【感想文⑦】「みんなの走る背中を見て」 かのん

【第32回津山加茂郷フルマラソン全国大会 感想文集 その7】

「みんなの走る背中を見て」
かのん

 

 4月20日は、フルマラソン当日でした。朝、5時に起き会場に行きました。
 会場に着いた時から、すでにもう緊張していました。何に一番緊張していたかというと、自分が走るという事より応援に緊張していました。

 フルマラソンスタート40分前になると、皆で最後の準備体操をしました。
 なのはなの皆で、お父さんお母さんとも準備体操をさせてもらい凄く嬉しくて、これがもう今年最後のマラソン前の体操なのかなと思うと凄く心がぎゅっとなって暖かくなるなと感じました。
 準備体操が終わるとゼッケンをつけました。やよいちゃんに着けてもらったのですが、つけてもらっている時も凄くドキドキしていて、これまではずっとマラソンとは無縁で、テレビでしかゼッケンを見たことがなかったですが、実際はこんな感じなんだなと思いました。

 そして、私もやよいちゃんにゼッケンをつけさせてもらいました。もうその時の気持ちは、「がんばって!」という気持ち1つで、これまで生きてきて、こんなにも人を「どうか頑張って!」という気持ち1つで純粋に応援したことがなかったなと思いました。人を応援する事って、こんなにも嬉しくて自分の強みにもなるんだなと今回のマラソンで知りました。
 ゼッケンをつけ終えた皆がスタートの場所に移動し、フルマラソンがスタートしました。そのみんなの姿を、背中を見ているだけで、これまで今日の日のために目標のために皆と3か月練習してきた日々や、ピークの14キロを走っている皆の姿がふと思い出されるなと思いました。
 みんなの走る背中をずっと見てきて、もう今日が目標の日なんだなと思うと、凄くドキドキした気持ちになり、これまでの3か月間の過程が凄く思い出されて、凄く大事で、その過程が永遠の記憶になるだろうなと思います。
 それにこうして何か月間も一緒に練習してきてフルマラソンを一緒に走る、こうして一緒に乗り越える人達のことを仲間というんだろうな、と皆の背中をみてそう改めて思いました。

 それから、30分後にミニマラソンがスタートしました。
 平らな道で奈義コースみたいな感じでした。ですが走っていると途中で川が流れていたりして、川の流れる音が凄く綺麗で、落ち着いて走れるなと思い、清々しい気持ちで走れました。
 そして、走る前にお父さんが、
「ミニマラソンは速さを意識してみて、だけど競争とかはしないでいい」
 とおっしゃってくださっていました。ですが、正直、速さを意識して走るのが怖かったです。競争心がでるんではないかという恐怖。だけど、そんな気持ちは置いといて、いざ走ってみると競争心は出ず、速さや順位とか、そんなことよりもゴールを意識し、早くフルマラソンを走っているみんなのところに応援に行くんだ、と思いながら走れたことが凄く嬉しかったです。こんなにも大勢の中で清々しく、順位とか競争とかしないで走れたのは初めてだなと思います。
 集合で、お父さんが言ってくれたみたいに、速さや順位を競うのではなく、自分のできる限りで頑張ってゴールする事が大事なんだな、と改めてそう感じさせてもらいました。

 そして、走っていて途中ですれ違うなのはなの子たちが「ファイト!」と笑顔で言ってくれて、それだけで、凄く頑張ろうと思えて最後まで気持ちよく走れたなと思います。それに今、自分が走っている時も、みんなもフルマラソンで走っているんだろうなと思うと凄くそれだけでパワーが出てきました。仲間と一緒に走る嬉しさ、楽しさ、仲間がいるってことはこんなにも嬉しくて助けられているんだなと初めて実際に体験して知り、仲間がいる事は希望でしかないなと思います。だけど多分、これはマラソンだけではなく日々の生活でも、自分が気づいてないだけで凄く仲間に救われている部分、助けられている部分があるんだろうなと思います。みんなの走っている姿を見させてもらったりして、仲間という気持ちがより前よりも強くなったなと思います。

