山小屋キャンプのなのはな〈基地作り〉

山小屋キャンプのなのはな〈基地づくり〉
(記者:ももか)

DSC06470

 『人間になりたい!妖怪人間基地づくり!』私たちの持っている、悩める妖怪要素、妖怪人間から抜け出したい!という決意を込めて、私たちの基地つくりが始まります。

DSC06486

 私はさやねちゃんリーダーの、相川さん、りゅうさん、よしみちゃんと、心強いメンバー勢ぞろいのチームで私は作らせてもらいました。
DSC06386

DSC06378

DSC06402

「これを作ってみたいんだ!」
 さやねちゃんが私たちに伝えてくれたその目指す基地はまさに自然にピッタリでおしゃれな基地。イメージをするだけで、夢が広がります。
 が、しかし、2時間20分という制限時間の中でできるのでしょうか。お父さんとお母さんが、そんな図案をもとに、もっと具体的に、作り方のポイントを教えてくださって、さらに、さやねちゃんが、全方位の図をセンチ単位で細かく書き、各竹にも番号を振り、誰でも見たらわかる図案を書いてくれて。そして、全員で何度も当日の役割分担と手順を入念に確認し。さらに、さらに、実行委員さんが私たちの要望に沿って、ピッタリの長さと本数で竹を準備してくれて。この秘密基地つくり当日にばっちりと備えてきました。

DSC06411

 今日はこれまで私たちの頭の中でしてきたことを、実際にやってみる日です! みんなと理想を目指して、出来ることを願って、力を合わせて作っていきます。
 さやねちゃんたちと「頑張ろう!!」のハイタッチ、みんなと気合を入れて、いよいよ製作スタートです!

DSC06537
 
 実際に私たちが基地を立てる場所の前まで来ると、より一層ドキドキ…始めに、みんなと最終手順確認をして、早速取り掛かります。
 図にはA、B、C…とアルファベットが振ってあり、同じように各竹にも。図の通りに、地面に竹を置いていきます。

DSC06583
〈さやねちゃんチームは竹を使ってしっかりとした基地を作っていきました〉

 はじめに一番大切な部分となる、脚です。「これがAです!!」「次C置きます!」何だか、大きなパズルをしている気分で、次々と竹を置いていきます。

 そして、置くことが出来たら結んでいきます。この基地を支えるとっても大切になるこの結びの工程では、結びの得意な人がひたすら結び、そして力持ちの相川さんとりゅうさんが竹を支えてくださり、と役割分担をして、確実にがっしりと竹を結んでいきました。

 私はりゅうさんとペアになって結ばせてもらったのですが、夏野菜の支柱建てをするように、ちょっとも動かないくらい、渾身の力を込めてだっこちゃん結びをします。ちょっとでも、動いてしまったら、やり直し!さやねちゃんが「この部分がどこよりも大切だからしっかりと結びたい!」と伝えてくれて、その思いの通り、がっしりと。

DSC06524
 しかし、1人ではがっしりと結ぶことが出来ません。そんなときりゅうさんが結びやすいように考えて、竹を少し持ち上げてくださり。時には、私が結ぶのに手こずってしまっていても、私の気持ちに沿って、ずっと支えてくださって。そんなりゅうさんの優しさが嬉しくて、それでいて、心強く安心した気持ちで、結ぶことが出来ました。

DSC06585

 私たちが結ぶ間に、相川さん・よしみちゃんペアも結んでくれていて、ほぼ同時のタイミングで、前と後ろの脚が完成です。
 ここで早速立ち上がります!みんなで竹に取りついて、「せーの!!!」と竹を立てます。
 さやねちゃんが前から見てくださって、真っすぐを合わせていきました。地面はコンクリートではないので、大きな石や木を下に挟んで調整です。こんな時、声掛けは欠かせません!

DSC06564

 やはり、重くて太い竹を2本の脚だけで支えることは難しい…4人で抑えている間に、横に竹を設置して、上が四角形になるようにしていきます。強く結んで、角には短い竹で筋交いを付けて補強しました。「立ちますように!」と願いを込めて、手を離したら…
 あーーっ……なかなか安定せず、倒れてしまいます。そんな時、救世主が現れました!
 本当にベストタイミングで、須原さんが来てくださって「木と結び付けて支えたらいいんじゃないか」とアドバイスをしてくれました。
 早速須原さんの元、四つ角をPPロープで結び、木と結び、そうしている間にどんどん竹にかけていた力がいらなくなり、最終的には誰も支えなくても、安定して立ちました!
 ベースとなる脚が立ち上がっただけでも、圧巻の光景です。

