5月14日
今日の午後は充実していました。まず、桃の作業の都合で、会合の時間が読書の時間になったことです。30分も、心置きなく読書できるなんて、夢みたいに嬉しいです。せっかくだから、普段は自分からは選ばないような本を読もうと思い、パッと見て読もうと思った、「山椒魚」を読みました。私は、人間が主人公の本にしかあまり興味がないので、あえて、山椒魚が主人公の本を読みました。
あまり読まないジャンルの本を読むと、心に新しい風が吹いて気持ちが解放されました。岩屋の中で大きくなってしまって、身動きがとれなくなった山椒魚が、自分と重なりました。
短編集になっていて、今は、「朽助のいる谷間」を読んでいます。井伏鱒二さんの本を読むのははじめてですが、読むうちに興味がわいてきて、続きが楽しみだし、他の本も読みたくなりました。
その後は、かぼちゃの植え付けをしました。うね立てからです。私はまっすぐのノーマルなうねを立てるのも大好きですが、かぼちゃのまんじゅう型のうねをたてるのも、また違った楽しさがあって大好きです。作業というよりは、大きなアートを作っている気持ちになって、そしたら夢中になって、いつまでもやっていたいと思ってしまいました。
休憩のときに、斜面に寝ころがって腰を伸ばしたら、青空が眩しくて、満たされた気持ちになりました。なつみちゃんとそなちゃんと並んで寝転がって、全力を出しあって協力して作業をすることが、なんと恵まれているのだろうと思いました。
腰を伸ばしてまたうね立てに戻ったら、びっくりするくらいに体が軽くなっていました。かけ声を、さくらちゃんが考えてくれて、「やったー! 」と、「パンプキン」と声かけをしたら、お互いに応援しあっている感じがして、力が湧きました。畑の隅で、植え付けを待っているかぼちゃの苗を見たら、もっと力が湧きました。
ゾーンに入ってくると、もっと、はやくきれいなまんじゅううねを作りたいと思って、職人みたいな気持ちになって楽しかったです。さくらちゃんが、そんなにガツガツ動いている感じがしないのにはやくて、私もこうなりたいぞと、思いました。
夢中になっていたらいつの間にかうねがあとひとつになっていて、もっと極めたいと、名残惜しく思いながらも自分の今日の最高のまんじゅううねにしようという気持ちで、最後のうねをたてました。しかし、次はもっとはやくたてられるんじゃないかと思ったので、まだ畑のあと半分、うねたてができるので、次やるときにはもっとはやくきれいにうねをたてたいと、もう楽しみです。
4時半にうねたてを終えて、残りの30分で植え付けです。植え付け、追肥、草敷き、ネットがけ、水やりと、やることがたくさんありましたが、役割分担をしてさくらちゃんが作るシステムの中で動くのがゲームみたいに楽しかったです。
途中、トラクターに乗るお父さんの姿も見えて、この空間が好きだと、嬉しい気持ちになりました。かぼちゃを植え付けるために苗を持ったら、どの苗もみずみずしくて張りがあって、育苗チームのみんなの気持ちを感じて、気持ちのバトンをしっかりと繋がなきゃいけないと、思い、ちゃんと根付きますようにと思って植え付けました。
5時は過ぎてしまいましたが、全ての作業を終えたとき、達成感を感じました。さくらちゃんの「やったー」という笑顔が本当に嬉しかったです。
みんなで全力でたてたうねの頂点に、しっかりとした苗が立っているのを見て、愛おしいという気持ちになりました。