 走っていて途中でゴールだと思いスピードを上げてしまいました。だけど実際それはゴールではなく、少し焦っていた時に、永禮さんが名前を呼んでくれて、もうそれだけで、ゴールではなかったという少しショックだった気持ちが一瞬でなくなり、ぱっと心が明るくなり、その瞬間走りやすくなりました。その時の自分にとって凄く救われたし、応援してもらう、仲間がいる事はこんなにも嬉しいものなんだなと、初めて身体と心で体験させてもらいました。

 そして、グラウンドに入った時に、すにたちゃんとももかちゃんが最後の応援をしてくれて、応援されるってこんなにも嬉しいことなんだなと思いました。
 それに、仲間がいて、一緒に走ってくれる人がいるから頑張って走ろうと思えるんだろうなと思います。ですが、それは多分フルマラソンだともっと感じるんだろうなと思い、その体験を私もいつかしてみたいなと思います。
 走っている時は正直、
「私はフルマラソン無理だろうな」
 と思っていました。だけどゴールした時の達成感、嬉しさ、そして応援してくれる嬉しさを知り、その後の皆のゴールする姿を見たら、
「ああ、私もいつか走ってみたいな」
 と初めて、そう強く思いました。

 ミニマラソンで、のりこちゃんとも一緒に走らせてもらいました。のりこちゃんが帰ってきて、のりこちゃんが、「梅の木コースを28分で走っていた」と言っていたのですが、梅の木コースの約2倍の距離があるコースを32分で帰ってきて、もうすっごく嬉しくて、自分の事なんかよりもっと嬉しくて、こんなにも人の事で嬉しいだなんて初めてで、新鮮な気持ちでもあり嬉しかったです。
 そして、みんなが帰ってきたら移動して桜を見ながらお弁当を食べました。すごく綺麗な桜で、お花見をしながらすごくおいしい豪華な、なのはなのお弁当をミニマラソンの皆と、なっちゃん、かにちゃんと美味しく食べられて嬉しかったです。

 ご飯を食べ終わった後は、すぐにフルマラソンを走っているみんなの応援に行きました。
 移動中も車の中から走っている人一人ひとりに、
「頑張ってください!」
 と大きな声で車にいる皆で声をそろえて言えたのが凄く嬉しくて、楽しくて、応援する側もこんなに楽しいんだなと思わせてもらいました。応援させてもらうだけでも、こんなにも自分の強みになり希望になるんだと感じました。

 それから、応援場所についたら車を降りて、お菓子や水分を持ち、走ってくる人に渡させてもらいました。お菓子や水分を持ちながらも、「頑張ってください」と応援できたのも凄く嬉しかったし、たまに、「ありがとう」と言ってくれたり手を振ってくれる人がいて、こうして人との関わりがマラソンでもうまれるんだなと思いました。
 途中で、なのはなの子たちが来て、人生でないぐらいにこんなにも嬉しい事はなかったし、すっごく全力で応援したなと思います。
 それに、みんなの走っている姿を見るだけでも凄く凄く自分にも勇気と希望をもらえたなと思い、すごく元気が出ました。
 そして、走っているどの子を見ても、なのはなの子はみんな笑顔で走っていて、そうして笑顔で走れる事が本当に凄いし、こうして素敵な仲間が居ることが凄く自分の誇りだなと思います。

 