DSC06617
〈チームごとに使う素材も基地の建て方も様々です〉

 ここからは私たちの一押しポイントの製作です。前後左右に、三角型の竹に、横竹をつけ、竹で装飾をしていきます。これが、この基地の最高の味を出してくれるのです。
 正面から、地面で「Iです!」「Mです!」作っていくのですが、この横竹の長さがばっちりすぎるほど、適正な長さで、全く苦戦することなく、とっても美しく、結んでいくことが出来ます。
 一緒に結んでいた、かのんちゃんと横竹が平行になっているかどうか。間隔は均等かどうか。確認しあいながら、どこまでも美しく!と気持ちを一つに結んでいけた時間もとっても嬉しかったです。

DSC06576
              
 一本一本抱っこちゃん結びをしている所に…「凄い順調じゃないか!」と各チーム回ってくださっていたお父さんが来てくださりました。
 そして、だっこちゃん結びをしていた私たちを見て、なんと新しい結び方を伝授してくださりました!
 紐を掛けて、くるっと輪っかを作って、輪っかに紐を通して、きゅっとして、グルグル回して、結んだら完成です!

DSC06594

 だっこちゃん結びの半分の時間で出来てしまうのです。支柱建てのようにしっかり止めたいときはだっこちゃん結び。今回のように結ばれていたらOKなのであれば、スピードを重視したこの結び方。
 どんな時もだっこちゃん結びをして止めてしまっていたのですが、こうしてお父さんに新しい結び方を教えてもらい。目的によって、結び方を工夫していくことの大切さを感じたと同時に、もっともっといろいろな結び方を知りたいな。そして、活用できるようになっていきたいな。と思いました。

DSC06522

   新たな結び方を身に着けた私たちの結ぶスピードはさらにアップし、次々と完了していきます。
 完成したパーツから次々に、一番始めに立てた竹に取りつけていきます。みんなと力を合わせてせーの!なんと言ったらよいのでしょうか、図と頭の中で作られていた基地が、目の前に出来ていく。一回一回の工程で「わーっ!」と歓声が響きます。製作が進むにつれて、ワクワクがどんどんどんどん増していきました。そして、さやねちゃんやかのんちゃんと顔を見合わせては、「凄いねっ!順調だねっ!」
 完成に近づいていく基地が、私たちのやる気を最後まで高めてくれました。

DSC06506

 基地を立てている所には、小さな木も生えていて、それに頭を悩ませることもありました。そんなとき、さくらちゃんや相川さんとどうしたら木に優しく、それでいて見た目も綺麗にできるか考え、一工夫。
 その一工夫で、その小さな木も生き生きとより一層素敵な雰囲気を出してくれました。

 そして、そして、前後左右竹の取り付けは完了です!!私たちが竹を結んでいる間に、相川さんやりゅうさんたちが、天井に竹を取り付けてくださっていました。
 最後はその天井、そして正面と、内装の飾りつけです。おじいちゃんの山の中に立つ、生き生きとした青竹に、新緑のシダや大きな葉がつけられ、光が差し込む光景は息を呑むくらい美しい…

DSC07018

 が!天井に必要なシダが足りない!残り時間は後30分弱、コンテナと選定を片手に、シダスポットまでよしみちゃんとダッシュ!!!急斜面を駆け上がった先には、緑緑立派なシダがありました。黙々と二人で取り、「よしっ!」コンテナ一杯まで取ることができました。
 それを持って、駆け下って………余りに勢いが良いので、コンテナから全てが飛び出してしまうこともありました。他のチームのみんながすっとそれを見て助けてくれて。そんなハプニングもありながら、無事に私たちの基地の所へ到着。

 その間もシダ取付け職人の相川さんを中心に、天井が美しく飾られていっていました。正面から見ても、中に入って見上げても、どこをどう見ても美しい。そんな素敵な基地が出来ていました。

DSC07015
 
 そして基地も完成に近づいてきた所で、「アホラ」幸福と健康をもたらす神様に相川さんが変身です。                 
 準備の期間基地だけでなく、各チーム基地とモデルさんにあった妖怪衣装を準備してきました。
 相川さん自身も初衣装のようで、ドキドキ、そしてワクワクしているのを笑顔と言葉から感じます。私たちもどんな風に仕上がるかドキドキ、ワクワク。
 藁スカートをはいて、羽根冠を付けて、ネックレスに、草履に………相川さんアホラ、かっこいい!!!! 私たちの想像を遙かに超えるかっこよさ、相川さんにバッチリあっています。

DSC06960

 相川さんが衣装を着終わると同時に、秘密基地も完成です!
始めは時間内に終わるかどうか、という程、難易度の高い工程であったのにも関わらず、さやねちゃんの事前の段取りに、須原さんやお父さんに助けてもらい、そして、みんなと一団となって作っていくことが出来たから、時間にも余裕を持って、最高の基地を作り上げることが出来たのだと思います。

