「喜びも出会いも待っている」 ほのか

5月13日

 夜中の1時頃トイレに起きると、外が明るく照らされていて窓の外が幻想的でした。
 朝食の席でひろこちゃんから聞くと昨日は満月だったようで、フラワームーンという名前なんだそうです。
 今日は朝から霧が出ていて、よく晴れて暑い一日でした。
 今日は一日桃の摘果の作業に入らせてもらいました。
 午前中は石生の桃畑で加納岩白桃となつごころの摘果を進めました。
 もう桃の実が大きく成長していて、変形果や双胚がすぐに見てわかるくらいの大きさに成長していました。これは前も思ったのですが、綺麗な形のイメージは縫合線を境に5:5の均等な形なのかなと想像していました。しかし実際は綺麗な桃の形は4:6くらいの比率でふくらんでいるのだと教えてもらいました。
 小さな実にも目を凝らして虫のつついた点や変形を見極めるのがすごく集中力が必要だなと思うのですが、それがすごく楽しくて時間があっという間に過ぎて行きました。
 桃の摘果という作業は、自分の表現力が試される作業だなと思います。
プランを持って、はっきりと自分のイメージを実現しながら枝を見ていって落とす実と残す実を判断する。その連続。
 意思が無いと迷いが生じて、ともすると取り返しがつかない失敗をしてしまうなと思います。一発勝負なのが緊張します。
 今日は、桃用の剪定ばさみを使わせてもらいました。
 その切れ味と、切れるときの「パツン」という音の良さに驚きました。
 普段からあけみちゃんたちが研いだりメンテナンスをしてくれているんだろうなと思うと使わせてもらってありがたいなと思いました。

 午後からは、人数も増えて26アールの白鳳に取りかかりました。
 白鳳はケムシがいました。お食事中のイモムシもいて、(これは石生の畑でしたが)ものすごく許せない気持ちになり、駆除しました。お父さんの、イモムシは利己的で自分の欲にかられて目の前の餌を食べ続けるというお話を思い出し、こうはなりたくないな…とぞっとする気持ちになりました。つつくと丸まって死んだふりをするケムシはまるで自分を見ているようで、もう絶対にイモムシの価値観、イモムシのままではいられない、と強く思いました。

 夜の集合では、お母さんがお父さんのメールを読んでくださいました。
 私はウィンターコンサートでこのイモムシと蝶の話を知っていたはずだけれど、あのときは何も理解できていなかったんだなと痛感しました。なぜなら、今日初めてその話題を聞いたかのように新鮮に、わかりやすく自分の中に落ちてきたからです。
「治るためにそこまで時間は必要ない。治った初心者から、治ったベテランになる」
 という言葉が胸に残りました。自分中心ではなく、利他的な蝶の心を持つことが摂食障害から治るということ。
 子どもの頃は、親が好き、アニメが好き、利己的な考えで目の前の餌を食べることだけが幸せだった。ところが、大人のまま親が好き、アニメが好き、利己的な考えで目の前の餌を食べることは許されない。イモムシの考えを発展させるのでは無くて、全く新しい蝶の価値観をそっくりそのまま飲み込む。
 人間はイモムシからサナギ、蝶へと外見が変わらないのでわかりにくいけれど、中身は昆虫と同じで、変態しなければならない。
 だから私も、蝶の心を持たなければならない。自分のために生きる人生はもうやっていられない。イモムシの生活範囲は狭くて、自分1人に籠もって痛みも苦しみも無い、波風の立たない安全な場所だけれど、虚しくて、誰とも共感しあえなくて、本来の生き方ではない。私がもう何もしたくない、何も感じたくないと思うときは、このイモムシのテリトリーに籠もっていたのだなと思います。
そこから抜け出して2000キロの旅をすること=自分を捨てて、誰かのために治って生きて行くこと。そのためには努力は必須だし、苦労もするかもしれないけれど、その分喜びも、出会いも待っている。

 目の前の損得、疲れるか否か、楽しいかどうか、本当に、短絡的な浅はかな感情の一端に翻弄されていた自分が馬鹿みたいです。
 「点」だけを見て一喜一憂して、自己否定と被害感情を繰り広げて、自分で不調を作り出す、自分に籠もるループができていたのだと気が付きました。
 上がったり下がったり、不安定なコンディションの原因が今、はっきりとわかったように思います。

 子どもの時の価値観はもう使えない。イモムシの頃に支えになっていたものは、蝶になってからは支えにならない。
 今の自分の迷いは、そこに集約される気がします。
 もう本当に、イモムシから蝶になる。そう決意すると、自然と前向きな気持ちがわいてきます。

 今日のお母さんのお話を聞かせてもらえて嬉しかったです。

○ジャガイモが担当野菜になりました。
 今日石生の桃畑から移動するときに、一瞬でしたが魚取り裏のジャガイモを見ると、花が咲いている様子でした。2回目の追肥と土寄せが遅れているのですが、播種が終わった来週あたりにできたらいいなと思っています。

 長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。