 それからは、少ししてゴール地点に行きました。
 グラウンドで待機していて、誰かなのはなの子がグラウンドに入ってくるのが見えただけで、すっごく、すっごく嬉しくて、凄く感動しました。グラウンドでは最後の1周半があったと思うのですが、その最後の1周半もみんな凄く笑顔で走っていたし、応援の人たちや先にゴールした人たちで、「頑張れー!」と精一杯、最後まで全力で名前を呼んで応援できたことも凄く嬉しかったです。こんなにも人を応援すること、人のことで喜ぶことは嬉しいんだな、と何度も何度も感じさせてもらいました。
 人生でこんなにも人のことで喜べたことはないんじゃないかなと思います。
 そしてなのはなの子がゴールした時、すっごくすっごく嬉しくて、自分のことよりももっと嬉しくて、本当にみんな凄くて希望だなと思い、こんなにも凄い仲間がいることが、自分の誇りだと思います。みんなの姿が目に焼き付いていて、こうして素敵な仲間がいることが自分の強みになるなと思います。
 今、走れているのは過去の先輩方のおかげで、今年走った実績も未来につながり、そうしてまだ見ぬ誰かに未来につながっていくこと、過去と今と未来がつながることは本当に希望でしかないと思います。それと同じでマラソン以外のこと、日々の生活、回復できることも、そうして過去と今と未来がつながってそうなっているんだろうなと思わさせてもらいました。

 それから、話は戻るのですが、少しすると途中でボランティアでゴールテープや水を渡すのをしていた中学生の方が帰ってしまい、ゴールテープや水を渡す人が減り、少しにぎやかさが薄まりました。ですが、なのはなの皆で一般の方たちもなのはなの子もいっぱい応援して、ゴールテープを持つ係を私となるちゃんでやらせてもらいました。いっぱい応援できたことが嬉しかったし、こうしてなのはなの皆で盛り上げられたこともすっごく嬉しく、人のことを応援することは自分のことよりも嬉しいんだなと知りました。
 ゴールテープをやらせてもらい、なのはなの皆が42キロ走った瞬間を何度も見させてもらいました。もうすっごく心がぎゅっとなって、これまで経験したことないぐらいに嬉しくて、感動させてもらいました。
「42キロ走るということは、自分だけでは無理だった」
 と、皆そう言っていて、周りに仲間に助けられながら走り、1人だと走れなかったけど仲間を感じながらだったから走れたと、いうことを聞いて、仲間の存在って本当に大切な存在だなと改めて思わさせてもらいました。
 それと回復も同じで、1人では無理で、仲間がいなければ無理なんだろうなと思います。

 そして、このマラソンを完走するには利他心をもってしか無理で、応援や、道中おもてなしも利他心がそこかしこにあるマラソン大会なんだとお父さんから聞き、マラソンと回復は同じだと思いましたし、こうして利他心で人と関われる場所がまだ今もあることが嬉しくて、利他心の大切さ、喜びをもっといろんな人に知ってほしいと思います。
 マラソンは利他心がなければ無理だし、仲間が居なければ無理ですが、みんなは、その利他心があり、仲間がいたことで走り切ることができたと、みんなの感想を聞いたり、何よりみんなのゴールした時の姿、走っている時の背中を見て、きっとそうなんだろうなと、思わさせてもらいました。
 それにみんなの走っている姿やゴールした姿を見させてもらい、未知の世界に行くことは怖くないことなんだなと感じさせてもらいました。

 皆の走った感想を聞かせてもらいながらも、ふと思ったのですが、本当にマラソンは回復と同じだなと思います。回復も未知の世界に行くことで、利他心と仲間がいないと無理です。マラソンもそうだなと思います。
 マラソンを走る前は怖いし、緊張するけれど、走りきったらみんな、「凄く楽しかったし、一瞬だった」と言っていて、走っているみんなの背中、姿を見ていても本当にそうなんだろうなと感じます。

 回復も、回復する前は未知の世界に行くことで、凄く怖いです。だけど回復したら絶対にいいことしかないと思います。それとマラソンも同じで、未知の世界に行くこと、回復するということは怖いことではなく、希望をもって前に進めるなんだろうなと、走るみんなの背中を見させてもらい、そう思います。
 未知の世界に行くこと(回復すること)は怖いことではない。希望をもって前に進むこと。みんなの走る背中を見させてもらい、そう強く感じさせてもらいました。
 実際の走るマラソンは昨日で幕を閉じたかもしれないですが、自分の中の回復へのマラソンは今始まったばっかりで、まだまだこれから仲間と回復へ向かい走り続けていきます。