5月5日(月)
山小屋から古吉野に帰ってきて、何だかキャンプが終わってしまったような気持ちになりましたが、明日も新聞紙ファッションショーがあるので、場所は違うけれど最後の遊びを楽しみたいと思います。
正直、私はキャンプの計画が発表されてからずっと、気持ちがあまり乗りませんでした。こういうイベントの盛り上がりについていける自信がなく、どうにも居場所がないような感じがありました。
夜もうなされるようになり、急に夢に親が出てきて親から見放される夢を見たり、キャンプ当日もなのはなのみんなに見放される夢を見ました。夢の中では戦時下で、いつ原爆が落ちてくるか分からない中、みんなでマラソンをしていました。ところがいつの間にかみんなは走るのをやめて古吉野に帰ってしまいました。私が走り終わって帰ると、みんなが体育館で卓球をしていて、私も慌てて卓球に加わるのですが、やっているうちにいつの間にかなのはなのみんなが見知らぬ人に変わっていて、恐ろしくなる夢でした。吹き矢の夢も見て、夢の中で何度も自分のセリフを言っていたような気がします。
起きたら現実はキャンプ当日でした。変かもしれませんが、怖い夢を見てうなされていたにも関わらず、起きたらみんなのワクワクした気持ちが私にも移ってきて急にワクワク楽しい気持ちになってきました。車で山小屋へ向かう道中も、緑の中を走っているだけで、幸せな気持ちが湧き起こってきました。
1日目、まずはテントを張る時間で、私はなおちゃんとかのんちゃんと3人でテントを張りました。テントを張ることが初めての経験で、とても楽しかったし、自分で自分たちの家を建てるみたいでワクワクしました。なおちゃんがいてくれてとても心強かったです。3人でああだこうだと言いながら、テントを張れた時間がとても楽しかったです。
午後はみんなから話に聞いていたジップラインができるウォークラリーでした。私はジップラインというものがどういうものなのか全く分からず、最初はみんなの話についていけなかったのですが、なつみちゃんからジップラインのことを教えてもらってから、自分もやってみたいなぁと思っていました。夢がかなってジップラインが出来て嬉しかったです。ウォークラリーでは1回しか滑れなかったので、翌日の朝、もう一度乗ろうと思って行ったら、まちちゃんとよしみちゃんが付き合ってくれて、もう1回滑れて、大満足できました。夕食のバーベキューも美味しかったし、お父さんのライブも嬉しくて自分が何のために生きていくのかを改めて教えていただいた気持ちになりました。1日とても充実して楽しかったのですが、夜はまた悲しい夢を見てうなされて起きました。その日は飼い猫のコタロウが出てきてコタロウのことを思うとやっぱり悲しくなります。
2日目の午前は基地作りで、私はまえちゃんのチームでした。竹を割ったり地面に打ち込んだり、竹をしならせて屋根にしたり、しの竹や蔓を屋根に乗せたり、重たい瓦を運んだりダイナミックな作業がとても楽しかったです。一人では絶対にできないことをこうやってみんなで真剣にやれることが本当に嬉しいなぁと思いました。
午後は料理の鉄人でした。料理という場が少し苦手です。今まで料理の仕事をしてきたけれど実際は料理が得意という訳ではなく、料理は好きだしやりたいけれど、自信はなく、やりたいと言うことができません。やっぱり台所に入った人が中心になってするので自分は言われたことをするしかできず、あまり積極的に参加できなかった所が反省点だと思いました。
でもお米も上手に炊き上がって、カレーも、セロリサラダもとても美味しかったです。お父さんとリュウさんが作ってくれたカツが、本当に美味しくてお父さんのカツを食べたら力が付きそうな気がしました。3日目の昼食にもお父さんのカツサンドと卵サンドが本当に美味しかったです。私はカツサンドというものを食べたことがなく、カツをパンに挟むとこういう味になるんだなぁとその美味しさに感心しました。
料理の鉄人の後はみんなのライブがありました。どのグループも凄く楽しかったです。みんなが本当に生き生きしていて、綺麗で可愛くて格好良くて、みんなの一生懸命な姿に感動しました。その後はお風呂タイムがありました。その日はサウナにも入れるということで、みんながサウナで興奮しているのを見ると、私も入ってみたい気持ちになりました。私は今までサウナに入ったのは1回しかないのですが、その時はしんどかった思い出しかなくて、あまりサウナが好きではありませんでした。でもその日、ももかちゃんとななほちゃんと3人で入りました。最初は65度くらいだったのかなぁと思います。それでも暑いと感じました。お父さんがせっせと薪を入れて下さって、サウナの窓からお父さんの姿が見えるのが嬉しくてお父さんが喜んで薪を入れているのも嬉しかったです。段々温度が上がってくるにつれ、どんどん気持ちがハイになり、楽しくて気持ちよくて仕方がなくなってきました。体のあちこちから汗が出てくるのが快感でした。最後は89度だったと思います。十分に暑かったのですが、最高は102度まで上がったということを聞き、102度を体験した人の話を聞くと、その温度を体験してみたい気持ちになりました。
お風呂の順番が回ってくるのを待つ時間、お風呂を上がってから寝るまでの時間、何人かの子たちとトランプをできたことも凄く楽しかったです。最初は本を読んでいる人がたくさんいたので私も本を読もうと思い、読み始めたのですが、ゆうなちゃんが「のり子ちゃんも一緒にトランプやろう」と誘ってくれて、ゆうなちゃんの優しさが本当に嬉しかったです。
3日目の午前は吹き矢でした。私は実行委員なので少し緊張していました。集計が間違いなくできるかも心配でしたが、セリフをきちんと言えるかが一番心配でした。練習の時も、気持ちが引っ込んでしまって言えなくなり、チームのみんなに迷惑をかけてしまうことがありました。でも今日は大丈夫だろうという気がしました。やっぱり前日のみんなのライブで皆が自分の殻を破っている姿が励みになった部分も大きかったと思います。吹き矢をみんなが楽しんでくれている姿が見られて本当に嬉しかったです。見ているだけでもとても楽しくて、盛り上がって良かったなぁと安心しました。
キャンプが始まってからも気持ちが急にハイになったり、気持ちが引っ込んでしまったりしました。ちょっと変な人になってしまっている自覚はあります。お父さんが、気持ちは離れていても表面上は楽しい振りをすることが大人としての常識だという話をして下さって、本当にその通りだと思いました。今回は気持ちが引っ込んでしまうことはあっても、まあまあみんなの中に居られたかなぁと思います。エドシーランの曲を聴くと何故か涙が出そうになります。他にもいいなぁという曲がいくつもあって、リュウさんが歌手が誰かを教えてくれたのも嬉しかったです。
鳥の囀りや、フクロウか獣の鳴き声が聞こえたり、テントに雫の落ちる音が聞こえたり、葉っぱがハラハラ降り落ちてくる様子や、蝶が飛んでいる姿、ワラビやタケノコ、コシノアブラ、ミツバなどの山菜が採れたり、たくさんの自然に囲まれていて、たくさんの仲間がいてすごく豊かな気持ちになりました。幸せすぎて今までの世界は何だったんだろうと思います。嬉しくて幸せなんだけれど、何故か泣けてくるのです。
夜は新聞紙ファッションショーの話で、いろんなチームが盛り上がっていました。どんな衣装ができるのか、作るのも楽しみだし、他のチームの衣装を見るのもとても楽しみです。