山小屋キャンプのなのはな〈吹き矢〉

山小屋キャンプのなのはな〈吹き矢〉
(記者:ほのか)

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 あなたは、世界で一番面白い遊びを知っていますか?

 …そう。その名は吹き矢。

 最強で最高の威力を誇る矢。ユーモアに満ちあふれた絵柄の的。命中したらら音が鳴る花火的。
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 全てが手作りでできた、なのはなの吹き矢大会です。
 チームメンバーのそれぞれが並んで的を狙う鋭い視線は、獲物を狙うハンターそのもの。
 筒に矢を込めたなら、息を吹き込み、的の中心めがけ発射させるだけ。
 これでイメージはバッチリ。
 私ははやる気持ちを抑え、開始時間まで的を見つめていました。

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 今回は全6チームに分かれ、個人戦、名人戦、団体戦に挑みます。
 名人戦の後はなのはな妖怪を的に、団体戦が行われました。
 なのはな妖怪とは、今年の3月から行われた心の傷を癒すロングミーティングで用いられた妖怪をモチーフに、実行委員さんがユニークなイラストにしてくれたものです。
 梨の木の下には、妖怪の説明も記された妖怪図鑑も。そのイラストがなんともチャーミングな特徴を持っており、気持ち悪いけれど憎めない。そんなキャラクターたちが描かれていました。

 自分の持つ妖怪的要素を、吹き矢で退治したい!
 その決意をテーマに、実行委員さんの寸劇からスタートしました。

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 私はちさとちゃんチームで、2番手でした。どの場所のどの的を射るかはあみだくじやくじびきで決定されました。
 はじめのスタートラインは、的から7mの位置です。
 円の外側から黒が1点、青が3点、赤が5点、黄色が10点、緑が20点のゾーンになっています。
 7mは山の中で行う吹き矢よりも的が近く感じ、しっかりと的の中心を正視することができました。
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「脚は横に開いて仁王立ち。的の左右は両目で見て、的の上下は心の目で見る。」
 私はお父さんから教えていただいたコツを思い出しながら、構えの姿勢を取りました。

 各チームから1人が前に出て、並んで的を狙います。背中からみんなに注目されている気がして、すごく緊張しました。
 やよいちゃんの「用意…打て!」という合図に会場がしん…と静まり、その瞬間、渾身の力を込めて「フッ!!」と息を吹き込みました。

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 「カーン!」と金属がはじけるような良い音が鳴り、我に返って的を見てみると矢は赤色ゾーンに付き刺さっていました。

 後ろにはチームメンバーの暖かい笑顔がたくさんあり、嬉しい気持ちになりました。

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 どのチームのどのメンバーも次々と高得点をたたき出す中でも、特に大活躍したのはゲストの相川さんでした。

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 相川さんは持ち分の矢をほぼ全て的の中心に当てており、何度も金属音のはじける音がよく響いていました。その度にみんなの歓声が沸き起こり、
 全く外れが無くて、相川さんの出番はみんなの注目が集まっていました。

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 子どもたちは2mのラインから矢を吹きました。今回の吹き矢をずっと楽しみにしてくれていたゲストのしゅんきくんも大活躍で、何度もベストポジションに矢を当てていました。

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 続いて行われた名人戦では的が風船に置き換わり、どちらが先に風船を割れるかで勝負しました。
 私は名人戦に出場させてもらって、予選では第一位で通過できたのですが、本戦ではなのはなで何度も吹き矢名人に輝いているあゆちゃんとの対戦でした。

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 この名人戦、なんとスタートラインが15mに下がっており、立つだけでも的からかなり距離を感じました。
 潔く覚悟を決めて吹くと、矢は刺さったもののやや低空飛行で的から外れてしまいました。まっすぐに矢を飛ばすためには太く短い強い息を腹筋でコントロールしなくてはいけないのだと感じました。

