと。
「僕は明日も16キロの道のりを蝶になって飛んできますよ~!」
と、にこやかに話してくださる永禮さんの言葉と笑顔が、本当に、本当に嬉しくて、永禮さんが助けてくださるから、本来は大がかりで大変な竹取りでも、短時間で効率良く、やり遂げてしまうことができるのだなと改めて思いました。スーパーマンの永禮さんがいてくださったら、できないことなんて何もないと思うくらい、永禮さんの存在がとても心強いです。
今日は、たった半日(2時間弱)で、約200本もの竹を切り出すことができました! その数字を聞いて、あの竹の山は確かにそれくらいありそうだ……! と思いました。
明日はその分、枝払いが大変そうですが、それもみんなの力なら大丈夫だと思えます。
永禮さんのダンプに揺られて古吉野なのはなに帰ってくると、半日、竹林で永禮さんたちと戦ってきた、気持ち良い疲労感に、(全力で動くって本当に楽しいな)と思いました。
支柱立てまでの道のりは長いけれど、1日1日着実に、みんなと夏野菜のピークに向けて進んでいけていることが嬉しいです。
(るりこ)
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新しいメンバーで藤井先生との版画教室が始まります! 5年生教室に行くと、机には先週まで版画教室に入っていたメンバーの作品が並んでいます。
(えっ、この作品みんなが作ったの!)
と驚いてしまうぐらい、緻密だったり、多色刷りで迫力があったり。
教室の初めは、作品の反省会、ということで作品を作った人がその作品を紹介して、最後に藤井先生がコメントをしてくださいました。一人ひとりがその作品の拘ったところ、難しかったところを話してくれました。那岐山を彫った作品は、藤井先生に教えていただいて黒に緑を混ぜて刷りをして深みを出したこと。黒に少し他の色を混ぜるだけで、作品の雰囲気が変わって面白かったです。ちょっと林の中の1本道が彫られている作品は、齋藤清さんを真似して作ったこと。実際の現物よりもシンプルに木々や道が彫られているのですが、それが絵本の挿絵みたいに可愛らしく温かみがありました。忠実にその風景を彫る、のではなくて、形を少し崩してまた違った面白さ、版画の温かみを感じる作品ができるのだ、と知った作品でした。
作品のことを話している一人ひとりがその時のエピソードを笑顔で話してくれて、版画教室が楽しかったんだな、ということが言葉やその子の空気だけでも伝わってきて、嬉しかったです。
後半は、これから作品を作るメンバーで集まって、藤井先生からどういう題材で版画を作っていくか、どう作品を作っていくかを教えていただきました。まずは、何を題材にして作るか、悩むところです。「ズッキーニがいいです!」という子がいたり、「玄関前のカエルの石像かな」という子がいたり、私も、(何がいいかな?)と迷っているのですが、今はお花を題材にして作ってみたいと思っているところです。来週までに何を彫るかを決めるのですが、こうやって何を彫ろうか考える時間も楽しくて、迷って考える時間も贅沢に感じてしまいます。
こうやって考えていると、藤井先生の版画教室がますます楽しみになっていきます。
まずは、どんな作品を作りたいか。来週までに考えてきます!
(ゆきな)
