「謙虚でいること」 うたな

5月21日

 1日畝立てデーでした。私は畝立てが大好きなのですが、お父さんが指揮してくださる畝立ては初めてでした。新鮮で、新たに分かったことがたくさんあって、とてもありがたい時間でした。
 畝を立てるときは最低限の動作を心掛ける。長丁場になるときは疲れずに継続することを念頭に置く。鍬一本分につき、2回掬うなど自分の中でシステム化する。鍬は畝のラインに平行に刺す。とてもたくさんの決まりがあって、それがすべて効率や質をアップする工夫でした。普段の生活だけではなく、畑作業のときも「お父さんならどう動くことを理想とするかな」と考える必要がある、と思いました。

 午後のかぼちゃの畝立てでは、なつみちゃんのリーダーシップに驚かされました。残り約1時間のところで、かなりの数の饅頭型畝を立てないといけなくなりました。なつみちゃんは、完成してもしていなくても5分経ったら次に進む、という進め方をしてくれました。理由は、雨が降ってしまうと畝立てがさらにしづらくなるので、今日のうちに完了させる必要があったからです。
 畝の高さや、美しさは劣ってしまうけど、なんとか食らいつくように5分を守っていきました。とんとん進んでいくのが爽快でした。そしてすべてに手が付け終わったあと、仕上げタイムを設けてくれました。そこで、未完成の畝や低すぎる畝に戻って、成形し直しました。
 そうすると、結構時間がかかるはずのかぼちゃの畝立てが、いつの間にか終わっていて、びっくりしました。いつも少人数作業に行きがちのなつみちゃんですが、畑でもこんなにもキラキラ輝く姿を見せてくれるのだ…かっこいいなつみちゃんでした。

 人のことをうらやましい、と思う気持ちがよく出てきてしまいます。習い事をさせてもらえる人のこと。ダンスを上手に踊れる人のこと。笑顔が自然と出せる人のこと。いるだけで明るい雰囲気を醸し出せる人のこと。責任ある仕事を任されている人のこと。すぐに劣等感とか被害感情、自己否定が出てきます。でもそういうとき、「できないことを自覚しなければいけない」と言い聞かせるように意識しています。
 今の自分の等身大のことをまずは精一杯やろう。掃除をしっかりやる。遅れずに作業に出る。頼まれたことを忠実にやる。考えることをせずに言われたことをしなさい、と集合でお父さんが話してくださいました。
 私にとって難しいのは、謙虚でいることです。欲張って求めようとしても、与えられるのは、そのレベルになってから。みんなより成長が遅いことを嘆くより、まずはできないことを受け入れて、目の前の役割を精一杯やります。