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 あゆちゃんが「パンッ!」と風船を割り、あゆちゃんが名人戦決勝に勝ち上がりました。わかっていたけれど負けるのはやはり悔しかったです。
 あとは同じチームで名人戦に出場する卒業生のさらちゃんに託しました。

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 ネズミ男リーグ名人戦、決勝に勝ち上がったのはあゆちゃんと相川さんでした!
ところがこの2人、息ぴったりすぎてどちらかが風船を当てたかと思いきやもう片方も風船を割り、どちらかが外したかと思いきやもう片方も外す…なかなか決着がつきませんでした。
 お父さんタイムがかかり、ブレイクタイムとしてネコ娘リーグの決勝が行われることに。

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 ネコ娘リーグ決勝に勝ち上がったのは、なんと同チームのさらちゃんとお父さんでした。
 さらちゃんは名人戦本戦の1回目で風船を割り決勝に勝ちあがったものの、お父さんとの一騎打ちに惜しくも敗れてしまいました。
 さらちゃんは吹き矢をするのは初めてだったそうなのですが、いつも矢を当てている箇所が正確で、矢が真っ直ぐ飛んでいて、すごいなと思いました。

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 そしてあゆちゃんと相川さんの対決に戻ります。
 ついに…相川さんが風船を割りました!!
「わあ~っ!!」と、どっと歓声がわき起こり、相川さんのいるさやねちゃんチームは300点を獲得しました。

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 名人戦最後を飾ったのはお父さんと相川さんの対決です!
 長年の経験と実績を誇る絶対的強者、お父さんVS…チームにいると絶対に優勝できるといわれている「勝利の男」…その名も相川さん!!

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 どちらを応援してよいものか、いや、どちらにも熱いエールを送りました。
 会場のみんなが息をのみながら、今か今かと決勝の2人を見守りました。

 静寂の後、「パンッ!」と風船を射貫いたのは…相川さんでした!

 さらに300点が追加され、相川さんのいるさやねちゃんチームは計600点を獲得しました!

 興奮と熱気が冷めやらぬ中、吹き矢大会も後半へ。

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 団体戦では、的が花火的から妖怪の的に変わりました。
 真ん中に出現した「師」ゾーン。そこに当たると100点を獲得することができ、全チームから1人指名して、助っ人を申し出ることができます。

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 しかし、その四方にまとわりつく自分妖怪、人格を歪めている私たちの中の妖怪に当たってしまうとマイナス20点になってしまうのです…。

 妖怪は3本矢を当てると退治することができ、妖怪の急所、ハートに当たれば1発で妖怪を退治することができます。急所に当たれば得点が2倍になります。

 どの妖怪を誰がどの手順で狙うのか、マイナス点を厭わず師ゾーンを狙いに行くのか。
チームで作戦を立てながら、団体戦に臨みました。

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 妖怪の的は大きく、当たりやすいかと思いきや下の方は当てるのが難しく、集中力も保つことができないとすぐに外れてしまいました。

 幸運なことに1発で「師」ゾーンに当てることができ、私たちのチームは助っ人にお父さんを指名させていただきました。

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 お父さんが次々と矢を命中させていて、流石だな…と思いました。他のチームの得点になってしまうけれど誰もが本気になって矢を吹いていて、利他心のゲームだな、と感じました。

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 楽しかった吹き矢大会も、終わりの時間に近づいてしまいました。
 結果は、やはりダントツで相川さんのいるさやねちゃんチームが優勝でした。
 見ていても楽しい、やっていても楽しい、当たったら嬉しい。
 吹き矢は、笑顔の絶えないゲームだなと思います。
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 また、吹き矢は気持ちを前に出して表現する訓練にもなるのだとお父さんに教えていただきました。
 そのため、これからも定期的に吹き矢大会が開催されるかも…ということでした。
 私ももっと気持ちを強くして、もっと吹き矢名人に近づけたらいいな、と思います。
次の吹き矢大会も楽しみです!

(記者:ほのか)