DSC06622

 そして2時間20分は飛ぶように過ぎ、それではいよいよ各チームの発表です。始めはまなかちゃんチーム「私のキャッスル」これを、山の中でどうやって作ったの!? と思う程、大迫力なキャッスルがそえ立っていました。

DSC06638

DSC06657

 それが段ボールで作られているなんて…5mもの段ボールにお城が描かれています。そして、頭上にはイスや料理道具が浮いています。まなかちゃんチームらしい、夢の世界のようなその基地。
 お父さんが「地に足がついていない感じが自己陶酔らしい」と話してくださって、まさに、妖怪要素と基地がマッチ!モデルさんのまみちゃんの衣装も神々しく輝いています。

DSC06683

DSC06690

DSC06700
 
 続いて、怯え妖怪から抜け出すんだ! 中に入っていても、こちらから見てうかがっている!? 大きな鳥のかごのように、天井にはたくさんの笹や木が盛られていて、周りは竹の柵で囲まれ、向こう側の山小屋まで見えるほど、見通し抜群。こちらも、またまた怯え妖怪と基地がマッチ!

DSC06749

DSC06738-1

DSC06753

 そして、そして、オーっ!!!!一目見た瞬間に、みんなから次々と歓声が上がります。基地の中に赤く輝く鳥の世界のお姫様でしょうか。周り一周笹の束が立てられ、入り口にはその鳥が好きな色の赤色のお花がちりばめられ、そこに入ってみたくなる安心感と美しさに溢れています。
 あやかさんも美しい、基地も美しい、これにはお父さんもお母さんも大好評です。お子さんのしゅんき君もりくと君も一緒に発表してくれました。一緒に作ってくれたようで、あゆちゃんの言葉や二人の姿を見ているだけで、製作の時の光景が目に浮かびます。
 得点は、なんとお父さん100点、お母さん98点です!

DSC06803

DSC06798

DSC06809

 そして、続きまして…これまでとは一味違ったテイストの基地の登場です。りなちゃんチームでは障子が浮いて動いているように見えます。立っている基地ではなく、今にも動き出しそうな躍動感溢れた基地。そして、のんちゃんの衣装はその和風な基地にあった、浴衣をベースにした衣装で、九尾のようで、かっこよさもあり、うつくしさもあり、これもまた、素敵です!

DSC06825

DSC06827

 そして、いよいよさやねちゃんチームの発表です。アホラ(相川さん)と基地がかっこいい!緑の竹や葉に、光が差し込み…そして、緻密に作られた建築物のような基地が美しい。
 誰でもいつでもこの基地に入って、休むことも、話すことも、料理をすることも、出来る相川さんのようにオープンな基地です。そして相川さんを見てお父さんとお母さんが「今年のコンサートは相川さんも役者で出そう!」それくらい、相川さんがアホラにばっちりあっています。

DSC06859

image

 大好評の基地とアホラ、得点は何と、お父さん98点お母さん100点です!チームみんなで「やったー!!」お母さんが何よりもうれしそうで、私までとっても嬉しい気持ちになりました。

DSC06881

DSC06892

 そして、最後はちさとちゃんチーム。スタードームを2つ使って作った基地には魅力的なストーリーがつき、そのストーリーにみんなが虜になりました。
 この基地に住むのは自己完結型妖怪。基地の中でくるくると回っています。
 そしてその妖怪はなんと自分の完結してしまった脳みそを取り出して、新たな人生を歩むと誓うのです。その衝撃なストーリーと衣装に会場が湧きました。

DSC06900

DSC06921

DSC06913

 それぞれのチームの発表が終わり、いよいよ、お父さんとお母さんがそれぞれ選ぶ、『住みたい妖怪ハウス賞』の発表です。どの基地にもそれぞれの良さがギュッと詰まっています。その中でも、選ばれたのは、お父さん即答で『あやかさんモデルの鳥基地』!皆大納得です。そして、お母さんも即答で『相川さんの基地!』相川さんもみんなも、私たちも、とっても嬉しかったです。

DSC06984
〈お母さんが住みたい基地で賞!〉

 万全な準備あっての、今回の基地つくり。さやねちゃんチームは誰一人動きが分からなくなることも、迷うこともなく、全員が全体像をしっかりと把握して、役割をまっとうしていて。製作している間終始、みんなと一つになっている感覚がありました。プランを持つことの大切さを感じる機会でもありました。
 そんな基地作りがやっていて物凄く楽しかったし、それでいて、どんどん形になっていくので、そのたびに顔を見合わせては嬉しい気持ちになりました。

DSC06993
〈お父さんが住みたい基地で賞!〉

 おじいちゃんの山に新たにいくつもの妖怪基地が完成!この基地はこの夏縁日で再び大活躍します。その光景を想像すると今からワクワクしてしまいます。

 秘密基地つくり大成功!準備から、製作まで、どこまでも楽しい秘密基地つくりでした。

(記者:ももか)